「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの山登り:朝日連峰縦走(今年の夏山登山)…最終回

2007年12月06日 | 泊まりがけの山登り
2007年、私にとって恒例の夏山登山の記録です。
前回までのブログをご覧の後、お読み頂けるとより興味が湧くことと思います。

朝日連峰縦走(今年の夏山登山)…その1

朝日連峰縦走(今年の夏山登山)…その2


8月12日。いよいよ今日は、以東岳までの朝日連峰主脈の縦走です。標準歩程時間は、7時間40分ほどで、その日のうちに、さほど無理なく一気に大鳥小屋まで下りることも可能です。しかし結局登山日程的には同じなので、やや楽な行程を予定したのが、今回は正解だったようです。前の2日間の影響で、体調が万全でなかったので、ゆっくりした計画でゆとりを持って行動できました。



 予定通り、5時には大朝日小屋を出発。初日の午後一時の強い雨を最後に、天候はすこぶる安定して,昼は猛暑の太陽が照りつけました。尾根伝いの縦走は、終日展望が良い分木陰もなく、とても暑い山歩きとなります。縦走路の竜門小屋・狐穴小屋には水場があり、登りの時のように飲料水を心配する必要はありません。



 竜門小屋では、小屋が日よけになった、気持ちがよいテラスがあります。水場で入れた冷たい水を一気に飲み干すと、周囲の夏山の光や音が鮮やかに目と耳に飛び込んできました。はい松を渡ってくる谷風が、こんなに気持ちよく涼しかったのかと、驚かされました。また、一帯に生えているはい松の中から、高山に住む蝉の声が、盛夏の昆虫たちの生命力を伝えるように元気よく聞こえてきました。



 昼過ぎ、狐穴小屋に着き、この日初めての食事として、昼食用パンを1個食べました。小屋の方から、日中歩くときは、雨傘を日傘にして歩くと涼しいと教わり、実践してみました。平坦な場所では、大変効果があり、強い日差しを遮断して、暑さによる疲労を和らげることができました。しかし、勾配のきつい登りでは、体のバランスが崩れるのか、歩き辛さを感じました。



 飯豊連峰と似た植生の高山植物を愛でながら、縦走路最後のピークの以東岳頂上に3時過ぎに立ち、遙か遠くの大朝日岳からの縦走路を眺め、しばし充実感に浸りました。その後宿泊する頂上直下の以東小屋に荷物を置き、小屋からちょっと下ったところにある、雪渓下の水場へ行きました。雪渓から湧いてくるピュワウオーターは、まさに手が切れるような氷水で、生き返る心地がしました。



 夕方、持参したコンロを使って今回初めてインスタントラーメンを作って食べました。温かい食事がどれほど疲労を回復させ、食欲を増進させるか、痛切に実感しました。稜線を渡る風が涼しさを増し、黄昏れてくる一時、小屋の外で作ったチャルメラ1袋の食事でしたが、久しぶりに満足な食事ができました。



 8月13日。歩程5時間最終日。夜明け前に小屋を出て、以東岳頂上で御来光を仰ぎました。東北の山並みが折り重なるように遙かに続き、そのグラデーションは、モノトーンの墨絵を見るようでした。



 早朝の展望を満喫した後、朝日が差し込む爽快な夏山を楽しみながら、下山路を大鳥池に向け一気に下りました。



大鳥池の湖畔に立つ大鳥小屋で、チャルメラを作って朝食にしました。ザックの中には、食べなかった食料が大分残っていました。


 
 朝食後、2時間30分ほどの歩程で泡滝ダムバス停まで下り、途中下車して日帰り温泉「ぼんぼ」で入浴し、鶴岡駅から実家がある新潟へ向けて帰路につきました。


 実家に戻ると、家族から無数の体中の虫さされが、あたかも皮膚病のようだと揶揄されました。さっそく自分でも鏡を覗いて確認すると、手足は無論のこと、それ以上に私の背中はびっしりと蚊や虻の刺した後が無数に付いていました。日帰り温泉「ぼんぼ」で、私を怪訝そうな顔で遠巻きに見つめていた入浴者は、私の赤く日焼けした手足を見ていたのではなく、「これだったのか」と納得した次第でした。

 ところで、前の2回の「朝日連峰縦走」手記は、山登りの辛い話ばかりでした。今回の夏山は、私にとって今までの山登りの中でも、虫さされと熱中症という点で、きつかったうちの一つに挙げられます。ただいつものことながら今年の夏山も、振り返ってみれば、苦しいことは記憶の隅に押しやられ、充実感と貴重な体験として追想されます。

 いったん山に入れば、自己責任で自分の行動を的確に判断していかなければなりません。近年特に中高年の登山者の中には、日本百名山の登山回数を勲章に、安易な登山をする傾向があるように見受けられます。詳細なガイドブックを手に、短期間で有名な山を登った方が、山に対する自分の経験や判断力を過信し、大きな事故を起こすことが多いようです。

 今年の私の夏山は、かなり経験を積んだものでも、一つ間違えば事故を起こしてしまうかも知れない教訓として、他山の石として頂ければ幸いです。事前にしっかり情報を収集すること、また登山者が少ないルートを登る場合などは、より登山計画を慎重に行うことが肝要なことを痛感しました。また、人気の少ない山の単独登山では、特に体調の管理と、不測の事態に遭遇したときの的確な判断の大切さも改めて思い知らされた夏山でした。山登りをする方の参考に、今回の登山手記がお役に立てたら、うれしいと思います。

 あの虫さされの痕は、暑かった夏山の余韻を体に残すように、1ヶ月たってようやく目立たなくなりました。




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