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「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの山登り:奥武蔵の天覚山・大高山・子ノ権現を歩く

2014年03月29日 | 日帰りの山登り

 

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 今年は、春分を過ぎて、やっと春めいた季節がやってきました。3月23日(日)、久しぶりにY氏と山登りに出かけました。行き先は、西武秩父線沿線の西側に連なる、天覚山・大高山・子の権現です。

 伊豆ヶ岳を経由して子の権現に到り、吾野駅もしくは反対側の竹寺・小殿バス停に下るルートで歩いたことは、何度かありました。しかし、子の権現から南に連なる山々は、私にとって初めて登る山でした。



 東吾野駅で、かなり多くの中高年登山グループが降りました。その人たちは、西武秩父線の東側に連なる山々を目指す人たちです。なぜなら、私たちのように線路を渡って西側の山へ向かう人たちはいなかったからです。

 今回私たちが登ったルートは、どちらかと言えばマイナーで、
山の熟練者好みの山歩きに適しています。最後の子の権現を除けば、出会う登山者も少なく、静かな山歩きができました。

 9時10分に東吾野駅に到着し、身支度をして出発しました。 踏切を渡り、案内板の指示に従って進むと、やがて天覚山までの登山路が、尾根筋コースと、沢沿いコースに分かれます。私たちは沢沿いコースを選択しましたが、上の画像のように、若干藪がうるさいところがあります。

 今回のルートのほどんどは、杉や檜が植林された人工林の中にあり花粉症の私にとっては、敵の真っ直中を歩くことになります。鼻水やくしゃみにめげずに歩く必要がありますが、それにも勝る楽しみが、山登りにはあります。


 歩き始めて1時間ほどで、まず一つ目のピーク・天覚山の頂上に到着しました。頂上から大きく視界が開け、遠く様々な山を眺めることができる爽快な場所でした。また、ベンチも設置されていて、しばらく休憩するにも良い場所です。

 頂上には、大きなアセビの木があり、白い花をいっぱいに咲かせていました。



 今回の稜線上の登山路には、繰り返しアップダウンがあります。その山道を歩きながら、登り下りの多い北高尾の稜線歩きを思い出しました。登山路から、次のピークである大高山の均整のとれた姿を、下の画像のように眺めることができます。



 この登山路には、この時期、下の画像のようにヤブツバキの花が随所に見られます。植林した針葉樹林帯なので、稜線上の道の両側に、人為的に植えたのかも知れません。

 ほんの前まで、ゴールデンウイークに故郷・新潟に帰省すると、残雪がたっぷりと残る春山に、友人と登ることを恒例行事にしていました。その時期に、新潟の山には、ユキツバキが至るところに咲いていました。



 このルートの途中には、いくつかのエスケープルートがあり、天候や体力に合わせ選択できます。ですので、子の権現まで行かなくとも、都合に合わせた山歩きができるコースです。

 11時過ぎに、大高山に到着し小休止。大高山を越えて次のピークを過ぎた所で、昼食を取りました。まだ芽吹きには若干早い季節でしたが、その木々の枝を揺らす風音だけが聞こえる、とても静かな山歩きでした。



 2時をだいぶ回って、最後のピークに建つ子の権現に参拝しました。ここの境内には、金色に輝く大きな草鞋が飾ってあります。初めて、北上するルートでこの子の権現に至りました。寺なのですが、権現を祀っている神仏混淆のお寺です。






 吾野までの下山路は、子の権現の東側の樹林帯にありますので、時刻の割に、しばらく夕暮れ時のように暗く、また2月に降った雪が所々残っていました。この登山路を下りきると、左側に川を見ながら、民家が点在する舗装された道を歩きます。しばらく歩けば、幹線道路に突き当たり、その手前を案内板に沿って歩けば吾野駅です。

 吾野駅改札の反対側線路脇にに、吾野湧水があり、時間があれば汲んで帰るのも良いでしょう。駅反対側に行くためには、駅近に線路下を通る隧道が設置されていますので、それを利用することもできます。

 
もうしばらくすれば、山々は芽吹きの季節を迎え、山菜や草花で私たちを楽しませてくれます。低山歩きの、楽しい季節が訪れます。




【標準歩程時間】
東吾野駅~1.00~天覚山~1.20~大高山~2.50~子ノ権現~1.25~吾野駅(計6時間35分)



マッキーの山登り:こんな時に登るの?こんな時だからこそ登る!

2014年02月16日 | 日帰りの山登り

 

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 祝日の11日、山登りを予定していました。けれども、8日から9日未明にかけて降り続いた大雪により、山地のバス便がことごとく不通になってしまいました。そこで、予定を変更して、バス便を使わない別のグループの企画に便乗することにしました。それは、一緒に登るY氏が所属する、「新ハイ」支部の方が企画した山登りでした。

 行き先は、相模湖駅から出発し、明王峠に出て堂所山から北高尾山系に入り、八王子城山を経由して霊園前バス停まで歩き、高尾駅にたどり着く山登りでした。未明の5時20分に自宅を出発し、相模湖駅に8時前に到着。今回の山登りには、私を含めて7名が参加しました。



 8時過ぎ、相模湖駅を出発。与瀬神社を通り雪が貼り付いた登山道を進みました。防寒対策はしっかりした服装ですので、歩き始めると暑くなり上着を脱ぎますが、ちょっと休憩すると寒さを感じるといったことの繰り返し。登山路は、登るに連れて積雪が多くなり、平均して40cmから50cm、吹き溜まりは50cmから70cmほど積もっていました。



 メインの登山路は、雪が踏み固められ、切り通しのように深くて細い通路ができています。登山者が少ない場所では、数少ない踏み跡をたどることになります。ただ、年齢は高齢者でも、気持ちは若い人たちが多いので、登山路に沿って雪の中を、新たにラッセルして歩く人たちもいました。

「これが、楽しいんだよね!」

 故郷新潟にゴールデンウイークを利用して帰省する度に、中学時代からの友人と、残雪の春山に登っていた時期があります。数メートルの残雪が残っている場所もあり、雪山を存分に楽しむことができました。雪の量は遙かに少なかったのですが、今回の山登りは、そんな新潟の雪山を連想させました。




 堂所山への登りは、新たにラッセルして道を付けて登りました。山頂から先は、この積雪以来、誰も歩いていない真っ新な銀世界。途中からエスケープルートを下った林道も、積雪でラッセルが必要ですし、バスは不通で利用できません。最後の霊園前バス停まで、雪の中を行くしかありません。そこで、計画を変更して、まずは景信山へ行くことにしました。



 多くの登山者は、すでにしっかりとした踏み跡ができているので、幾つかあるコブの巻き道を、経由して歩いていました。けれども、このグループは、高齢者中心であるにも拘わらす、ラッセルしてコブの頂上を踏み、下りも下の画像のように、深い雪の中を楽しげに下りました。そんな我々の横を、若者たちは、すでに道が付けられた巻き道を経由して通り過ぎていきました。

この高齢者グループ、気力と体力は若いぞ!



 一面銀世界の景信山山頂へ向けて、歩みを進めるグループの人たち。(下の画像)ここで、小仏に下り、車道歩きをして高尾駅まで行くか、このまま進んで高尾山へ歩くか話し合い、このまま直進することにしました。結局、高尾山から稲荷山コースを選択して高尾山口に下りました。



 稲荷山コースの終盤は、雪がシャーベット状になり、歩き辛かったのですが、4時過ぎにケーブル駅に到着。土産物屋は、祝日にもかかわらず、多くがシャッターを降ろし、ケーブル駅前には、数メートルの大きな雪山が画像のようにできていました。

 私たちは、高尾山口駅で電車に乗り、次の高尾駅で途中下車して、反省しない「反省会」を近くの居酒屋で行い、ほろ酔い気分で帰途につきました。


大雪だからといって、自宅でゴロゴロしていては、記録的な積雪を体感することはできない

ちょっと早起きして、思い切って山に出かけたなら、ワクワクする貴重な体験が待っている





【標準的歩程】
相模湖駅〜2.25〜明王峠〜0.30〜堂所山〜1.10〜景信山〜1.45〜高尾山〜1.10〜高尾山口駅

(追)今回載せた11日(祝)の山登りの後、その週の末も連続で記録的な大雪となりました。実は16日(日)にも、ある中高年グループ(産経新聞のOBを中心とする山酒会で私も会員)の山登りに誘われていました。山行を実施するなら、私が最も若いので、先頭に立ってラッセルを覚悟していたのですが。しかし、さすがに2週連続の大雪で、その山登りは中止となりました。度を超えて降った雪の状態からして、賢明な判断だと思います。雪害が各所で起きている状況で、中高年の山登りで、事故など起こしたら、とんでもないことです。それにしても、記録的な大雪は、天候不順・地球温暖化とは無縁ではないように感じます。


マッキーの山登り:大山ケーブルバス停~下社~高取山~聖峯~念仏山~吾妻山~鶴巻温泉駅

2013年11月28日 | 日帰りの山登り



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 11月24日(日)、久しぶりに山へ出かけました。今回は、師匠Y氏と、丹沢山系の大山から南に延びる稜線上にある低山を歩きました。新宿小田急線7時11分発の電車に乗り、伊勢原駅で下車。駅前から出ているバスに乗り、大山ケーブルバス停で降り、大山ケーブル駅まで続くこま参道の豆腐料理店やお土産屋が列ぶ石段を登り始めました。

 大山の中腹にある阿夫利神社下社までは、ケーブルは使わずに歩きました。子どもを連れて大山に登った頃は、ケーブルを利用して下社まで行き、そこから1時間20分ほど歩いて大山山頂へ登りました。また、帰りは見晴台を経由して1時間10分ほどで下社に下り、再びケーブルを使って麓まで戻るハイキングをしました。この周辺の登山路は、案内を含めてとても整備されているので、家族連れでも安心です。

 今回初めて、ケーブル下から下社まで歩きましたが、この時期の登山路の周囲には、モミジを中心に紅葉した木々が多く、歩く楽しさだけではなく、目も楽しませてくれる場所でした。




 下社までの登山路は、途中で男坂と女坂に分岐しますが、見所の多い女坂を選択しました。女坂の登山路脇には、大山の七不思議が立て札で説明されていて、興味を惹きます。登山路のお地蔵さんは、落ち葉に囲まれて、晩秋の風情を味わっているようでした。



 山登り当日は快晴で、紅葉狩りに最適な小春日和でした。風もなく、防寒のために着たヒートテックの下着が、暑く感じられました。紅葉したモミジが、古い建物や石碑を、いっそう侘び寂びた感じに演出しています。

玉のごとき 小春日和を 授かりし (松本 たかし)

 できるなら、この両腕で優しく包み込んでしまいたいような、「玉のごとき」幸せに満ちた暖かい一日。冬だからこそ、太陽の暖かみを感じる一句です。






 少し長い石段を登り切ると、阿夫利神社下社が鎮座しています。社正面には、お参りする人たちの長い行列ができていました。前の広場には、一杯百円の「モミジ汁」が販売されていて、多くの方が賞味していました。ダイコンやニンジンいちょう切りされて、みそ汁の中に入っていました。

 この場所が、今回の山歩きの最も高い地点で、そこからはアップダウンはありますが、麓の駅まで主に下ることになります。夜には、社周辺のモミジがライトアップされるらしく、照明器具が設置されていました。

 モミジの紅葉とイチョウの黄葉の対比が、快晴の青空をバックに美しく映えていました。紅葉した木々の葉は、順光よりも逆光(斜光)で撮った方が、下の画像のように遙かに美しくその朱色が映えます。それから、空の青と黄色もしくは朱色が補色に近い関係にありますので、紅葉した木々を撮るときは、効果的に空を入れた方がよいでしょう。また、被写界深度を浅くして、バックのボケを効果的に活用した方が、対象を際だたせることができます。

うらを見せ おもてを見せて 散るもみぢ (良寛)

 散り際に、何のわだかまりも持たずに、ハラハラと舞い落ちるモミジ葉に、ある境地に至ったような「悟り」の心を見ているようです。良寛の辞世の句「散る桜 残る桜も 散る桜」の構造にちょっとにている気がします。



