オーディオ測定、オーディオ用測定器の解説

 測定器と、他は過去に学んだことへのコメント。

多極管の三結について

2020年12月29日 | 測定/オーディオ

 一般に多極管を三結する場合、プレート電圧はスクリーン電圧の上限迄というのが常識だった。もう技術雑誌を読まなくなって30年近くなるので、その「掟破り?」が有ったかどうかは知らない。

 

 ただ、何となく感じられるのは真空管時代の末期に発表された6RA8、50CA10、8045G等の三極出力管はいずれも多極管の内部三結だった。有名なKT88には準三極とも呼べるアルトラリニアーで600Vを掛けた動作例が有る。

 

 ということは、三結の場合、損失だけを考慮し、耐圧については放念してしまって良いのではないかとの疑問が当然に湧いて来る。

 

 もし、この考えで良ければ、あまた有るテレビの水平球は有力候補となって、オークションで矢鱈高価になる三極管(50CA10,6RA8等)は一顧だにしなくて良くなる。実に愉快ではないか。

 

 これは私のアイディアではなく、或るマニア氏が公表したものだが、残念なことに追試例が見当たらない。そこで天下の諸兄にお尋ねしたいのはこれを追試された人は居られるかということ。

 

 マニア氏によれば、スクリーン損失が激増するのは多極管接続においてプレート電圧が低くなった場合であって、三結においてそれは起こらないという。

 

 つまり、スクリーン電圧に上限が定められているのは耐圧がそれだけしかないというのでなく、それ以上にするとスクリーン損失が定格を超えるからということなのだそうだ。

 

 プレート損失だけなら50CA10を大きく超える球が幾つも有るから今後テストしたいと思う。同様の試みをされる人が現れると嬉しい。

 


 興味ある人は「ヤナギダ理論」で検索されると良い。

 

 私が25歳くらいのころ、つまり半世紀前、日本には空前のオーディオブームが有った。

 

 そのとき気づいたのは、皆の知識は本に書いてあることや、エライ先生の言ったことの受け売りで自分で確かめたり実験したりしている人は殆どいないこと、また理論を知ってる人も皆無に等しいことだった。

 だから、三結のプレート電圧はスクリーン電圧の上限迄というのもそれを実際に確認した人は殆どいないだろうことも見当がつく。

 

 この実験はさほど難しくないので近々にやろうと思う。

 

 

 

  

 

 

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