オーディオ測定、オーディオ用測定器の解説

 測定器と、他は過去に学んだことへのコメント。

ラックスの三極管アンプ

2012年02月18日 | 測定/オーディオ
ラックスの三極管アンプ

 実を言うと私にとってこのメーカーのイメージは良いものではなかった。

 38Fdではロータリースウィッチの不良は多かった。また38Fdに限らずラックスのトランスの事故率は酷いのだ。

 永い間、トランスは音は良いかもしれないが、使ってる材料は悪いのだろうと思っていた。

 然し、後になって、事故の主たる原因はカップリングCと分った。
(こうは言ってもトランスの材料や製造法への疑問が解消したわけではない)。

 これが悪い為に、絶縁不良となり、バイアスが浅くなる。

 三極管の場合は多極管のように飽和しないので、電流が流れ過ぎる。そうでなくてもDCRの多いトランスがダメになったという訳だ。

 ラックスの三極管アンプを持ってる人は、もし、カップリングCがオリジナルのままだったら、測ってからなどと言わず全て交換したほうが良い。

 38Fdの場合はB-P1とB-P2の電圧降下が6Vになるよう調整すれば良い。このVRの貧弱さも気になるところではあるが、所詮民生機なのでとやかく言っても始まらない。

 
 旧くは伊藤喜多男氏の回路をみると、プッシュプルではパワー管一本ごとのカソードバイアスになっているがあれはやっぱり良く出来てると思う。





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松下 VP-950C 交流電圧計

2012年02月17日 | 測定器

 ヤフオクでジャンクとぢて落札したモノ

 真空管の機械は放熱を考慮するので半導体の機械よりも穴が沢山開いている。古くなると当然にホコリやゴミが入り込む。本機はそれらがビッシリ付着していてCやRの値が読めなかった。

 こういう場合は、濡れると困るメーターを外しておいてから、中性洗剤をつけてジャブジャブ水洗いする。マジックリンは変色するので使わないほうが良い。かなりしつこく洗ったあと、時間を掛けて乾燥させる。夏は天日で良いが今はまだ片付けてないストーブで温度を見ながらやる。

 十分乾いた後、少しずつ電圧を掛ける。電流が流れ過ぎるようだったらすぐやめる。こういう場合に電流計付のスライドトランスのほうが良い。こうして時間を掛けてAC100Vまで持っていったら調整無しでちゃんと動作した。

 
 回路は予ねての想像通り、米国の測定器 ME30 のほぼコピーと言ってよい。また、HPの400シリーズとも似ている。部品の配置が殆ど同じである。したがって仕様は 1mV-300V 10Hz-4MHz 入力抵抗10MΩである。かなり立派なスペックといえる。
 
 使用真空管は 6CA4、6CM5、0B2、6AU6、6BX6が5本。

 ヒーター電力だけで約25W、全体で50Wの電力使用である。半導体式ならせいぜい5Wと思う。格別カッコイイとかも無く意味がなさそうなので、使用はやめた。

 シャーシを他に転用するつもりだ。この機種は内部がアルミなので加工がラクだ。鉄のものは加工が大変なので買わない。



17W 27H 33D   8.5Kg




















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ケミコンのリークテスト

2012年02月17日 | 測定/オーディオ

 ケミコンテスターというものの自作記事があるが、工作は面倒くさいという人も多いだろう。めんどくさがりなら大抵の人に負けない私なので、めんどくさくない方法を考えた。世のめんどくさがりの諸兄の参考にしたい。

 図で説明する。

1、定電圧電源の正の端子とケミコンのプラスをリードで接続する。
2、ケミコンのマイナスにディジボルのプラスのリードを繋ぐ。ディジボルのレンジはDCVにしておく。
3、ディジジボルのマイナスのリードは定電圧電源のマイナスに接続する。
4、ケミコンに電圧を掛ける。
5、このときディジボルの電圧を読み取る。

 ディジボルは大部分のものが入力抵抗10MΩである。そこにケミコンからのリーク電流が流れれば或る電圧を表示する。

 試みに350V/11000マイクロFのケミコンに120Vを掛けたところ、ディジボルは115Vを表示した。つまり、11.5マイクロAのリーク電流が有ったことになる。

 ここで、何でディジボルを電流レンジで使わないか?ということだが、電流レンジを使うのは兎角壊すもとだ。これでデジタルテスターを駄目にしてしまう場合は多い。やめておいたほうが良いと思う。

 ディジボルの替わりにテスターでも、勿論構わない。テスターはレンジによって入力抵抗が変わる。例えばヨコガワの3201は100kΩ/VDCだ。120Vレンジでは12MΩだが、300Vレンジでは30MΩになる。いちいち考えるのが面倒な人もいると思う。これがめんどくさくない人はアナログテスターでも良い。

   

 定電圧電源の入手がハードルが高いという人は少ないと思う。私はこういうものは殆どヤフオクで買うが、慣れてくればどういう相手から買えばよいかは分る。高圧のものはどうしても高くなるが小型のものなら15000円を超えることは殆ど無い。まぁだいたい10000円以下で入手できる。安心出来るものを格安で、というのは矛盾が有るので、初心者は考えないほうが良い。

 要らなくなったら売り飛ばせばいいのだから、実際に掛かる費用は自作より安いくらいだ。

 

 
