 落ち葉の上を、サクサクと音をたてて歩く楽しさは、格別です。黄葉した小さな葉が、青空にしばし舞い、ハラハラと一枚そしてまた一枚と地上に落ちてきます。そして紅葉した葉と、黄色に色づいた葉が、地面一杯に敷き詰められ、色鮮やかな錦秋の絨毯ができあがります。

 邪魔な不要な存在、例えば定年退職した夫に対して、「濡れ落ち葉」などと形容することもありますが、枯葉も落ち葉も、おまけに定年退職した夫も、不要な存在だとは全く思えません。春・夏・秋と、ある時は風雨に耐え、ある時は直射日光の暑さに耐え、しっかりと光合成をして、役立ってきた存在でした。そして、最後に美しく紅葉し、潔く地面に舞い落ちてやがて土に戻っていく木々の葉。人間の生き方をも示唆しているようです。



 枯れ薄の向こうに、やや霞がかかった富士山が見えました。これから真冬に向けて、いっそう美しい富士山を仰ぐことができるようになるでしょう。

 蓑毛への登山路を右手に分け稜線を直進し、大きく登り返した場所に、高取山山頂があります。南方前面の展望があり、ベンチも設置されていて、一休みするのには良い場所です。






 どこにでも、遠慮無く繁茂するススキは、代表的な雑草と言えますが、秋の七草として、月見の団子とセットでイメージされます。このススキの穂が、陽光を反射して銀色に輝くと、何とも言えない美しさを感じるのは、私だけではないでしょう。

 ところで、秋の七草は、「おすきなふくは?」で覚えると良いでしょう。春の七草は、知っていて当然ですが、秋の七草を言える人は意外と少ないはず。

 お…オミナエシ、す…ススキ、き…キキョウ、な…ナデシコ、ふ…フジバカマ、く…クズ、は…ハギ、以上が秋の七草です。教室の授業でも、これで教えています。



 今回の稜線から東に少しずれて、大きく下ると聖峯という場所があります。そこには、不動明王を祀ったお堂があり、その前がちょっとした広場となっていて、ベンチも設置されています。また聖峯は、前面が大きく開けて、大展望台となっています。初日の出の賑わいを撮った写真が、案内板横に展示されていました。上り下りのピストンをする体力の余力があれば、聖峯に立ち寄ると良いでしょう。

 また、高取山を山歩きのピークとして、念仏山やこの聖峯を結んで歩いている方も多いようですし、栗原近辺に車を駐車して、散歩程度の気分で聖峯を訪れる家族連れも幾組か見かけました。



 聖峯にあるお堂の前に、江戸・文化年間の石仏や天明年間の石の祠などが列んでいます。長い時の流れの中で、風雪に浸食され無常観の漂う石仏たちです。モノトーンの石仏の脇に、色鮮やかに紅葉したドウダンツツジが、色を添えていました。

 現在の大山は、阿夫利神社が信仰の中心ですが、江戸期以前は神仏習合でした。本社には、かつて本来の祭神である石尊大権現が祀られていたそうです。また
西暦752年に、雨降山大山寺が建立されて、本尊として不動明王が祀られ、中世以降は大山寺を拠点とする修験道が盛んになりました。江戸時代には、大山講が関東各地に組織され、多くの庶民が参詣したことが、浮世絵などで分かります。

 現在のようになったのは、明治時代になってからで、神仏分離令による廃仏毀釈の影響によるものです。日本におけるこの神仏習合は、とても興味深いもので、研究してこのブログに載せる予定です。しかし、二年ほど前から、下書き状態になっています。まとまりましたら、このブログにアップしたいと思います。

 晩秋の下山路、早くも陽が傾き初め、一抹の寂しささえ感じます。鹿か猪を狙っているのでしょうか、ハンターが撃つ鉄砲の音が、時折こだましていました。

奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき (猿丸太夫)

 多くの方が知っている小倉百人一首の歌です。歌意:「遠く人里離れた奥山で、一面散り積もった紅葉の枯れ葉を踏み分けながら、恋の相手を求めて鳴く雄鹿の声を聞くときこそ、秋の悲しさはひとしお身にしみて感じられるものだ。」






 聖峯から元の稜線に戻り、およそ50分ほど下った念仏山山頂脇には、幾つかの石仏があります。晩秋の夕方の淡い光線の中に、静かに佇んでいました。このエリアには、浅間山・聖峯・念仏山・弘法山など、大山詣で賑わった参道の名残と思える地名が多いようです。

 秦野から鶴巻温泉まで小高い里山が続いています。この稜線上に、かつてこのブログでも綴ったハイキングコースがあります。念仏山から少し下ると、この稜線に突き当たり、右手に行けば弘法山、左手に行けば吾妻山を経由して鶴巻温泉駅に通じる道です。

(ハイキングコースの詳細は、以下のブログを参考にしてください。)

マッキーの山登り:秦野駅~鶴巻温泉の丘陵・里山散策…子供たちに自然の楽しさを教えよう!  (2008年11月17日



 東屋がある吾妻山で小休止し、鶴巻温泉に下りました。駅の近くにある公営の入浴施設「弘法の里湯」で入浴予定でしたが、たいへん混み合っていましたので、入浴は止めてビールで乾杯し、お土産を買って、帰途に就きました。


【標準的な歩程】
大山ケーブルバス停~0.55~阿夫利神社下社~0.25~蓑毛越・浅間山~1.20~高取山~0.30~聖峯~0.40~高取山分岐~0.50~念仏山~0.25~善波峠~0.30~吾妻山~0.25~鶴巻温泉駅(計約6時間)


【お土産に買った巨大な柚子】

 下の画像がお土産の柚子。半分に切って、一方は浴槽に浮かべて、柚子風呂にしました。また、もう一方は薄切りにして、甘酢漬けにして現在冷蔵庫に入っています。柚子と表記されたこの巨大な柑橘類は、値段が170円でしたので、安価で楽しめた土産となりました。(まだ、甘酢漬けは食していませんが。)






マッキーの山登り:初秋の高尾山

2013年10月16日 | 日帰りの山登り



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 私にとって、10月上旬から中旬に、高尾山に出かける楽しみが二つあります。その楽しみの一つは、ヤマノイモの栄養繁殖器官であるムカゴを採ることであり、二つ目は、この山域で、ある昆虫に出会うことです。夏の草木の花が終わり、さまざまな木々の紅葉には少し間があるこの時期、特徴的な自然の季節感からすれば、少し物足りない時期でもあります。

 色彩の多様さという点では、草木の花々よりも、晩秋の木々の紅葉の方が、遥かに多彩です。散る間際に見せる、一瞬の美とでも言える木々の紅葉は、見る者の心の琴線に触れ、人それぞれの音色を奏でるように、微かに振動させ続けることでしょう。高尾山の本格的な紅葉は、11月中旬から12月初めにかけてです。


ツリバナ

 10月14日(体育の日)、今回のルートは、高尾山口駅から、稲荷山コースを経由して高尾山・城山・景信山と歩き、明王峠手前で陣馬高原下バス停への下山路を選択しました。予定では、私の高尾山定番ルートである、高尾山口駅~高尾山~城山~景信山~明王峠~相模湖駅という予定で
した。しかし、明王峠へ向かう手前の下山路分岐点で、ふと思いたち、この下山ルートを初めて選択しました。


サラシナショウマ

 さて、先ほど名前を濁した、出会うことを楽しみにしている昆虫のことです。この昆虫とは、あるチョウのことで、チョウであるにもかかわらず、海を越えて「渡り」をする特殊なチョウです。この名を知っていますか。知っている方は、昆虫に興味のある方です。その名は、「アサギマダラ」と言います。以前このブログで、何回か取り上げたことがあります。興味ある方は、以下のブログをご覧ください。


アサギマダラ

マッキーの随想:自然は不思議なことばかり…秋の山の話

マッキーの随想:生きる力を学ぶ…チョウや植物から


ノハラアザミ

 高尾山系では、北高尾にアサギマダラが多く見られ、年によっては群れ飛ぶ姿を見ることができます。この山域全体に、アザミを含むキク科の植物が咲いている時期です。これから渡りを開始するために、これらの花から栄養を補給する目的で集まってくるようです。

 今年は、高尾山の主脈を歩いたので、アサギマダラと出会うことは、期待できませんでした。ところが、その予想に反して、登山路で頻繁にアサギマダラを見かけることができました。大型のチョウで、鷹揚にヒラヒラとゆっくりと舞い飛び、人間が近づいても逃げようとしません。風格のあるチョウです。

 多くの登山者は、このアサギマダラを知らないようです。海を渡る珍しいチョウであることを、もしも知っていたら、その出会いをとても嬉しく感じることでしょう。



 どうしたんだろう? 上の画像のように、とても羽が傷んだアサギマダラ!・・・これでは海を渡れません。一般的にアサギマダラは、秋に日本本土から南西諸島や台湾へ「渡り」をします。しかし、ごく稀ですが初夏から夏に、逆コースで北上する「渡り」の個体があるそうで、もしかしたらこのチョウは、既に渡りを経たチョウかも知れません。

 また、このアサギマダラの幼虫が食べるガガイモ科の植物は、毒性のアルカロイドを含みます。このアルカロイドを体内に取りこみ、体を毒化して敵から身を守っていると考えられています。アサギマダラは鮮やかな体色をしていますが、これは毒を持っていることを知らせる警告色と言われています。


【警告色について】・・・ウィキペディアより抜粋
 警告色を持つ代表的な動物にはテントウムシ、アカハライモリ、モウドクフキヤガエル、サンゴヘビ属などがいる。

 アシナガバチやスズメバチは、いずれも黄色と黒の縞模様である。このように、有毒な種が複数いて、それらが共通した派手な模様を持っている場合、これらをミュラー擬態という。これは、複数種が同じ姿をすることで、敵に覚えてもらうモデルの数が少なくなり、また痛い目をする体験の確率も相対的に高くなることが利点であると考えられる。

 また有毒ではないものの、有毒な動物の警告色に自分の体色を似せることで、撃退の効果を肖ろうとしている形態もいる。これをベイツ型擬態(標識的擬態)という。トラカミキリやウシアブなどがハチに似せ、あたかも毒を持っているように見せかけることに成功している。

 ハナアブはどこにでも生息する大変身近な昆虫で、花に飛来したり、飛ぶ際に「ぶんぶん」という音を放つなど習性や外見がミツバチと似ている。よく花壇などで「ハチがいる」などと警戒されるものの多くは実はハナアブであったりもする。


トネアザミ

 この時期は、ホトトギスやタマアジサイの花も、既に終わっていました。ノハラアザミ・アズマヤマアザミ・トネアザミなどのアザミの花が目立ちました。ムカゴは、風が強い日が数日あったことと、ちょっと時期的に遅かったことなどを考慮すると、採れるかどうか不安がありました。 

 
けれども、今年はヤマノイモの当たり年だったらしく、その生育状況は、例年に比べてとても良く、随所に特徴的なハート型の葉を茂らせていました。条件の良い所では、大きなムカゴが採れ、風通しの良い所では、多くは風で落ちてちょっと小さめのムカゴでしたが、大きな器いっぱいの量を収穫できました。

 大きめのムカゴは、水に塩と少量の醤油入れたフライパンで数分間茹でました。茹でムカゴは、ビールのつまみになります。小さめのムカゴは、むかごにして食べます。ムカゴ・・・季節を感じる食材といえるでしょう。


【ムカゴなどの栄養繁殖について】・・・ウィキペディアより抜粋
 栄養繁殖とは、植物の生殖の様式の1つ。栄養生殖とも呼ぶ。胚・種子を経由せずに根・茎・葉などの栄養器官から、次の世代の植物が繁殖する無性生殖である。

 
野菜(蔬菜)・果樹・花(花卉)の園芸各分野や、ガーデニング(家庭園芸・造園)で栄養繁殖による増殖が広く行われている。前記の栄養繁殖器官を種苗として用いるほかにも、挿し木(葉挿しを含む)、取り木、茎伏せ(圧条法)、株分け、接ぎ木などの手法がある。

