「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの算数指導法『特殊算』…『流水算…その2・中学入試問題《明治大学附属明治中学校》』

2009年07月13日 | 学習指導法
速さの特殊算『流水算』の2回目として、今春の最新の入試問題を使って、流水算の実際の出題傾向を説明したいと思います。

今回は、明治大学附属明治中学校の今春の入試問題を使い、家庭で教える場合の指導法を伝授しましょう。

流水算の基本解法パターンは、以下のブログで解説しましたので参考にしてください。

2009.7.6『流水算…その1・中学入試問題《浅野・吉祥女子》』



【問題1】明治大学附属明治中学校【3】

ある川の上流にあるA地点から42kmはなれたB地点の間を、P,Q2せきの船が往復しています。PとQの船は、静水では一定の同じ速さで進みます。午前9時に、Pの船はA地点からB地点に、Qの船はB地点からA地点に向かって進み、両方の船はいずれも到着した地点で20分間の休みを取り、再び、もとの地点に向かってもどります。また、両方の船が上りと下りにかかる時間の比は4:3で、上りの速さは毎時18kmです。次の各問いに答えなさい。

(1)この川の流れの速さは、毎時何kmですか。
(2)PとQの船が初めてすれちがうのは、B地点から何kmのところですか。
(3)PとQの船が3回目にすれちがうのは、午後何時何分ですか。



山間部にはいると、まだまだ元気なガクアジサイ(クレナイ)


【ヒント】

この問題は、流水算としては基本的な問題です。

(1)は、『道のり一定の時、速さと時間は反比例』することを利用し、上り下りの速さの比を求めます。

(…道のりが一定の時、速さを2倍にするとかかる時間は1/2、速さを3倍にするとかかる時間は1/3となりますので、時間と速さは反比例していることになります。)

比例式を使って、下りの速さを求め、流水算の基本的な考え方を使って流速を求めます。


(2)は、旅人算の出会いの問題ですから、出会いまでの時間は上りも下りも同じですから、『時間一定の時、速さと道のりは比例』することを利用し、A・B間の道のり42kmを比例配分して求めます。

(…時間が一定の時は、速さを2倍にすると道のりも2倍になり、速さを3倍にすると道のりも3倍になりますから、速さと道のりは比例していることになります。)

(…比例配分とは、与えられた比にしたがってもとになる数値を分配することです。)


(3)は、まず、P船《下りの時間+休憩20分+上りの時間+20分》=Q船《上りの時間+休憩20分+下りの時間+20分》を1サイクルとして、その周期の時間をまず計算します。

…こうした問題は、周期(同じことのくり返し)を考えることは重要で、この問題に関しては、休憩時間20分を入れて考えることを忘れないこと。

そして3回目のすれ違いは、旅人算の出会いの考え方を使って求めましょう。

速さの特殊算は、旅人算が基本になりますので、その考え方をしっかりマスターしてから、他の速さの特殊算を学習することが大切です。



神社の鳥居の横に咲いていたガクアジサイ


【問題(1)・解答】

与えられたかかる時間の条件から、上りの時間:下りの時間=4:3

道のり一定の時、速さと時間は反比例することから、上りの速さ:下りの速さ=3:4

上りの速さは毎時18kmと出ていますから、比例式を使って、
3:4=18:□
□=24(km/時)

上り・下りの速さが出ましたから、流水算の基本的な考えである、
流速=(下りの速さ-上りの速さ)÷2を使って、
(24-18)÷2=3(km/時)…答え


【問題(2)・解答】

隔たりが42kmあり、そこを上りの速さ18km/時、下り24km/時で同時にスタートしますから、出会うまでに進む道のりは、速さに比例します。

したがって、道のり42kmを、速さの比で比例配分します。
速さの比は18:24=3:4
42÷3/(3+4)=18km…答え


【問題(3)・解答】

1周期の時間を計算します。

1周期の時間=(上りの時間)+(休憩時間)+(下りの時間)+(休憩時間)
1周期の時間=42÷18+1/3+42÷24+1/3=4と3/4(4時間45分)

この1周期の間に、2回両船はすれ違います。

すると求める3回目のすれ違いは、2周期目にP・Q両船がそれぞれA・Bを同時にスタートして、初めてすれ違うまでの時間を計算することになります。

すれ違いにかかる時間は、旅人算の出会いにかかる時間を利用して計算します。

42÷(18+24)=1(時間)

よって、求める3回目にすれ違う時刻は、
9+4と3/4+1=14と3/4
すなわち、午前午後制に直すと、午後2時45分…答え



山道で見かけたヤマアジサイ


こうした流水算を、ダイヤグラムを用いて条件を提示している問題が増えています。

すなわち、グラフと関連させて、グラフから数値を読み取ったり、与えられた条件をグラフに書いたりする問題が多くなっています。

ただ単に、基本的な解法をマスターするだけではなく、最新の傾向を把握した上で、学習していくことも重要です。




人気投票に、応援のクリックをお願いします


にほんブログ村 教育ブログ 教育論・教育問題へ
人気投票に、応援のクリックをお願いします





最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。