灌頂の滝を上から見るところまで来るとさすがに慈眼寺も間近でした。 大きな駐車場が上下にあり、大師堂と納経場は直ぐそこです。 ところが本堂は遥か上の穴禅定のところなんですね。 またまたしっかり登る事になります。
慈眼寺の由来は弘法大師が不思議な鍾乳洞を発見しました。(これが今の穴禅定) 洞窟内に巣くっていた悪い龍が忽然として現れ出て、弘法大師めがけて猛然と襲いかかりましたが秘密真言を唱えうち、その法力をもって悪龍を洞窟の奥に封じ込め、十一面観音様を刻み、霊験あらたかな行場としました。
四国八十八ヶ所、第二十番札所鶴林寺の奥の院でもあります。
でも鶴林寺は遥か向こうの山の山頂近くにあり、どちらもなかなかアクセスしづらい場所にあります。 ここ慈眼寺の売りは穴禅定で皆さんそれが観光のスポットになっています。 私は狭い穴に行くのはなんとなく閉鎖恐怖症がありますのでやめて、本堂だけお参りしました。
本堂から下って納経場に来ると、次のグループが穴禅定に入っていましたかと聞かれたので、いえいえ前〃のグループの先頭がやっと出口に戻ってきたみたいで、入り口でアベックがやることもなく案内の方と座っていましたと話したら、あら大変渋滞したわ。 ここは一グループはいると出るまで次が入れません。 次にまた観光バスが来てので、時間調整が必要になったみたいです。
地図をみると焼山寺近くの神山温泉に繋がる438号線に行く細い道があります。 これをたどれば童学寺へのショートカットになります。 納経場で聞くと行ける。ただしちょっと下ってから風車発電が並んでいる峠までしばしまた登る事になります。 童学寺まで車で2時間とのこと。 峠まで行けば後は下り坂、4時間で行けるかなとあまい予想で峠の道を走り出しました。
しばらくお休みしていました。
別格四番鯖大師から別格三番慈眼寺への道は悩みました。 鯖瀬から立江まで一日かけて自転車で走るのも一つの手なのですが、慈眼寺周辺には宿は殆どないし、第二十番札所鶴林寺の麓まで行く手段もありますが、ここも民宿が一軒しかないので宿としてちょっと、立江寺なら宿坊がありますが、それではちょっと早目に着いてしまうし、戻る日が一日遅れるのでそれもしたくない。 結局鯖大師のある鯖瀬から立江までJR四国で移動してそこから慈眼寺を越えて別格二番童学寺を参拝して安楽寺辺りに泊まれば、翌日別格一番大山寺に参拝して香川に戻るのに都合いいとこのプランで行くことにしました。 この時はまだこのルートの過酷な上り下りまでは頭が回っていませんでした。
鯖瀬を朝6:50分の電車に乗れば牟岐で乗り換えして立江8:48分、9時前に走り出せると踏んだのですが、そこはどっこい、鯖大師には朝のお勤めがあります。 それを振り切っていくほどでもない、なんとか走りきれるだろうという甘い見込みで朝のお勤めを出たら、立江に着いたのは朝10時過ぎ。この1時間が後でぎりぎりになるとはこの時は考えていませんでした。 立江から鶴林寺の麓までは以前お遍路で歩いたことがあるので、道は分かっているし、平らな道を好調に進みます。 心配な事は昨日、一昨日と気が抜けたのでしょうか、携帯と時計を落としてしまい、時間が分からない。 走りながら店を覗き込んで時間を確認しながら走る羽目に。
麓の坂本から急に道が登り坂、農作業をしている方に慈眼寺への道を聞くと、笑ってここから本当の登りです。大変ですよと言われました。 ここから本当に大変でした。 後で調べてみると坂本のから慈眼寺まで高度差380m 勿論自転車に乗って登るなんで無理。 ひたすら押して歩きました。
もう嫌になるくらい登った頃に灌頂の滝に到達。 これでもう慈眼寺は直ぐと思ったら道は非情にも曲がり曲がり登り続け下からみた灌頂の滝を横から眺めるようになりました。 まだ慈眼寺の姿が見えません。
仏海庵は室戸岬から日和佐に向かう途中、「入木」付近の国道から内に入るとあります。 全国を回っていた高野聖の一人木食僧仏海さんがここに庵を設けていました。最後はここで即身成仏(きっと正しくは即身仏)された方とか。
庵は綺麗に掃除してあり、戸を開けると一間の小さな部屋がありお地蔵さんがおられます。前回は先を急ぐ感じで軽くお経を読んだのですが、今回は腰を据えて、まずはお灯明、お線香、そして鐘を使って読経をしました。 入った入り口からそのまま進むと裏の墓地に出ることができ、ここに仏海さんのお墓があります。(前回は気づかなかった) しばし昔の人のことを思い、今日の宿泊場所 鯖大師にペダルを進めました。
金剛頂寺は女人禁制で女の人は入山できず、ここを女人堂としてにぎわったという不動岩霊場、前回は金剛頂寺から下る際に道を間違えここを通らず山の中を突っ切って国道に降り立ちました。 今回番外霊場巡りが主だったのでここを外すことは出来ません。 国道沿いで、大きな駐車場もあるのですが番外霊場だからでしょうか誰もいません。 お線香を置く場所も鉄製の大きな蓋があり、防火に注意を払っているようです。
不動堂にお参りしてから岩を巻くように海側に回りますと不動岩の岩屋があります。 階段を登っていくとこれぞ番外霊場という雰囲気の岩屋です。 振り返ると太平洋が見えます。 灯篭に蝋燭を灯し、お線香を上げて、鐘を使いながら般若心経を心をこめて唱えます。 誰もおらず、大師さんと面と向かってお話できた感じでした。
今日の泊まりは最御崎寺からの車道を下って国道との分岐点にある「まぜ」という新しく始めた民宿です。綺麗だし、食事はいいし、そして食堂から眺めると沈んでいく太陽がおかずの一つといういい宿でした。
一度使ってみてください。 「まぜ&室戸岬」のキーワードで検索すれば見つかります。
四国八十八カ所巡拝旅館というものが四国にはあります。 その一つ愛媛にある長珍屋さんは
本館(鉄筋5階建・一部木造)
収容人員・・・280名様
客室・・・・48室)バス・トイレ付2室・トイレ付16室
大広間・・・90畳)1・中広間2
浴室・・・・大浴場2)サウナ
エレベーター1基
と大型旅館がお遍路さんに特化したような宿です。
ただしここの利点は当日朝でもそして一人でも笑顔で宿泊を受けてもらえるし、宿も大きいので満員で断られることがありません。 そこに泊まっている時に、他のお遍路さんとは違う雰囲気を持った人が居て、番外霊場でもいいものがあるだよ。 自分で探してごらん。 一つは神峯寺を降りて海岸沿いだよ。 それ以上は自分で探してごらんと言われました。
これがその岩屋です。 不思議なことにここまで一度もパンクしなかった自転車がこの前で止めて、この岩屋かなと覗きに行って戻ったらパンクしていました。 お大師さんが呼んだのか入ってみると岩の中に観音さんが安置されていました。
パンクを修理してまた走ると次の番外霊場。
四国にはこのように88箇所に属さないけど、なんらかの雰囲気を持つ番外霊場が多くあります。