 
接ぎ木は、果樹など種子での増殖が難しい木本植物の増殖にも用いられる。このような木本植物の接ぎ木は、一種の人為的な栄養繁殖と捉えることができる。


ムカゴ

 高尾山系には、2ヶ月に1回ほど、多い年は毎月の割合で登ります。新宿御苑にも、これと同じようなペースで訪れています。私の性格なのでしょうが、飽きること無く同じことをやり続けることに、あまり問題を感じません。私にとって、高尾山系も新宿御苑も、出かける度に新たな発見と喜びに出会える場所であることは確かです。

【標準的な歩程】

高尾山口駅~1.30~高尾山~1.00~城山~1.00~景信山~1.10~分岐点~0.55~陣馬高原下バス停(計5時間35分)



早速、昨日の弁当は、むかご飯。
今朝の台風26号で、山のムカゴは吹き飛ばされて、地に落ちるでしょう。
今回が、今年ムカゴ採りの最後のチャンスでした。


※10月16日朝現段階、台風26号が関東地方に接近していますが、外の様子は、天気予報ほど暴風雨になっていません。


マッキーの山登り:久々の山登り・山菜採り

2013年06月25日 | 日帰りの山登り


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 6月23日(日)、久しぶりに山へ出かけました。5月20日から6月22日まで休みは1回だけでしたので、久方ぶりに体を動かすことができました。体が鈍る(なまる)という言い方がありますが、そうならないよう体力を維持するためには、コンスタントに体を動かす必要があります。ただし、それを自分に義務化するのではなく、おおらかな気持ちで行うことが大切だと思います。

 山へ向かう早朝の列車も、駅から登山口までのバス(臨時便も出ている)も、中高年の登山者で混雑していました。前回の私のブログでも綴りましたが、中高年の登山者が多いのと、その中で女性が占める割合は、男性よりも多いと今回も感じました。自宅ではたぶん、「おばあちゃん」と呼ばれている年齢の方たちですが、出で立ちや足取りを見れば、「おばちゃんパワー」を強く感じる光景でした。


(藪山に分け入っていくY氏)

 今回は、私の山菜師匠Y氏と一緒の山行で、ワラビ採りが目的の一つでした。彼は社団法人の専務理事として、全国を駆け回る多忙な人ですが、休みには山登り、特に地図とコンパスと勘を頼りに登る藪山を、こよなく愛する人物です。ということで、今回も一般登山道だけではなく、藪こぎを必要とする場所も通る山登りです。そうした場所は、足下も悪く急坂もありますが、そんな場所にこそ、お宝に出会うチャンスがあります。(人生も同様なことが言えるかな。)今回は、実をいっぱいつけた山椒の木に出会い、青山椒も採ることができました。

 ところで、大切なことを綴っていないね?・・・出かけた場所ですか?・・・これは内緒。山菜採りの場所は、自分で開拓することは難しく、まずはそうしたことに精通した人に連れて行ってもらうことが必要です。連れて行ってもらった者が、安易にその場所を喋ってはいけないことは当然ですので、残念ながらお教えできません。


(山の幸を目ざとく見つける能力は、彼の右に出る者はなかなかいない)

 家族が食べるには充分な量のワラビと青山椒、それにミツバを採り、久しぶりに体を動かすことのできた一日でした。この時期、山菜の他に登山路脇にはキイチゴが実をつけていています。最も美味しい黄色いモミジイチゴは、ほぼその時期を終えていてました。しかし、赤い実を付けたニガイチゴだと思われるキイチゴは、完熟していると苦味は少なく(種に多少の苦味があるということなのだが)、それなりに美味しく食べることができます。タッパーなど持参して採る準備をしてくれば、キイチゴのジャムやリキュールを作ることも可能です。



 バス停に向かう下山路にある民家の道路脇に、赤い実をいっぱい付けた木がありました。近くで作業をしていたおばあさんに何の木か尋ねると、名前を教えてくれただけではなく、「美味しいから食べていきなさい。」とのこと。そのおばあさんは、ザルに採った実を私達に見せながら、その実を焼酎に漬けて、薬の代わりに少しずつ飲むのだと教えてくれました。おばあさんから教わった木の名前を失念してしまいましたが、ネットで調べてみると、その特徴からユスラウメではなかったかと思います。その実の味は、ほぼチェリーの味と言ってよく、小粒ながら美味。不便ではあるが自然たっぷりな山里に住む人達は、都会に住む者よりもおおらかな人が多いようです。こうした麓の人達とのちょっとした交流も、山登りの楽しさの一つです。

 心身ともリフレッシュできた一日。気分転換を図るには、自然と触れ合うのが一番かもしれない。


(この赤い実をつけた木は、ユスラウメではないかと思われます)

【ユスラウメ】
 ユスラウメ(梅桃、山桜桃梅)は、バラ科サクラ属の落葉低木の果樹。サクランボに似た赤い小さな実をつける。俗名をユスラゴともいう。現在では『サクラ』を意味する漢字『櫻』は元々はユスラウメを指す字であった。ユスラウメの実が実っている様子を首飾りを付けた女性に見立てて出来た字である。角野栄子の童話「魔女の宅急便」の第4・6巻に、ユスラウメの果汁をジュースにしたものが主人公に供される場面がある。(ウィキペディアより抜粋)


(下山道に架かる橋を渡る山菜師匠Y氏)

 話は代わりますが、釣りの楽しさとマナーを手ほどきしてくれた、私の釣り師匠である、有名な釣りライター・故盛川宏さんは、「どんなに疲れていても、自分が釣った魚の処理は自分でやれ。」と私に度々忠告してくれました。(そして、「釣った魚は、余すところなくしっかりと食べる。そうすれば、魚も成仏する」とも述べている。)
同様に、自分の趣味で山に出かけて採った山菜は、食するのは家族であっても、自分で処理するという考えを、山菜師匠Y氏も持っています。ということで、師匠の弟子である私は、その教えを守って、日付がかわる頃まで、山菜の処理という宿題をやりました。

(盛川さんをの思い出を綴ったブログ・・マッキーの久しぶりのカワハギ釣り…盛川宏さん直伝の釣り作法

【ワラビの下処理】

たっぷりのお湯を沸かし、わらびを投入後、火を止めて重層を入れて一晩置いてアク抜きをする。食べ方としては、そのままおひたしとして頂けるが、醤油漬けや、昨年私が考えて試した酢漬け(ピクルス)は長期保存ができ、かつなかなか美味しい。



【青山椒の醤油漬け】

興味ある方は、かつて綴った以下のブログに細かく説明しているので、参考にして頂きたい。

マッキーの男の料理・その23…『青山椒の醤油漬けandちりめん山椒』

マッキーの男の料理・その53:今年の進化した「青山椒の醤油煮」and「ちりめん山椒」






マッキーの山登り:大峠~雁ヶ腹摺山~姥子山~金山鉱泉

2012年11月30日 | 日帰りの山登り



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11月25日、この日は前や後の日の天候に比べて、願ってもない晴天となりました。

今回の山行の参加者は、師匠Y氏ご夫妻とAさん、それに私の4人でした。

行き先は、大菩薩嶺から続く小金沢連峰の支脈にある山の一つ雁ヶ腹摺山(がんがはらすりやま)と、その下山路途中にある姥子山(うばこやま)で、行きの大月駅から大峠までと、帰りの金山鉱泉から大月駅までは、タクシーを利用する山登りでした。

5時に起床し、未明の6時に自宅を出発し、放射冷却で冷えきった道を駅に向かいました。

地下鉄から新宿で京王線に乗り換え、高尾で8:01発のJR甲府行きに乗り、大月駅で下車。

大月駅からタクシーでおよそ7000円、時間にして25分程度で大峠に着きました。

大峠は、朝早くやってきた人たちの車で、すでに駐車場と峠下の路肩はいっぱいでした。

また、私たちと同様に数人グループでのタクシー利用者も多く、峠に来る途中で、下ってくるタクシーに数台すれ違いました。


(大峠から雁ヶ腹摺山方面の登山口)

9時30分、峠の右手に付けられた雁ヶ腹摺山への登山路を登り始めました。

ちなみに、大峠の左手に付けられた登山路は黒岳への登り道で、車で来られた方は、この大峠を起点に右の雁ヶ腹摺山と左手の黒岳を往復することが多いようです。



登り始めてすぐに、かなりの水量で湧き出している清水があり、昼食のラーメン用に2.5リットルの水をこの泉から調達。



すっかり冬枯した木々の間をしばらく登ると、木々の枝の合間から冠雪した富士山の雄姿を望むことができるようになります。

また、目を足下に転じれば、登山路脇に霜柱が至るところで朝日を浴びて、宝石のように輝いていました。

初冬の清楚な冷気を肌に感じながら歩き続けると、やがて体が火照ってきますが、それでも汗だくになる季節ではありません。

汗かきの私としては、この程度の標高の山登りをする上で、これからベストシーズンを迎えると言ってもよいでしょう。



Y氏は、4人分の昼食の食材等をリュックに詰め、先頭を切って歩きます。

この山域は、私にとって初めてなのですが、Y氏のテリトリー内でもあり、案内人としてはとても頼もしい存在です。



頂上間近に、左右に平行に亀裂の入った、人工的とも言える大きな奇岩が鎮座していました。

登山路には、視界が開けて富士山の眺望を楽しめるビューポイントが数カ所あり、その飽きることのない景色をカメラに収めながら、10時35分、出発してから1時間ほどで雁ヶ腹摺山(1874m)の頂上に到着しました。

頂上の手前は、枯野になっていましたが、夏にはお花畑になり目を楽しませてくれるそうです。



私達が頂上に向け登っている途中、すでに下山してくるかなりの登山者とすれ違いましたが、富士山の美しい姿をカメラに収めるために、早朝から登られる方が多かったのだろうと推測されます。

この雁ヶ腹摺山から写した富士山の景色が、かつての五百円紙幣に印刷された富士山の原画であったことなども、この山の魅力であり登山目的になっているようです。

この山域には、他に笹子雁ヶ腹摺山牛奥ノ雁ヶ腹摺山という山があり、狭い領域に同じ名前の山が複数存在するのは、明らかにこのエリアが雁の飛行ルートとなっていて、渡りの途中に群れが山の端に腹を擦るように過ぎていく姿から命名された山々なのでしょう。



頂上付近では、最近雪が降ったのでしょうか、地面にうっすらと積雪が見られる箇所がありました。

これから、景色は急速に冬の佇まいとなり、地面は凍結し、もっと深く積雪し、厳しい冬の様相を呈するようになります。



時間がちょっと早めでしたが、私たちは頂上にオープンスペースを見つけて、早速昼食の準備にかかりました。

インスタントラーメンに、さまざまな具を入れて頂きましたが、これからの季節、こうした熱々の食事は、体だけではなく心も暖まります。

秋の収穫を祝い執り行われる各地域の「芋煮会」などは、湯気の立ち上る食事で体が温まるだけではなく、心温まる親睦の行事となっているのでしょう。



ススキの穂が朝日を受けて銀色に輝き、雲海の上に冠雪した富士山が雄姿を見せる光景は、日本人の心の琴線に触れる美しさがあります。

初冬の奥深い紺碧の空に、ピュアーな光線を放つ太陽があり、その横を一筋の飛行機雲が、どこまでも真っ直ぐに線を引いていきました。



昼食を終えた後、12時に次の目的地の姥子山(うばこやまorおばこやま)へ向けて出発しました。

雁ヶ腹摺山直下左手に、案内板も設置された姥子山への登山路があります。

姥子山へは下りの登山路となり、途中金山鉱泉への分岐点のある白樺平を通り、奈良子林道に出ます。

その林道を横断した向かい側に鉄梯子があり、そこを下りて登山路に従って進みます。

姥子山は双耳峰を持つ山で、西峰は通過し、東峰へ向かいました。

13時13分、周囲が開け、とても開放的な展望を楽しむことができる姥子山東峰(1503m)の山頂に着きました。

山頂には、雁ヶ腹摺山と同様に、「秀麗富嶽十二景 一番山頂」という文字が入った案内板が掲げられていました。

「秀麗富嶽十二景」は、大月市域の山頂から望む美しい富士山を市のシンボルとし、併せてふるさとの自然をそのまま後世に伝えようと選定されたものです。

以下の山々の選定は、大月市出身の山岳写真家白籏史朗氏を中心におこなわれたそうです。

  • 1番山頂 雁ヶ腹摺山(1874メートル)・姥子山(1503メートル)
  • 2番山頂 牛奥ノ雁ケ腹摺山(1995メートル)・小金沢山(2014.3メートル)
  • 3番山頂 大蔵高丸(1781メートル)・ハマイバ(1752.0メートル)
  • 4番山頂 滝子山(1590.3メートル)・笹子雁ヶ腹摺山(1357.7メートル)
  • 5番山頂 奈良倉山(1348.9メートル)
  • 6番山頂 扇山(1138メートル)
  • 7番山頂 百蔵山(1003.4メートル)
  • 8番山頂 岩殿山(634メートル)・お伊勢山(丘陵地・約550メートル)
  • 9番山頂 高畑山(981.9メートル)・倉岳山(990.1メートル)
  • 10番山頂 九鬼山(970.0メートル)
  • 11番山頂 高川山(975.7メートル)
  • 12番山頂 本社ケ丸(1630.8メートル)・清八山(1593メートル)



