オーディオ測定、オーディオ用測定器の解説

 測定器と、他は過去に学んだことへのコメント。

HP/4800A ヴェクトル インピーダンス メーター

2011年12月01日 | 測定器

HP/4800A ヴェクトル インピーダンス メーター


(概説)武末数馬先生はかつて、マニアとは“技術のことが分らない人々”、と言い、一方、アマチュアのことは“技術的にしか考えない人間が多い”と云われた。この人を“頑固”として好まない人は決して少なくなかった。そういえば、加銅鉄平氏を嫌う人も少なくない。両者に共通するのは理論に厳格ということだ。趣味の世界では 優しいうえにも優しい人 が好まれる。

 オーディオマニアが理解しにくいのが、インピーダンス という概念だ。これを理解したときにはもしかするとオーディオマニアではなくなるかも知れない。感覚的な話に耽溺するマニアの世界はそれなりに楽しいものなので、数学や物理を好み交流理論を理解するのは誰にでも勧められることではない。耳だけを判別器とし、古典直熱管を無帰還シングルで作り続けるのだってれっきとしたホビーの世界なのである。

 閑話休題:これはオークションではあまり出品されず、ゆえに入手も容易でない。米国では時折出品されるが、送料が150~250ドルくらいにはなってしまうのでトータルで500ドル以下になることは無く、それが AS IS とあっては躊躇せざるを得ない。

 今では インピーダンス スペクトラムアナライザー と称するものがアジレントから出ている。スペアナの機能を持つと同時に周波数によるヴェクトル インピーダンスの変化をモニターにディスプレーする便利な機械だが、まだかなり高価であるだけでなく、途方も無く大きい。だが、いずれはこなれた価格になるだろう。


 4800Aが測れるのはインダクタンス、キャパシタンス、それに抵抗である。測定器は5Hz~500KHzの発振器を内蔵し、それを定電流電源として、試料に直列に入れて測定する。ブリッジと似ているが、ブリッジよりは測定周波数が遥かに広い。また、ブリッジより正確さが劣るが、慣れるとブリッジより使いやすいと思うようになる。高抵抗の周波数特性が意外に悪いのはこの機械を使って初めて知った。







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1 コメント

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おっと! (好事家)
2023-03-04 14:30:07
同じ測定器持ってるなあ、と思いながら測定器棚の実機をマジマジと見ると傷の個所がどれも一緒でした。
あまり出番は無いですけど手放さず持ってます。
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