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「一問必答」は、「一問一答」に掛けた造語として、今回のシリーズで用います。中学受験した学校に合格するために、ぜひ正解してほしい問題の中で、特に経験的に修得すべき基礎的知識を含む問題を取り上げ、ポイントを解説します。出来れば、このシリーズで取り上げる今春の中学入試問題は、私の解答・解説を見ずに、まずは自力で解いてみることをお勧めします。大人には頭の体操になりますし、また受験生は、算数に対する興味や面白さが、倍増するはずです!
前回に引き続き、今年の中学入試に出題された計算問題を取り上げます。整数・分数・小数の加減乗除の計算、□を求める計算、単位が入った計算などが、その入試計算問題の範疇に入ります。
そうした計算の中で、分配・結合・交換の各法則を使うだけではなく、位取りや数値の相互関係を理解して、工夫して解く問題があります。今日の問題は、そうした部類の典型例ですので、理解しておく必要があります。
【今春の入試問題】
1.成城学園中学校
1.2345+12.345+123.45+1234.5=
2.普連土学園中学校
2.014×36+20.14×2.8-201.4×0.17+2014×0.053=
3.筑波大学附属中学校
次の計算をした結果は、何桁の整数となりますか。
4×5×8×25×125=
【解答と理解しておくべきポイント】
まず成城学園の問題は、4つの小数の和の計算です。このまま筆算で計算してもさほど時間はかかりません。小数のたし算の筆算は、位を揃えて計算することを試す問題と考えられます。出題意図が少し曖昧ですが、この問題を工夫して計算する方法を今回は教えましょう。まずこの式を見て、小数点を省けば全て12345の順に数値が並んでいることに気づく必要があります。
そこで、1.2345を基準として1と置くと、12.345は1.2345の10倍、123.45は1.2345の100倍、1234.5は1.2345の1000倍となっていることが分かります。
これを利用して、
1.2345+12.345+123.45+1234.5
=1.2345×1+1.2345×10+1.2345×100+1.2345×1000
=1.2345×(1+10+100+1000)(分配の法則を使う)
=1.2345×1111
=1371.5295
この計算は、そのままやってもさほどの計算量ではないのですが、この方法も気づく必要があります。
次は、普連土学園中学校の問題ですが、「小数計算が、飯より大好きなので、やらせてください!」という生徒は除いて、工夫して解くべき問題です。入試では、筆算を楽しんでいるうちに、刻々と貴重な時間が過ぎて行くことを理解すべきでしょう。疑うようであれば、筆算でやって、時間をチェックしてみてください。入試問題の計算は、難しい問題でも、およそ1分から1.5分程度で解答する必要があります。
この問題は、上で解説した成城学園の計算方法を利用して解きます。
2.014×36+20.14×2.8-201.4×0.17+2014×0.053
=2.014×36+2.014×10×2.8-2.014×100×0.17+2.014×1000×0.053
=2.014×36+2.014×28-2.014×17+2.014×53
=2.014×(36+28-17+53)
=2.014×100(筆算をせずに計算できました)
=201.4
1番の成城学園の問題を、計算の工夫で解こうとする意欲があり、日頃の練習で答えが合えば良いとせず、途中式をしっかりと書くようなことが、計算力を高めるためには大切です。
最後は、筑波大学附属の問題です。筑附のレベルは、長期低落傾向に歯止めがかかっていません。私立に比較して、指導者の力量や情熱に問題があると考えられます。また、最も多くの生徒が塾や予備校通いのダブルスクールで学習しなければならない代表校という、有り難くない評価も気になります。
筑附の入試問題をご覧になれば、与えられた時間に比べ問題量が多いのに驚かされることでしょう。入試問題で、どういった力を見たいのか、疑問符が付く出題となっています。今回紹介する計算は、最初の小問で、1分以内で解くことが要求されています。
日頃の計算練習で、25×4=100、125×8=1000、1/4=0.25、1/8=0.125といった、基本的な数値の関係をしっかりと練習している生徒にとって、とても簡単な問題です。この問題の出題意図を理解できずに、筆算で答えを出そうとしているのであれば、間違いなく合格は遠退きます。
4×5×8×25×125
=(4×25)×(8×125)×5(交換の法則と結合の法則を使う)
=100×1000×5
=500000
よって答えは6桁の整数となります。実際そのまま計算して、「答えは合ったよ!」などと言っていては、力は付きません。
中学入試の計算は、単に答えが合えば良いというものではなく、そのスピートが要求されます。情報処理能力とも言えるそうした力は、日頃の練習の量と質によって培われるものです。しっかりとノットに途中式を書いて練習しましょう。
計算力を身につけるポイントを以前のブログで紹介しました。興味ある方はご覧ください。
マッキーが教える算数…計算力を高めるためのポイント・その1:学習の仕方