山頂から、今し方登ってきた雁ヶ腹摺山を望むことができましたが、富士山は水平線上にかかった雲により、この時間帯では見ることができませんでした。

展望を楽しんだ後、13時30分山頂を出発して、再び奈良子林道まで戻り、林道をしばらく下り、案内板に従って、再び左手の下り登山路に入ります。

しばらく登山路を下ると、再び林道に降り立ち、そこからしばらく進んで、分岐点で案内板通り金山峠を目指します。

14時55分に金山峠に到着し、ここから道は、大岱山方面に進む道と、沢沿いの道に分かれますが、私たちは沢沿いの道を選択して進みました。



小さな沢に架かった幾つもの丸木橋を右に左に繰り返し渡り、高度を下げていきます。

変化に富んだ面白い登山路ですが、場所により滑落の危険のある場所や、崩落している場所などがあり注意を要します。



初冬の谷間は、里では考えられないほど早く、夕暮れがやって来ます。

スリップに気をつけながら、私たちは最後の登山路を進みました。



やがて登山路は終わり、金山鉱泉に向かう林道に降り立ち、夕暮れの道を歩きました。

山里のモミジの紅葉が、夕日を受けてその赤をいっそう際立たせ、静かに暮れゆく周囲の景色は、郷愁を誘います。

体も心もリラックスした雰囲気の最後のおまけの林道歩きさえ、その一日の山登りが充実していると、楽しいものです。



見上げれば、いつしかダークブルーの夕暮れの空に、上弦の月から満月になろうとする月が、静かに浮かんでいました。

金山鉱泉山口館に16時20分に到着。



金山鉱泉前には四人組の登山グループ数組が、山口館でタクシーを呼んで、次々と大月駅へ下りていきました。

金山鉱泉から大月駅までのタクシー代は、三千円強ですので、行きと帰りのタクシー代は、四人で分けると一人2500円程度となります。

やはり、公共交通を使って今日の山々を目指す場合は、4人程度のグループ登山が良いでしょう。

金山鉱泉山口館で呼んでもらったタクシーに乗っている間に、辺りは真っ暗となり、日も暮れた大月駅に到着すると直ぐ、5時過ぎの電車にタイミング良く乗車できました。

私たちは新宿で途中下車して、ネオンサインが煌めく新宿西口の居酒屋で、反省会と忘年会を兼ねて、食事とお酒で盛り上がりました。

秀峰富士山の雄姿を堪能し、晩秋と言うか初冬の山の自然に遊び、カサカサと落ち葉を踏みしめる快感を味わい、酒と肴と友の談笑で最後は決める・・・贅沢な一日でした。


【今回の山行の歩程】

大月駅~タクシー~大峠9:30~1.05~10:35雁ヶ腹摺山12:00~1.13~13:13姥子山13:30~1.25~14:55金山峠15:10~1.10~16:20金山鉱泉~タクシー~大月駅(計4時間53分・小休止含む)

案内板はしっかり付いているので、見落とさない限り、道に迷うことはありませんが、金山峠から金山鉱泉までの谷沿いの登山路は、経験者には変化に富んだ下りですが、高齢者および初心者は、崩落箇所もあり注意深く下山する必要があるでしょう。





マッキーの山登り:源次郎岳~恩若峯~ぶどうの丘

2012年06月14日 | 日帰りの山登り



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気象庁は9日、東北南部、関東甲信、北陸が梅雨入りしたと発表しました。

東北南部と北陸は平年より3日早く、関東甲信は平年より1日遅く、昨年より13日遅かったそうです。

9日(土)は一日中雨でしたが、バスを使った山登りの予定だった山酒会(産経新聞山の会)の友人Tさんは、どうしたでしょうか?

翌日の10日(日)、私は山菜師匠Y氏と甲斐の山に登る予定が入っていてました。

全国統一小学生テストの実施と、そのテストの見直し学習指導で休日が2日つぶれ、私にとって今月の休みは二日だけですが、その貴重な休日の10日は、関東地方も入梅となり天候が心配されましたが、何とか大丈夫そうな予報になり、山登りを決行しました。

5時に起床しベランダから空を眺めると、雲に覆われいかにも梅雨時のグレーの空の合間から、ブルーの空がちょっぴりとのぞいていました。



新宿で地下鉄から京王線に乗り換え高尾へ行き、そこでJRに乗り換え甲斐大和駅で下車。

9:10発の上日川行きの満員のマイクロバス(多くは大菩薩峠の登山者)に乗り、嵯峨塩鉱泉で降りる当初の予定を変更し、その少し先の林道入口で降ろしてもらいました。

ところが計画変更した林道入口が、この林道よりもう少し先だったことが後から判明・・・運転手が聞き間違えたのか、勘違いしたのか、そこのところは分かりませんが。

歩き始めると、雨具を出すほどでもない霧雨が降っていましたが、結局その日雨に降られたのは、この最初の時間だけでした。

道端に生えたわらびを取り、咲いている草木の花を愛でながら進むと、先に書いたように思わぬところで、嵯峨塩鉱泉から登ってくる源次郎岳への登山道に合流。

ここで、初めて私たちは間違った林道を歩いていることに気づきました。

ただ、当初予定した嵯峨塩鉱泉からの登山道に合流したわけで、初めの計画に戻ったと考えれば、大きな失敗ではなかったのですが。



広葉樹林帯の中に付けられた源次郎岳への登山路は、新緑の木々におおわれ、最近の雨に洗われたせいで、いっそうその緑を際立たせていました。



人間が歩く登山路や、山に生息する動植物の生育環境は、杉や檜などの針葉樹林帯よりも、広葉樹林の方が遥かに都合がよいでしょう。

広葉樹は、食用になる実をつけ動物に餌を提供し、その木の葉は落葉すると腐葉土を作り、そこに数え切れない昆虫や小動物を養います。

また、そうした腐葉土の森林は、保水能力も大きく、涵養林としての役割もしっかりと果たし、魚付き林として漁業にも良い影響を与えます。

人間の短期的経済効果だけで森林を考えると生態系が壊され、
長期的な展望に立った森林の活用を考えれば、現在よりも違った自然感や環境が見えてきます。



この山域の足下の山野草は、多くはありませんでしたが、ミツバツツジやヤマツツジがこの時期、至る所に咲いていました。



上の画像がミツバツツジで、下の画像がヤマツツジです。



11時ちょうどに、山梨百名山に指定された源次郎岳山頂(1477M)に到着し、しばし休憩しました。

山頂は周囲の木々が切り払われ、ちょっとした広場になっています。



11時15分山頂を後に、源次郎岳の急な登山路を下り始めました。

振り向くと、均整のとれた円錐形の源次郎岳が望めました。



源次郎岳の下り急坂が終わると、なだらかな登山路が続きます。

道はしっかりしていて、途中のコブには巻き道が付けられ、登山者が少ない割に、よく整備され歩きやすい道でした。



12時58分、思ったよりも早く、ひょっこりと木々に囲まれた恩若峯(982.6M)に到着。

そこで、ちょっと遅い昼食を取りました。

この時期にこの山域を訪れる人は、全山を覆うほどの姿が見えない無数の春蝉の鳴き声に驚かされることでしょう。

鳴き方が異なる複数の種類の春蝉が生息しているようで、ヒグラシのような鳴き声のエゾハルゼミも盛んに鳴いていました。



歩く足下に、昆虫のオトシブミが、下の画像のように綺麗に葉を丸めて作った「落とし文」が、幾つも落ちていました。

小型の甲虫で、姿はゾウムシに似ているオトシブミの卵か孵化した幼虫が、その中に入っているのでしょう。



私たちは、恩若峯から一般登山路を通り塩山に下る予定を変更して、『甲州市勝沼ぶどうの丘』へ下る尾根を歩くことに決め、13時40分下り始めました。

まず、一般路になっていない左手に道を分ける、その尾根に取り付く場所探しに一苦労

登ってくるなら簡単でしょうが、下る場合はルートファインディング能力が試されます。

木々の枝が進路を遮るように「道無き道のゲート」となり、人の通行を拒絶し、下りの「苦難」を予告させる場所を、何故か生き生きと下るY氏



初めに取り付いた稜線は、しばらくすると沢に到達し、間違ったことを確認し対岸に渡り、視界を遮るような稜線めがけて急斜面を登り返しました。

Y氏が取り付いた場所には、水場を求めて来る獣が通る「けもの道」が付いているのを、下の画像でも確認することができるでしょう。

私たちは、熊に襲われ怪我をしたという注意書きがあった山域で、獣しか通らないエリアに入り込んでしまったのでした。

この画像で見る感覚よりも実際は遙かに急斜面で、転げ落ちそうになるのを低木や下草に掴まりながらの登りでした。

一旦異なる尾根に取り付くと、本筋の尾根も次から次へと支脈を広げるので、隣の尾根が正解の稜線とは限らない状態になります。



恩若峯から1時間のブッシュと急坂との奮闘の後、廃道となった林道に到着。

しばらくこの林道を下ると、登り返した稜線のさらに向こうに、本来の目指す稜線が見えました。

ここからしばらく林道歩きが続きますが、もう進む方向がわかると気軽なもので、周囲に咲いている卯木の仲間の植物などを観察しながら楽しく下りました。


(ウツギ:ユキノシタ科ウツギ属)


(バイカウツギ:ユキノシタ科バイカウツギ属)

(注)私の友人Aさんから、このブログをアップした後、上の画像の花はバイカウツギではないようだという指摘がありました。確かにバイカウツギの花弁は4枚が一般的。ただし、資料により5枚の花もあると記述されたものもあります。知らない花の場合、花をマクロで撮るだけではなく、その植物の幹の形状・葉の付き方と形状などを撮っておくべきでした。・・・後からそう思うのですが、撮っているときは花の美しさに夢中になるので、つい忘れてしまいます。



上の白い花は、葉の形状や花のつき方から、ウツギの仲間ではなく、バラ科シモツケ属の落葉低木であるアイズシモツケ(会津下野)です。

漢字で会津なら、本来の名称は
アイヅとすべきですが、偉い方が勘違いして命名したものが正式名称となったということでしょう。

調べると、この植物は別名に、アイヅシモツケと書いて、そう呼ばれているようです。


(エゴノキ:エゴノキ科の落葉小高木)



上の画像のコアジサイ(小紫陽花)は、アジサイ科アジサイ属の落葉低木で、別名シバアジサイ(柴紫陽花)と呼ばれ、この時期に山でよく見かけるアジサイの仲間です。

その薄い水色をした花は、夢を見ているように美しく感じます。



バラ科の属の1つであるキイチゴ(木苺)と総称される仲間には、下のようなモミジイチゴやニガイチゴなどがあります。

林道脇に、そうしたキイチゴの実がなっていて、それもY氏の好物です。


(モミジイチゴ)


(ニガイチゴ)

30分ほど林道歩きの後、画像のように一面のぶどう畑とその周囲に民家が点在する舗装道路を、ぶどうの丘に向かってひたすら歩きました。

「カッコー・・・カッコー・・・」

都心の地下鉄駅では、季節感を全く配慮せずに、冬でもカッコーの鳴き声を流している所もありますが、夏の訪れを実感させる本物のカッコーの鳴き声が、山里に響いていました。




様々な複合施設が建つぶどうの丘に、15:55分に到着。

早速日帰り温泉施設の「天空の湯」に直行し、湯舟に浸かりました。

露天風呂からは、高台となった施設の利点を生かし、甲府盆地・御坂山塊・南アルプスを一望することができました。



入浴後、冷えたビールで乾杯し、眺望を楽しみながら談笑し、17:19発の勝沼ぶどう郷駅行きバスに乗り、17:45臨時停車する特急かいじに乗車し新宿への帰路につきました。

下の可愛い人形は、駅に展示されていたもので、つるし雛のようですね。



【歩程時間】

林道入口9:36~0.37~10:13源次郎岳登山道合流地点10:18~0.23~10:41下日川峠への分岐点10:45~0.15~11:00源次郎岳山頂11:15~1.43~12:58恩若峯13:40~0.55~14:35廃林道合流地点14:40~1.15~15:55ぶどうの丘(計 約5時間)


けもの道のような稜線の登山路は、

最短コースを辿ったと思えば遠回りに、

遠回りになってしまったと思えば最短に、

まさに人生の縮図のようです。




マッキーの山登り:幼児の初めての山登りが山菜採り!?

