前日まで、ぽかぽか陽気が続いていましたが、
3月20日春分の日は、低気圧の通過に伴って、教室の生徒有志で行く山登りには微妙な天気となりました。
天候がさほど悪くなければ、予定通り
「陣馬山登山」、天候が予報通り悪ければ
、「日原鍾乳洞見学」ということとして、当日朝集合した時点で、行き先を決定するという変則的な行事となりました。
当初は、天候が悪ければ中止ということになっていましたが、
生徒のブーイングで、上記のようなことになってしまいました。
朝7時15分、浜町駅改札前に集合した時点では、天候は曇り。
天気予報を前夜から早朝にかけて、数種類参考にしながら検討した結果、雨は降る可能性もあるが、急速に天候が回復する可能性も大きいことが分かりました。
そこで、私は雨が余り降らないことに賭けて、予定通り『陣馬山登山』を決行することとしました。
地下鉄新宿線浜町駅から、新宿で京王線に乗り換え高尾駅まで行き、JRに乗り換え藤野駅で降りました。
藤野駅で降りると、残念ながら雨が降り出していました。
おまけに、どうしたことか生徒2名が、雨具をもってきていないことが分かり、あわてて駅前のお店で、カッパを購入。
バスに乗り込むと、バスはすぐに和田に向けて出発。
雨はあがりそうもないので、バスの中で生徒に雨具を着けさせて、10分かからない
陣馬山登山口のバス停に降り立ちました。
私自身は、レインコートを着けるほどではなかったので、折りたたみ式の傘のみで歩き始めました。
歩きながら、雨でも楽しそうな子供たちを見ながら、それでも通り雨でもなさそうな雲行きに、私の決断が間違っていたのではとも思いました。
舗装された民家が点在する勾配のある林道を歩き、やがて樹林帯の登山道に入りました。
雨は止むことなく続いていましたが、風はなく、子供たちも周囲の景色を楽しみながら歩いていました。
「先生、ほらカエルがいたよ。」
冬眠から覚めたばかりのカエルを手に、興奮しています。
「先生、この糞は、何の糞かな?」
「イノシシかタヌキの糞だと思うよ。」
「何か外に、動物はいないかな?」
登山道に入ってしばらくすると、雨も小降りになり、やがて雨も止み、青空も広がり始めました。
高度を上げていくと、切れ始めたガスの先に、山々の連なりが清々しく望むことが出来ました。
そして、まだちょっと早いのですが、木々の中には、若葉が枝から出始めていました。
頂上数百メートル手前で、各自体力に合わせて登ってもよいことにすると、小5・6の生徒は、走るように登り始めました。
一列縦隊の列が崩れ、体力を温存していた生徒達が一斉に頂上を目指します。
私が登り切ると、頂上直下の茶店のベンチで、そこが頂上と勘違いした生徒達が、春の穏やかな陽光の中で、談笑していました。
「えっ、ここが頂上じゃないの?」
「このベンチは、疲れた人が、頂上と勘違いする場所じゃないか!」
そこにいた先発隊全員が、あわてて数十メートル先の頂上を目指して、一斉にスタートしました。
陣馬山の頂上…あの白馬の像が、すっかり晴れた青空に向かって伸び上がっています。
周囲の景色と、遠く富士を望む頂上に、子供たちも満足しているようでした。
「生で見る、生富士は、初めてなんです!」
小5の女子の生徒…学校ではまだ小4が、嬉しそうに言いました。
全員が揃ったら、頂上すぐ横のベンチとその脇の芝生の上で、さっそく待ちに待った昼食タイム!
昼食をとっているうちにも、周囲の天候が変わります。
「あっ、トイレがいつの間にか、見えなくなっている!」
谷風に乗ってきたガスが、生徒の周りを囲みます。
そして、また気づかぬうちに、ガスが消えて、青空に春の日差しがまぶしく輝きました。
陣馬山で昼食をとった後、1本だけ桜が咲いている
明王峠まで行き、小休止。
明王峠から、
相模湖駅へ向けて下山を開始し、コース終点の
与瀬神社の勾配45度の石段を、子供たちはおっかなびっくりしながら下り、無事2時50分に相模湖駅に到着しました。
スタート時の雨の登山道、
雨上がりの清々しい登山道、
春の日差しの眩しい登山道、
あっという間にガスが出て消える変わりやすい山の天候、
木々や小動物が活動を始めた山々……、
私が当初危惧したよりも、生徒にとってずいぶんと変化に富んだ楽しい山行きだったようです。

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