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HP 400D ミリバル

2012年02月02日 | 測定器

HP 400D ミリバル


(概説)管球式ミリバルとしては最高峰の1mV~300V 10Hz-4Mhzを実現したものです。HPの管球式ミリバルは400

から始まって400Dまでヴァージョンアップを重ね、それ以後は半導体になりより一層高性能になりました。(ただし、400Hは管球式)。

古い管球式ミリバルはメーター指示回路と、増幅器とが回路的に分離されていないものが多く、そういうミリバルを増幅器として使うと波形が歪

んでいるものがありました。キクスイの管球式ミリバルなどではそうです。本器は両方の回路が途中からハッキリ分離されているので出力波形の

歪みはありませんが、其の分タマも多くなってコストも掛かります。電圧分割にはマンガニン線が使われるといったオカネの掛けようで1969

年のカタログでは$275でした。

 


 ミリバルはアマチュアが普通に使うにはあまり高感度でも意味が無く、また広帯域である必要もありません。
 
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HP 400FL ミリバル

2012年02月01日 | 測定器


HP 400FL ミリバル

 交流電圧計は指示計で分けると、dB目盛りが等しい間隔のものと、つまりdB直線のものと、我々が普通に見かける電圧が等しい間隔のもの、つまり電圧直線のものとが有ります。前者は主としてバレンタイン社製造が多かったものです。F特を測るときはこちらが便利です。

 さて、dB直線式のものは指針が左によっても正確さが落ちない特長があり、メーターは20dBステップのものも多いです。レンジ切り替えが半分で済むので面倒臭がりの人には向くでしょう。こちらは10dBステップになっています。入力が少ないときは左に振り切れます。


 ハイカットフィルターがついており、高感度で使う場合はフィルターをオンにします。ミリバルはアマチュアが普通に使うにはあまり高感度でも意味が無く、また広帯域である必要もありません。
 





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FLUKE 8920A 交流電圧計

2012年02月01日 | 測定器
(概説)デジタル式の真の実効値交流電圧計です。各種インピーダンスに於けるレヴェルを測定出来るようになっています。また、或る任意の周波数のレヴェルを0dBとし、周波数を変えたときのレヴェル変動をdBで表示出来ますので、F特の測定に威力を発揮します。一般にインピーダンスの概念が入った交流電圧計をレヴェルメーターといい、入らないものを交流電圧計あるいはミリバルと呼ぶ習慣です。 
(仕様)周波数特性:10Hz~20MHz 測定範囲:2mV-700V

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FLUKE/887AB 差動電圧計

2012年02月01日 | 測定器


FLUKE/887AB 差動電圧計

(概説)差動電圧をDCだけでなく、ACも測れるという、このシリーズのなかでは最高額の機種でした。慣れると通常型ミリバルよりこちらを使いたくなるという電圧計です。





 
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HP 400GL ミリバル

2012年02月01日 | 測定器

HP 400GL ミリバル


(概説)交流電圧計はメーターで分けると、dB目盛りが等しい間隔のものと、つまりdB直線のものと、我々が普通に見かける電圧が等しい間隔のもの、つまりリニアーのものとに大別されます。前者は主としてバレンタイン社によるのが多かったものです。F特を測るときはこちらが便利です。

 さて、dB直線式のものは指針が左によっても正確さが落ちない特長があり、メーターは20dBステップのものも多いです。レンジ切り替えが半分で済むので面倒臭がりの人には向くでしょう。実はヤツガレもこちらを便利にしています。入力が少ないときは左に振り切れます。


 ミリバルはアマチュアが普通に使うにはあまり高感度でも意味が無く、また広帯域である必要もありません。管球式アンプしかやらないなら1mVの感度があれば困ることが殆ど無い筈です。






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HP 400H ミリバル

2012年02月01日 | 測定器

HP 400H ミリバル


(概説)管球式ミリバルとしては最高峰の1mV~300V 10Hz-4Mhzを実現したものです。HPの管球式ミリバルは400から始まって400Dまでヴァージョンアップを重ね、それ以後は半導体になりより一層高性能になりました。

 これは400Dのメーターだけを替えたもので400Dより大型になり、ミラーもついています。これのラックタイプは実にたいした貫禄で持ってるだけでも楽しいのですが、場所を取り過ぎます。

電圧分割にはマンガニン線が使われるといったオカネの掛けようで1969年のカタログでは$375でした。

 


 ミリバルはアマチュアが普通に使うにはあまり高感度でも意味が無く、また広帯域である必要もありません。
 
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HP 428B DCクリップオンアンメーター

2012年02月01日 | 測定器

HP 428B DCクリップオンアンメーター


(概説)DC~400Hzまでを回路を切らないで測れる電流計です。と言っても蝮の頭みたいなプローブがやや大きいのでTR回路などでは狭すぎて使えない場合が多いです。真空管回路に向くでしょう。このようなプローブが使えるようにあらかじめ配線するくらい行き届けばかなりヴェテランの域でしょう。



 
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菊水 161D 交流電圧計

2012年02月01日 | 測定器

菊水 161D 交流電圧計

 真空管アンプを作り続けている大先輩に、いったいタマのアンプにおいて、1mVのミリバルのレンジに持っていくことは有るの?と聞いたところ、あんまりないね。とのご託宣、10mVでもいんじゃね?との答えだった。

 自分は測定器が面白くなり出してからあまり自作していないが、作っている頃、1mVのレンジまで持っていった記憶があんまり無い。普通余程凝った人でもないと、電源を安定化することは無い。そうなると電源のフリッカーでフラフラするので、1mVのレンジまで行かないのである。

 だからこんなモノでも立派に役立つのである。高感度にしない結果、設計がやや容易になるので、1mVのタイプより広帯域に出来、かつ安い。

 ヤフオクに出ていたら注目されてはどうだろう。




全ての突起を含むサイズ/重量 16w 21h 19d  2.4Kg
10mV-300V  10Hz-1Mhz 入力抵抗:1MΩ 





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