2012年05月17日 | 日帰りの山登り



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このブログで、メガロポリス東京の身近な環境の中でも、さまざまな植物が生えていて、自然に接する機会が、思っている以上に沢山あることを述べてきた。

しかし、幼児が日頃接する自然は、幼児に対する安全が考慮された、擬似的な自然と言って良い。

ところが、ちょっと郊外に出ると、里山として人の生活と共存した、ちょっと広がりのある自然に接することができる。

そして、思い切ってもう少し山に入り込むと、相当な程度、どっぷりと自然に入り込んだといった印象を受けることだろう。

母の日・5月13日(日)、もうすぐ4歳の誕生日を迎える幼児と一緒に、山菜採りに出かけることにした。

山菜採りは、一般登山道周辺では、なかなか量的に見つけることは難しい。

特に東京周辺では、知る人ぞ知るエリアでないと、満足できる量を確保することはなかなかできない。

毎年、K氏が中心となり、私の山菜師匠Y氏も加わり、4月の終わり頃、20年以上続いている山菜山行を行っている。

恒例の、そして最近は高齢となったこの山菜山行は、採った山菜を肴に山中で酒宴を催す、楽しく季節感ある山登りである。

今年は、都合がつかずに私は不参加だったので、今回の山行はちょっと遅れた山菜採りとなった。

問題は、幼児の初めての山登りに、山菜採りは妥当だろうかということ。

足場の悪い道を、ブッシュをかき分け進む登りは、幼児にとってあたかもジャングルに迷い込んだといった印象を受けるだろう。

また、幼児の日頃の運動量を考えると、ちょっと長めの歩く距離も課題だ。

それでも山菜採りを決行したのは、最近体力がついてきたことと、この子が動植物に興味を持っているからだった。



行った場所は、K氏グループが開拓した場所なので、伏せておきたい。

駅からしばらく民家のある舗装された道を歩き、やがて砂利道の林道に入る。

その道端には、クサイチゴの花やミツバ、そしてさまざまな草花が生えている。

幼児は、手に持った袋に、杉の枯葉やさまざまな葉っぱなどを入れ、クサイチゴの白い花を手に持って、「イチゴはいつできるの。」と聞いてくる。

「採った花からは、イチゴはできないよ。枯れて死んでしまうから。」と言えば、それからは花を摘むのを止めてしまった。



林道をしばらく進むと、登山路となるが、登山路と言っても管理された登山路ではなく、wifeに言わせれば「けものみち」と言った方が妥当な道となる。


今までは気にならなかった登山路だが、幼児の目線で見ると、滑落すると危険な場所もあり、手を引くwifeはかなり気を遣っていた。


(イチリンソウの花)

登山路の足下には、さまざまな植物が花をつけていたが、それを楽しむ余裕は2人には無かったようだ。

すなわち、私にとっては知り尽くした山道であるが、幼児とwifeにとっては、予想以上に険しい山道だったということである。

今年に懲りて、来年以降、たとえ「もう行かない!」と言いだしても、山菜採りの苦労が理解されれば、我が家において、私が採ってきた山菜の価値が上がることは間違いない。


ホウチャクソウ(宝鐸草):ユリ科(APG植物分類体系ではイヌサフラン科)チゴユリ属に分類される植物。】

今回登った場所は、人が頻繁に入り込むエリアでは無いので、道はさまざまな木々の枝でおおわれている箇所が多い。

振り向いて2人の様子を見ると、まさにジャングルの木々をかき分け進む探検隊だ。



枝に棘のある木も多いので、フードを幼児の頭に被せる。

そんな山道を2人より先に、山菜を採りながら進んでいると、後ろから登っていた幼児の悲鳴が!


聞いてみれば、その悲鳴の理由は、幼児がクモをとても怖がったからだと判明。

たいていの虫は、触れるほど平気な幼児ではあるが、クモを異常なほど毛嫌いしていることが分かった。

幼児が見る本や映像には、クモを必要以上に悪役にしたものが多いからだろうか。

クモが悪役なのは、本能的に人間がクモを嫌う何か理由があるのかも知れない。

確かにクモの中には、危険色あるいは警告色とも取れる、どぎつい色のものも存在する。

また、昆虫よりも2本多い足により、形態や動作が奇異に感じられることも理由に挙げられる。



wifeも山菜採りは初めてだったが、目の離せない幼児の世話で、山菜採りはもっぱら私の仕事となった。

下の画像がモミジガサで、葉がモミジの形をしていて、シドケとも呼ばれ、代表的な山菜である。

モミジガサをくせのある山菜という方もいるが、アクも比較的少なく、おひたしや油で炒めて食べると、とても美味しい山菜だ。



下の画像は、ヤブレガサで、葉の開く前の芽が出たてを採ってきて、天ぷらなどで食べると美味しい。

すでに時期的には遅く、このように葉が開いてしまうと、固くて食べられない。



山中では、山菜採りと2人との距離のチェックで、例年に比べ野草の花を観賞している暇が無かった。

「お腹が空いた。」という幼児のリクエストで、斜面地の中で平坦な場所があり、休憩を考えていたその場所で、ちょっと早いランチタイムを取った。

倒された木の幹に腰掛け、持参したおにぎりを食べたが、こうしたシチュエーションの中での食事も、3歳児には良い経験になるだろう。

無論、誰一人とも出会うことがない登山路だったが、一般登山道が近づくと、イカリソウなどの花が増えて、そして一般登山者の声が斜面の上の方から聞こえてくるようになる。



ひょこりと、一般登山道に出ると、やっと解放された!といった印象で、私の前を歩き始める2人。

この画像を撮った直後、喜んだ幼児が注意を聞かずに走り出し、転んで顔を擦りむいて泣く。



登山路周辺に、ハナイカダの木が多く生えている。

このハナイカダの葉は、天ぷら・おひたし・菜飯などにして食べることができる。

今年も、採れたモミジガサ・ハナイカダ・ミツバ・山椒の若葉を料理して、その内容を後日紹介しようと思う。



幼児にとって、今回の山登りはとても長く感じただろうが、登山路が麓に近づくと、再び元気が湧いてきたようだ。



一人で歩きたがるが、山道になれていないので、直ぐに転んでしまう。

やはり手を引いて下るが、幼児にとっては、私よりもwifeの手の方が良いらしい。




登山路終点の麓には、さまざまな花が咲き、心を和ませる。

直ぐにだっことせがんだ幼児も、よくまあこれだけ歩けたと、その成長に驚いた私である。

ただ、山へ幼児を連れて行く場合、人の手を借りずに、最悪負ぶって戻る覚悟は絶対に必要である。


(シャガの花)


(シランの花)


(アイリスの仲間の花)

下の画像は、下りてきて、やっとほっとした2人。・・・(私もほっとしたが)

さほど高い気温にもならず、天候に恵まれた一日だった。



山菜が多く採れたので、山中(食事を取った場所)で三鷹の知人に届けることを電話していたので、帰りに三鷹駅で途中下車した。

手渡して帰る予定だったが、ぜひ寄って欲しいということで自宅にうかがうと、庭にバーベキューの用意がしてあり、久しぶりに屋外でバーベキューを味わいながら、ビールを頂いた。



幼児にとって、この日は山菜採りや、知人宅の訪問
(初対面・・・柔道師範で恐そうだが直ぐ慣れた。この子は人見知りしない性格らしい。) 、そしてバーベキューと未体験ゾーンをさまよった一日だった。

帰宅後に山登りの感想を聞くと、 「お山行きたいけど、今度は簡単な高いお山へ行きたい。」という、すごく納得できる回答が返ってきた。

 


マッキーの山登り:2012年・故郷新潟ゴールデンウイーク登山…菱ケ岳~五頭山

2012年05月08日 | 日帰りの山登り



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今年もゴールデンウイークに故郷新潟に帰省しました。

この時期に帰省すると、残雪の山に友人と登ることを毎年楽しみにしていますが、今年は数年前に登った五頭山に登ることになりました。

今回のルートは、前回と同様に、菱ケ岳登山口から入山し、菱ケ岳を経由して五頭山一ノ峰から五ノ峰まで歩き、五頭山スキー場へ下り、菱ケ岳登山口の駐車場へ戻るコースを採りました。

4月30日、午前中は曇天、午後からは日差しもあり、風が強かったのですが気温は高く登山日和の一日でした。

午前8時50分、駐車場をスタートし、まずは最初の峰・菱ケ岳へ登り始めました。



登山道の周りには、東京周辺の山よりも遥かに多くの草木の花々が咲いています。

下の花木は、オオカメノキ(大亀の木)で、スイカズラ科ガマズミ属の落葉低木です。

ガクアジサイのような花で、木はアジサイより一回り大きく、ちょっと早めに咲き始めます。



タムシバ(田虫葉)はモクレン科モクレン属の落葉小高木で、コブシよりも少し大きな花で、ハクモクレンよりも少し小さめの白い花を、この時期に登山路周辺に咲かせています。



積雪で雪に倒されたような幹に、幾つか独特の黄色いマンサクの花が、枝の上に咲いていました。



この時期にこの山域で最も多く見られる山野草は、イワウチワ(岩団扇、イワウメ科イワウチワ属の多年草)かもしれません。

透けるような淡いピンクの花びらは、可憐で美しい。



特徴的に花弁が反り返ったカタクリの花も咲いていました。



イワウチワと並んで多く咲いている花は、ショウジョバカマの花です。



千メートルを切る標高ですが、稜線上には今年もかなりの積雪が見られました。

11時過ぎ、菱ケ岳山頂に到着し、風を避けちょっと下った所で小休止。



菱ケ岳(974m)から五頭山(912m)への登山路には、幾人かの登山者が春山を楽しんでいました。



友人N氏の歩く先には、冠雪した飯豊連峰のどっしりとした姿が見られます。



タップリと積もった雪の上を、春の日差しを受けながら歩く山登りは、東京周辺では経験できない楽しさがあります。



12時40分、五頭山・一ノ峰に到着し、昼食を取りました。

昼から日差しも出て山頂の気温も20度を超え、風が強いものの長閑な日だまりハイクとなりました。



山頂からは、今通ってきた菱ケ岳と五頭山に連なる稜線が望めました。

五頭山の由来は、北から 五ノ峰(約860m)、四ノ峰(871m)、三ノ峰(873m)、二ノ峰(890m)、一ノ峰(約910m)と呼ばれ、主稜線から北西に伸びた尾根上に直線・均等に並ぶ顕著な突起群に依ります。



山頂近くの峰の木々は、まだまだ冬の佇まいで、春爛漫の麓や、山の裾の新緑と対照的な景観です。



積雪は2mを超えていますが、木々の周りは雪解けが進み、深い穴が出来上がっています。



新潟の山の下りは、雪解けによってぬかるんでいたり、残雪もシャーベット状態で、慣れていないと歩き辛い所も多くあります。



今歩いてきた稜線を仰ぐような場所まで下ると、新緑や様々な花々と雪を残す稜線の対比がとても新鮮に感じられます。




新潟の花・雪椿と、残雪の残る山々。




豪華絢爛なソメイヨシノに対して、繊細で可憐な山桜が、残雪の山を背景に満開でした。



3時過ぎ、五頭山スキー場登山口に到着。

新潟は、至ることろに温泉が湧き、登山の後の入浴も楽しみの一つです。

もう一つ、この時期の山登りの楽しみと云えば山菜採りで、新潟の山菜をN氏に研究してもらいたいと願っています。


ところで五頭山の山麓に湧く温泉はラジウム温泉で、ラドンの半減期は3.8日であり、体内に入っても化合物をつくらず、気体のままで体外に放出されますので心配なく、逆にホルシミス効果があると言われています。

ホルシミス効果とは、ラドンを吸うと人間の体細胞を活性化し、人間が持っている自然治癒力を高めると言われている効果です。

自然界にある微量の放射線程度の毒は、人体に有益に働くと言うことか。

であったとしても、原発事故の人為的な放射線に敏感になるのは、やむを得ないことでしょう。

入浴後、新津に戻り車を置いて、早速居酒屋でN氏と楽しい時間を過ごしました。


可憐な山野草の花々
心が和む芽生えたばかりの新緑の木々
深く踏み抜いてしまうほど変化ある残雪の稜線
様々な楽しみのある故郷新潟の山登りでした。



マッキーの山登り:「シダンゴ山」と「まつだ桜まつり」と「酒蔵試飲」

2012年03月16日 | 日帰りの山登り



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3月10日(土)、この週は天気が悪く雨がちで、この日予定していた山酒会の山行も、11日(日)に延期になりました。

土曜日なら、教室の授業がありますので参加できませんが、T氏からお誘いのメールが届き、私も山酒会の11日の山行に参加することにしました。

先月の山行にも参加しましたので、久しぶりに山酒会には連荘の参加となりました。

マッキーの山登り:山酒会の山行「大岳山」に参加 (先月の山行ブログ)

今回の行き先は、丹沢山系の手前にあるシダンゴ山(758m)です。

小田急線新松田駅前バス停から9時5分発の富士急湘南バスに乗車し、30分ほどバスに揺られ終点の寄(やどりぎ)バス停で下車。



バス停前の管理センターを9時38分に出発し、道路を隔てたすぐ前の大寺橋を渡り、随所に付けられたシダンゴ山への案内板の指示に従って、舗装された民家の中を抜ける道を歩きます。



周囲には茶畑や果樹園がある道をしばらく行くと、トイレと周囲の案内板が設置された休憩場所があります。

ここを過ぎると舗装された道も勾配がきつくなってきます。



10時2分、イノシシ避けの柵を通過すると、舗装道は終わり樹林帯の山道となります。

しばらく歩くと、右手から舗装された林道と合流し、平坦になった道を歩きます。



やがて登山路は階段の急坂となり、頂上手前では緩やかとなった登山路を低木のアセビの樹林が囲み、飛び出すように360度視界が利くシダンゴ山の山頂に10時55分に到着しました。



頂上に着く頃には、雲間から薄日が差し、風もなく予報通りまずまずの天候となりました。

しかし、丹沢山系の稜線には雲が懸かり、また富士山も残念ながら雲の中でした。

天気が良ければ、相模湾や富士山や丹沢山地の山々など360度の景色を楽しめる山です。



シダンゴ山という名称はおもしろい・・・
《飛鳥時代に、仏教を寄(やどりき)の地に伝えた仙人がいて、この山の上に居住し仏教を宣揚したといわれている。この仙人を「シダゴン」と呼んだことからこの地名が起こり、「シダゴン」が転じて「シダンゴ」(震旦郷)と呼ばれるようになった。》

山頂でちょっと早い昼食をとり、無論熱燗ありビールありの山酒会らしい楽しいランチでした。

11:42、次の目的地の宮地山に向けて出発しました。



12:33、休暇村方面への分岐に着き、そこから5分ほど歩くと、宮地山山頂(512m)でした。

宮地山山頂は、猪避けのフェンスがあり、残念ながら展望もなく楽しめない場所でした。

直ぐに休暇村方面分岐に戻り、寄バス停に向け下山開始。



13:17、寄バス停に到着。

次の目的地は、松田山の早咲きの河津桜と菜の花が咲く「まつだ桜祭り」会場でした。

新松田駅手前でバスを下車し、街中を少し歩き会場になっている松田山まで歩きます。

頂上まで、登りの散策路に沿って桜と菜の花が植えられ、菜の花は満開、河津桜は7分咲きでした。



この桜祭りは、当日3月11日まで開催されている予定でしたが、2週間ほど開花が送れたことで、2週間延長して25日まで開かれているそうです。

山頂の子ども館では、色とりどりのつるし雛飾りが目を楽しませてくれました。



3月11日、ちょうど昨年の今日、東日本大震災が起きました。

14時46分、周囲は静まり返り、桜祭りに訪れた人々は、相模湾に向かって黙祷しました。

震災直後の混乱、それに続く原発事故の恐怖、あれから1年経ったのかという思いがしますが、犠牲になった多くの方々に対して、お祈りいたしました。



模擬店で地元の柑橘類を買い、会場の河津桜と菜の花を愛でた後、次の目的地の酒蔵へ歩いて向かいました。



創業180年を越える地元の老舗酒蔵・中澤酒造に近づくと、だんだん早足になってくる面々でしたが、到着すると早速新酒を試飲し、また大吟醸酒粕で作った無料の甘酒も味わい満足げでした。

日本酒好きな人たちは、新酒を買い込み、そのボトルをザックに入れ、「だいぶ重くなったな。」と言いつつ、満足げでした。



酒蔵から新松田駅まで少し歩き、上りの電車に乗車し、全員伊勢原駅で途中下車して、これまたこの会恒例の「反省会」で酒盃を重ねました。

今回の山行は、明らかにハイキングコースで、登山路も整備され、案内板も親切に随所に設置されていて、迷うことなく気軽に楽しめる山でした。

本来は、シダンゴ山に周辺の山を加えて歩程時間を延ばすべきですが、今回は山登りの他に、桜見物と酒蔵試飲を兼ねた旅でしたので、寄バス停からシダンゴ山と宮地山を経由して周遊するお気軽コースで歩きました。

 
【今回の所要時間】
寄バス停9:38~0.24~10:02猪避け柵10:05~0.50~10:55シダンゴ山山頂11:42~0.51~12:33休暇村方面分岐~0.05~12:38宮地山山頂12:40~0.37~13:17寄バス停  (歩程:2時間47分)

新松田手前のバス停14:00~14:30桜会場の頂上14:50~15:20中澤酒造試飲15:35~15:45新松田駅


マッキーの山登り:山酒会の山行「大岳山」に参加

2012年02月17日 | 日帰りの山登り



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私にとって久々の連休となった2月12日(日)、これまた久しぶりに山酒会の月例山行に参加しました。

「山酒会」は名の通り、山に登っては酒を飲み交わし、下りて来ては酒を飲み交わす、山と酒と親交をこよなく愛する産経新聞のOBと現職を中心とした山の会です。

バスをチャーターして山登りをすることもありますが、「山酒会御一行様」のプレートを通りすがりに見た人は微笑んでしまう、そんなネーミングの会です。


中心メンバーで世話役のT氏との関係で、発足当時から私も会員として参加しています。

ただ、最近は年に1回ほど、都合がつく時に参加する程度で、今回の「大岳山」は久しぶりの参加となりました。

この会も発足当時は、OBよりは現職のほうが多かった印象がありましたが、現在は平均も65歳を越える高齢者の山登りの会となり、現在の日本の社会を反映しているかのような状況となっています。



新宿で「ホリデー快速おくたま1号」に乗車し、御嶽駅で下車。

ケーブル下まで満員のバスにほんの僅か揺られ、下車後少し歩いてケーブルカーに乗りました。

ケーブルカーに参加者14名の全員が乗車できなかったため、先に到着したグループは、揃うまで山頂駅で待機。

9時38分全員がそろい、大岳山に向かって出発。

今回の計画は、御岳山から大岳山に登り、南面する登山道を利用して白倉バス停まで下るルートを歩くことでした。

私はこの白倉に下るルートが初めてで、大岳山に登れば、下りは鋸尾根を通り奥多摩駅に下り、その近くの温泉に入浴して帰るのが常でした。



御岳山への参道から分岐する大岳山への登山路入口から、路面には雪が張り付いており、軽アイゼンをつけるかどうか迷いましたが、途中の東屋まではアイゼンを付けずに注意して歩きました。

東屋から先は、アイスバーン状態の箇所もあり、アイゼンを装着しないと歩き辛く危険性もあります。



大岳山直下の大岳神社鳥居に着く頃には、私が先行してしまい、しばらく全員を待ちました。



ここから先は急坂なので、高齢者にとってはきつい登りとなります。



先頭を切って上るT氏は、私の一回り上の同じ干支という年齢で、かつ月1回程度の山行にも拘らず、下の画像のように元気に登っていました。

T氏は、20年ほど前私とヨーロッパアルプスを登山して以来、毎年山酒会のメンバーを引き連れて、海外の山に登っています。



11時56分、大岳山の山頂に到着。



快晴・無風の天候で、冠雪した富士山も綺麗に望むことができました。



この会の真骨頂は、山頂での宴。

どこからか、ビール、赤ワイン、白ワイン、熱燗、時として一升瓶さえ登場します。




私のコップにも、さまざまなお酒が注がれます。

高齢者の登山グループなのに、酒盛りなんて大丈夫なの?元気だねえ!といった風に、他の登山客は見ているようでした。



必ずしも山登りの体力がある方が多いというわけではないこの会のメンバーですが、山頂での酒盛りは流石、「山酒会!」

無論こんな事、高齢者登山ではお勧めできないことですが、このメンバーにとっては、山と酒がセットとなった山登りなのでしょう。

メンバーに、「飲酒しての山の下りは危険ではないですか。」と問うと、「だからこそ最大の注意を払い歩くので、事故はない。」という返答・・・納得できるような、できないような珍解答。



12時53分、大岳山の南面に付けられた白倉バス停までの登山路を下り始めました。

途中、熊野から来たというほら貝をつけた修験者のグループとすれ違いました。

この日は、ほら貝の音が聞こえていましたが、このメンバーの吹くほら貝だったようです。



馬頭刈尾根から、右手に分岐して白倉に下る登山路に入ると、雪もほとんど無くなり、九十九折の道を軽快に下りました。

15時16分、白倉バス停に到着。

今回の山登りは、私としては運動量がちょっと物足りないと感じましたが、頂上での酒盛りを考えれば、ちょうど良かった歩程だったとも思いました。

メンバーは、バス停に着くなり、前の酒屋で早速ビール缶を買い込み、またまたゴクリ。

15時46分の武蔵五日市駅行きのバスに乗車し、1名を除き立川で途中下車



立川の居酒屋で、再び反省会と称して酒盛りの再開。

メニューに載っている1合、2合での注文は面倒だという事で、店長にお願いして久保田を一升瓶で注文

そのビンをテーブルに2本並べ、老(若)男女の話題尽きない反省しない反省会は盛り上がりました。

このメンバーにとって、山に登ることと同等に、山から下りてきて友と酒を飲み交わす時間が大切で楽しい一時なのでしょう。



【標準歩程時間】

御岳山頂駅~0.20~御岳山~2.00~大岳山~2.00~白倉(計4時間20分)



マッキーの山登り:厳冬の『日向山・梅ノ木尾根・鐘ヶ嶽・北尾根』and別所温泉

2012年02月04日 | 日帰りの山登り



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この冬で最も冷え込んだ1月29日(日曜日)、師匠Y氏と東丹沢の山(日向山・二ノ沢ノ頭・鐘ヶ嶽・福神山)に出かけました。

未明の5時過ぎに起床し、6時過ぎの電車に乗車。


(しんしんと冷え込む未明の駅前)

都営地下鉄新宿線から、新宿駅で小田急線に乗り換え伊勢原駅で下車。

8時15分、日向薬師行きバスに乗車。

日向薬師バス停から、まずは日向薬師に参拝するために参道に入りしばらく歩くと、両脇に仁王像が建つ山門があります。

【日向薬師】
奈良時代初頭の霊亀2年(西暦716年)に、僧行基により開山された。
僧行基が熊野を旅していた際、薬師如来のお告げにより、相模国のこの地(現在の神奈川県伊勢原市)に、日向山 霊山寺(ひなたさん  りょうぜんじ)を開山した、と伝えられている。



山門から、500mほど進むと日向薬師の本堂がありますが、現在本堂は修復のために覆いが掛けられていました。


日向薬師の境内を通って上へ進むと梅園があり、そこの脇に付けられた道が日向山への登山道となっています。

日向薬師から30分ほどで、伊勢原市と厚木市が一望できる日向山山頂(404m)に到着しました。



山頂で一息入れた後、私たちはもと来た道を引き返し、登山路が十字に交差する地点を直進して案内板に従い、梅ノ木尾根に向かって階段を登りました。

日向山の分岐点から、およそ1時間弱で松の木に囲まれた尾根の肩・二ノ沢ノ頭(670m)に到着。



二ノ沢ノ頭から針路を右手に取り、狭くなった登山道を進みます。

左手には、丹沢大山から見晴台へと続く稜線を望むことができます。



この尾根を進むに従い、登山道は険しくなり、両側が切れ落ちている痩せた岩場もあり注意を必要とします。



特に今回のように積雪期には、スリップの危険性も増し、一層慎重な行動が要求されます。

もしスリップでもして滑落したら、急斜面に積もった雪により停止できずに、下まで一気に加速度的に落ちてしまい、重大事故になりかねません。



積雪量は10cmから20cm程ですが、吹き溜まり箇所では30cmほど積もっていて、故郷新潟の雪山を登っているようでした。



毎年、5月の連休に新潟に戻ると、親友と残雪の残る春山登山を楽しむのですが、無論今回の山と比較にならないほど雪が積もっています。



二ノ沢ノ頭から30分ほどスリップに注意しながら気の抜けない登り下りを経て、大沢の分岐(720m)に着きました。

この分岐から左手が大山、右手がこれから向かう鐘ヶ嶽方面への登山道となります。



大沢分岐から針路を右手に取り、有刺鉄線の柵に沿って歩き、痩せ尾根を通過ししばらく行くと、東屋のある巨木の森への分岐にたどり着きました。

尾根から少し低く、これから登る鐘ヶ嶽を望むことができます。

この山は、遠目に釣鐘状をしていて、そこから鐘ヶ嶽の名が付けられたと推察できます。

登山者が少なく、藪山で踏み跡が不明な登山路では、地図とコンパスを使い、下のY氏の画像のように頻繁なルートファインディングが必要となります。

見晴広場A,Bと名付けられた幾つかのピークを通過し、およそ大沢ノ分岐から70分ほどで、広沢寺温泉からの道が合流する山の神峠に降り立ちました。



山の神峠から20分ほど登ると、二体の石像と丸太で組んだ腰掛けが設置された鐘ヶ嶽山頂(561m)に12時40分到着。



山頂といっても、平坦なちょっと広い空間で、周囲は植林の杉に囲まれ眺望はありません。

私たちはそこでちょっと遅めの昼食を取りました。

昔の人々が「山の神」として深い信仰心をこの鐘ヶ嶽に寄せていたということで、今では厚木市の鐘ヶ嶽ハイキングコースとして整備されています。



山頂からほんのちょっと下ったところに浅間神社があり、数日後に実施される都内中学入試の吉報を祈願しました。



山の中の社にしては立派な建物で、正面の唐破風の下には、龍を中心に出来の良い彫刻が施されています。



再び山頂に戻り、来た道から見て左手北面の尾根筋(鐘ヶ嶽北尾根)に入り込みました。

踏み跡もほとんど無く、どちらかと言えば「けものみち」と形容して良い程の道でした。



「師匠!大丈夫ですか?」と確認したくなる道でしたが、このY師匠、こうした道無き道に入り込むと、俄然水を得た魚の如く、生き生きとしてくるから不思議です。

僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る
ああ、自然よ
父よ
僕を一人立ちさせた広大な父よ
僕から目を離さないで守る事をせよ
常に父の気魄を僕に充たせよ
この遠い道程のため
この遠い道程のため
(高村光太郎『道程』より)



道無き道に積もった白い雪の上に、我々の靴跡が刻まれて、動物の足跡と協力して新たな道がそこに出来上がりました。



鈴ヶ嶽から別所温泉へ下る北に延びる尾根を進むと、途中福神山(420m)という小ピークを通過しました。

何と目出度い山の名前でしょう。



しかし、ここから別所温泉までのルートが難しく、小さく枝分かれする尾根を選別しつつ下りました。

下の画像のように、本当に道無き道を野性の嗅覚で探し当て、目的地へと向かいました。

途中、二ノ沢ノ頭から唯一出会った登山者も、ルートファインディングを誤ったのか、右往左往しながら、我々とは異なる林業用の小道を下って行きました。



別所温泉への最後の下りは、気持ちよい幅の広い登山路を探し当て、冬の午後の陽を浴びながら温泉へと急ぎました。



3時過ぎ、ゴールの日帰り入浴施設「別所の湯」 (入浴料:700円・3時間)に到着。

サウナ・露天風呂もあり、無論のこと無料休憩室やお食事処も設置されています。

入浴後お食事処でビールで乾杯しましたが、そのビールの美味しかったこと!


年間で最も寒い時期の歩程約6時間の山登り、

その後広い湯舟に浸かり、最後は冷えたビールで喉を潤す。

三点セットの申し分ない充実した山登りでした。





【所要時間】

伊勢原駅~日向薬師バス停8:33~0.15~日向薬師8:48~0.28~9:16日向山~0.10~9:37十字路~0.55~10:32二ノ沢ノ頭~0.28~11:00大沢ノ分岐~1.13~12:13山ノ神峠12:20~0.20~12:40鐘ヶ嶽(浅間神社)13:20~0.25~13:45神山~1.20~15:05別所の湯16:50~0.08~16:58別所温泉バス停17:08~本厚木駅 (歩程:約5時間40分)

 


マッキーの山登り:休日は山登りと仕事

2012年01月26日 | 日帰りの山登り



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週一回の休日、どう過ごすか、そこが問題だ。

日が改まって寝たのだが、・・・・・・早朝5時15分、設定しておいた携帯のアラームが鳴る。

無論、まだ周囲は真暗、・・・寝床はぬくい、・・・。

このまま寝ていたいという誘惑から逃れ起床するというハードルを、まず乗り越えることが私の山登りのスタートだ。

誘惑に負けて、だらだらとした休日を過ごす惨めさと、自然の中に心身を解き放つ充実感を寝床で比較して、起床を決断する。

1月15日(日)、6時過ぎの電車に乗り、新宿で京王線に乗り換え、8時ちょっと前に高尾山口駅に降り立つ。

高尾山なら、もう少し遅く出かけても良いのでは?

いえいえ、この時期に高尾山に登るなら、ぜひ見たいものがあり、それを見るのは早朝が最も良い条件なのだ。



8時過ぎ、稲荷山コースの入り口をスタート。

このコースから入り、高尾山・城山・景信山・陣馬山への登山コースは、私のホームグラウンドのようなものだ。

飽きもせずに、毎年かなりの回数歩いている。



冠雪した富士山は、薄曇のグレーの空に溶け込み、古ぼけた画像のようだ。



高尾山までの稲荷山コースは、天候の穏やかなシーズンであれば、登山者で混み合っているが、この時期は静かな佇まいを見せている。

高尾山を巻いて一丁平までの道すがら、目当ての「氷の華」を探した。

その成長はイマイチであったが、小さな「氷の華」を拝むことが出来た。

氷の華:シモバシラに出来る氷の華。シモバシラはシソ科の多年草。冬の初め地上部は枯れてしまうが、根は生きていて水を吸い上げ茎に運ばれる。茎から出た水分は冷気により氷となる。その氷は、次から次へと上へ押し上げられ花びらのように成長し氷の華が出来上がる。



城山に木彫の大きな天狗が設置されていることを、今まで気付かなかった。



城山の茶店も、時期だけでなく、時間帯も関係しているのだろうが、閑散としていた。

10時、ちょっと早かったが、ここでカップヌードルの昼食をとる。





真冬の笹の小道・・・、登山者も少なく、静寂凛とした雰囲気を楽しめる。



景信山も巻いて、明王峠までかなりの速さで歩く。

最初の1時間マイペースで歩くと、その後はかなりハードな山歩きでも、私は快調に歩ける。

12時前に、相模湖駅へ向けて、下山開始。


(明王峠真下の階段)

昼食と飲料水が減ったザックは軽くなり、体調も良かったので、ランニングもしながら下る。

そんな私を、登ってくるご同輩は、元気だなあと言った風な目で挨拶する。




ゴール手前の与瀬神社で、いくつかの事を祈願し参拝する。



1時前に相模湖駅に着き、1時過ぎの高尾行きの電車に乗り込む。

高尾駅で、京王線に乗り換え、新宿で都営新宿線に乗り換えて、浜町下車。

人形町の教室に、2時40分到着。

早朝起きて高尾山系をかなりのスピードで歩き、そして走った訳は、帰りに教室で一仕事する必要があったからだ。

休日の楽しみである山登りが出来て、かつ済まさなければならない仕事も終えることが出来た、充実した日曜日だった。


(教室の時計を記録用に撮る)


【標準時間】
高尾山口~1.30~高尾山~1.00~城山~1.00~景信山~1.20~明王峠~1.40~相模湖駅(計6時間30分)

【今回の歩程時間】
高尾山口清滝登山口8:05~0.55~9:00高尾山~1.00~10:00城山10:25~0.35~11:00景信山~0.45~11:40明王峠11:55~1.00~12:55相模湖駅
(計4時間15分。今回は、高尾山と景信山を巻いて歩いた時間。)


未明に温い寝床から起きる原動力、

それは自然の芸術的な造詣、氷の華

心躍る美との出会い、

それには、少し努力が必要だ。


マッキーの山登り:登り初めは富士山の展望を楽しむ王岳

2012年01月16日 | 日帰りの山登り



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1月9日(成人の日)講習明けの休日、今年の登り初めは、富士五湖・西湖の湖畔にある根場(ねんば)集落から登る王岳(おうだけ)でした。

新宿で都営新宿線からJRに乗り換え、高尾駅で師匠Y氏と合流し、7:46発の河口湖行き電車に乗りました。

河口湖駅9:33着、駅前バス停から新富士駅行き9:40発のバスに乗車し、風穴バス停で下車。

河口湖周辺を含むこの界隈は、20年ほど前、子どもが小さかった頃に車でよく来た場所でした。

その当時は、渋谷区の笹塚に住んでいましたので、中央高速に上がれば、気軽に富士周辺の観光地へ行くことができました。

風穴バス停から登山口の根場集落へは、かなり湾曲した一般道がありますが、他に青木ヶ原樹海を抜けて根場へと通じる近道があり、今回はその道を通ることにしました。


(青木ヶ原樹海を抜ける遊歩道を楽しげに歩くY氏
・・・変なものを見つけないでよと願いつつ後に続く。)

一般道をちょっと歩くと、左手にその道の入り口があり、見落とすことはありません。

登山口へ到着する前に、樹海で迷うのではと気がかりだった近道は、実際は遊歩道として整備されていて、予想外に歩き易い道でした。


(根場集落から鬼ヶ岳を望む)

王岳への登りは、地図では一般登山道として記載されていない直登ルートを使い、下りに鍵掛峠を経由して根場へ戻る計画をたてました。

根場から王岳への登山路は、ネットをチェックすると鍵掛峠を経由して同じルートを往復する人が多いようです。

しかし、根場から王岳へ直登する登山路は、一般登山路として充分に通用するほど整備されて登りやすい道ですので、周回路として活用できます。



砂防ダムの管理用と思われる林道を30分ほど進み、標識に従って登山路に入ります。

凍結した箇所もある谷間につけられた九十九折の登山路を、ひたすら稜線に向かって登ります。



稜線近くなると笹薮の中の細い小道となりますが、決して歩きづらい道ではありません。

時折風が吹くときを除けば、この日は1月にしては、とても暖かく感じられる日和でした。



下の画像を一見したら、何の花だろうと思ってしまう木々の霧氷は、冬の真っ青な空に映えて、とても綺麗でした。

霧氷は、濃霧が樹木などに衝突し、その衝撃で凍結・付着したもので、一般的には、氷を付着させた樹木そのものを指して樹氷と呼びます。

霧氷は、樹氷・粗氷・樹霜の3つに分類され、この画像のような樹氷は風上側へ向かって羽毛状に成長し、気泡を多く含むために白色不透明で、木を揺らすと樹氷は簡単に落ちてしまいます。



稜線近くなると木々の枝一面に霧氷が付き、遠目にも山の稜線は白く縁取られていました。

その霧氷が昼になると溶けずに風で落下することを日々繰り返し、木々の下には独特な羽毛状の雪が積もっています。

五湖山から鬼ヶ岳へと続く稜線に出ると、そこに登山路案内板が設置されていて、そこから僅かばかり歩くと、王岳山頂です。



バス停から歩き始めて2時間30分ほどした12時38分、目的地の王岳山頂に到着

王岳は、山梨県の御坂山地に位置する標高1623mの山で、山梨百名山に指定されています。

この日は光線の関係と、若干靄がかかって、クリアな画像にならなかったのが残念ですが、新春早々に目出度き富士山を仰ぎ、カメラに収めることが出来ました。

富士山の展望を楽しむには絶好のロケーションの山頂で、暖かい新春の陽を浴びて昼食を取りました。



この山域は、画像のように前面に富士山の展望を楽しむことができますが、連休にも拘わらず出会った登山者は3人と人影が少なく、静かな山登りでした。

公共交通が冬時間でバス便が少なく、利便性がイマイチだったことも影響していたのでしょうか。

これと関連して、中高年の登山には、出来る限り公共交通を使い、運営損益をプラスにする使用頻度を確保してほしいと、常々思っています。



下りの登山路は笹薮から枯れ草の小道となり、その枯れ草に冬日が当たって黄金色に輝き、群青色の空と相まって、清々しい新春の登山路でした。

枯れ葉や落ち葉には、哀愁や静寂や時の移ろいを感じますが、黄金色に輝く枯れ草は、さらに美しささえ付加されています。

山頂から50分ほどで、稜線から根場集落へ下る登山路の分岐点である鍵掛峠に到着。



鍵掛峠から根場までは、王岳へ直登する登山路よりも整備された九十九折りの登山道を、バス時刻の関係もありひたすら下りました。

峠から50分ほどで、古民家を移築し昔ながらの集落を形成した「西湖いやしの里」に着きました。

今回は時間の都合で、そのまま通り過ぎましたが、時間があれば立ち寄ったら楽しいでしょう。

その先にある西湖根場浜駐車場のバス停ではなく、今回は5分ほど離れたバス停から3時過ぎのバスに乗車。

3時半頃、河口湖駅に到着し、駅中の土産屋で買い物をし、車内で呑むビールを手に、16時発「ホリデー快速河口湖」に乗車。

富士の稜線をオレンジに染め、群青の空が深いダークブルーに刻々と変化する夕刻、車窓からの景色を眺めながら呑んだビールは、心地よい疲労感と共に、私たちを気持ち良いうたた寝に誘いました。

18時4分新宿駅に到着し、師匠Y氏と別れ、地下鉄新宿線に乗り換え帰路につきました。

「一富士二鷹三茄子」とは、昔からお正月の初夢に出てくると縁起が良いと言い習わされている事柄です。

その筆頭の富士山は、
やはり日本人にとって格別な存在として、
日本人の琴線に触れる魅力を持っていることは確かです。



【今回の歩程時間】 (休憩時間を含む)
風穴バス停10:00~10:50王岳・鍵掛峠分岐点~11:24王岳登山口~12:38王岳山頂13:15~14:04鍵掛峠~14:55根場駐車場~15:00バス停 
(約4時間30分)



マッキーの山登り:東丹沢の柏原ノ頭・茨菰山・三角山・金太郎権現を歩く

2011年12月15日 | 日帰りの山登り



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早朝の最低気温が、冬の到来を実感するほど低くなってきた12月11日(日)、2ヶ月ぶりに山登りに出かけた。

行き先は、晩秋というより初冬の佇まいに装いを変えた東丹沢の柏原ノ頭・茨菰山で、藪山歩きのエキスパートである師匠Y氏と共に出かけた。

京王線新宿発7時50分の準特急に乗り、調布で橋本行きに乗り換えて、8時35分橋本駅に到着。

橋本駅北口、8:55発鳥居原ふれあいの館」行きのバスに乗車し、師走の雰囲気の漂う山間部の集落を抜ける道路をしばし進み、鳥屋バス停で下車。


(12月11日の夜明け)

バス停から串川沿いに西に分かれる道に入り、御屋敷・大上・平戸の集落を過ぎたあたりで、尾根に取り付く。

本来の取り付き地点ではなかったが、取り付く尾根は間違いなかったようで、稜線に到ると、案内板も設置された細い山道が上に向かって付けられていた。



尾根の右手北面は針葉樹林左手南面は広葉樹林、その間を細い道が続く。

その広葉樹林は、すでに黄葉が終わり、稜線を渡る風に枝の枯葉はカサカサと乾いた音をたて、決意したかのように次から次へと枝を離れて、真っ青な空をハラハラと舞いながら落ちてくる。

舞い落ちてくるそれは、枯葉でもなく、落ち葉でもなく、散る落ち葉・・・falling leaves またはwhirling leaves とでも呼ぶのが妥当だ。

柏原ノ頭へ登るために、案内に記載されている道、すなわちピーク手前の北東に延びる尾根を巻くように付けられた道を通らずに、我々は稜線を直登することにした。


(うっすらと落ち葉の上に雪が積もった柏原ノ頭)

バス停から1時間30分ほどで、最初のピークであり今回の最高峰である柏原ノ頭(かしわばらのあたま:632.5m)に到着。

木々の合間から西に焼山、東に今日登る茨菰山(ほおづきやま)を、またエメラルドグリーンに輝く宮ヶ瀬湖を望むことができる。



柏原ノ頭からは、進路を北に取り、踏み跡程度の道を進む。

進んできた稜線からおよそ東に進路を変えて、次の目的地の茨菰山への稜線に移るためにしばらく下る。

落ち葉が地面に積もるこの時期、しっかりした登山道であれば、さほどの心配はないが、踏み跡程度の道であれば、完全に落ち葉で被われて分かりづらい。

一般登山道は別として、今回のような藪山を歩くときは、地図とコンパスを使い周囲の地形を読み取り、的確に道を探し出すルートファインデング能力が試される。


(視界不明瞭な藪を好んで進む師匠Y氏)

幸いY師匠は、藪山中心と言ってよい山登り経歴の持ち主で、五感を働かせ、ある時は第六感を働かせ、実に巧みにルートを探し当てる。

最近は私の周りでも、日本百名山・三百名山を踏破した人たちがいるが、必ずしもそうした勲章が、本来の山登りの能力を示すものになっていないことに、留意すべきである。

概して、山で事故を起こす中高年は、そうした経験を過信してしまい、本来の自分の山登りの能力を超えて行動することが、事故の原因になっていることが多いように思う。



進路が東方向に変ると、稜線はちょっと注意を要するやせ尾根の箇所があり、またルートも不明瞭な場所がある。

また、今年の台風の影響で、この山域は倒木が例年に比べ遙かに多い。

藪山歩きは、倒木を乗り越え、倒木の下をもぐり、ブッシュや小枝ををかき分け、張り出した小枝をしゃがんでやり過ごし、体のさまざまな部分を駆使して進むことになる。

片足はまたいだのだが、もう片方の抜き足がムッム!、柔軟性を失っていて引っかかる!

藪山を歩くと、そうした全身運動や、コンパスと地図を使ったルートファインデングなど、サバイバル感覚の山登りとなるが、藪山が好きな人はそうした点も魅力なのかもしれない。

また、藪山に好んで登る人は一握りなので、そうした山域では、人に会うより動物に会う確率の方が高いとも言えるほど静かな山登りとなるが、他の登山者に邪魔されず自分一人と向き合える時間が取れるといった点にも魅了されるのだろう。

しかし、こうした藪山の単独登山者は、仮にその場を動けない事故が起きた場合、その踏み跡程度の道を通る物好きな登山者がやって来るのは、次の週の日曜日まで待たなければならないといったことさえ、想定しなければならない。


(この時期独特な淡い光線が牡丹雪の如く降り注ぐ)

茨菰山への踏み跡は、その山の北斜面を巻くように続いているが、その巻き道を間違って選択したため、ぐるっと南面まで半周回り込み、そこから稜線まで急斜面を直登して本来の登山道に合流して、ようやく茨菰山へ行き着くことができた。

その南面に付けられた巻き道で、我々と同様に茨菰山への登り口が見つけられないで、迷っていた登山者(単独)と出会ったが、彼は5時間を超えるその日の我々の山登りで、出会った唯一の登山者だった。

彼も、我々の後に続いて急斜面を登り、稜線上の本来の道に従い茨菰山(ほおづきやま:511m)に到達した。


茨菰山の山頂)

茨菰山の山頂は、山頂らしくなく、ピークの表示さえなかった。

茨菰山で遅い昼食を取ったのだが、まだバスの時刻までだいぶ時間があったので、林道を夾んで北東に位置する三角山と金太郎権現の二つのピークを、急遽目指すことにした。


(枯れ薄の先に・・・ 「けふもいちにち風を歩いてきた」 ・・・山頭火)

茨菰山から砂利道の林道を下り、舗装された三ヶ木への道を渡った所に、三角山への登山道入口がある。

この登山路はさほどの距離ではないのだが、2ヶ月ぶりの山登りできつく感じたが、マイペースを守り一歩いっぽ登り続けると、鉄塔の建つ稜線上に出た。

この稜線を左手に歩けば三角山で、右手が金太郎権現である。

まず三角山に登り、再び鞍部にある鉄塔を通過し、金太郎権現に参拝し、手摺りの付いた長い階段を下り、麓への下山道を下った。

今回予定では、柏原ノ頭と茨菰山を結び、馬蹄形にUターンする周遊に近い山登りコースを想定していた。

しかし、それに三角山と金太郎権現を加えることにより、より変化に富んだ山登りができたと思う。

ただし、このコースは踏み跡程度の道が多く、ルートファインデングが確実にできる経験者と登ることを奨めたい。


(金太郎権現前のすっかり葉を落とした古木)

中開戸バス停から15時50分の橋本駅行きのバスに乗り、橋本駅前の居酒屋で師匠Y氏と軽く一杯やって帰路についた。

眺望が素晴らしく、特に冠雪した富士山を眺めることのできる登山路を歩く山登りも良いのだが、ときには今回のようにY氏が好む「道無き道を行く山登り」も味わい深い。

どちらに進むべきか、案内板も無く、
己の技量と判断力を頼りに歩く山登りは、
人生の縮図のようでもある。


【休憩を含む参考タイム】 

鳥屋バス停9:40~1.28~11:08柏原ノ頭~2.05~13:13茨菰山13:35~1.05~14:40三角山~0.13~14:53金太郎権現~0.22~15:15中開戸