サロン・風変わりな人材開発の宴 

人の育成について、色々な視点から書いていきます。これは、体験記であると同時に、次の人材開発施策に対するトライアルです。

「課題図書」の目的は。。。。

2016年11月26日 18時11分31秒 | 人材開発部門
研修の教材に課題図書を提示する場合がございますね。課題図書には、どんな意味で出しているのだろうかと思うことがございます。そもそも、誰が選んでいるのでしょうか。どんな目的で選んでいるのでしょうか。
 「誰が」という部分では、講師か事務局かと思います。テキストを研修で棒読みするのは時間の無駄なので、事前に読んで課題について考えてきてもらう。或は、講師が研修だけでは言い足りない部分を補うという、いわゆる補助教材という部分。更には、読書の習慣をつけてもらいたいという部分。いろいろなねらいがあるのでしょうが、個人的には課題図書というものは、もらってうれしいものではないですね。「仕事が増えた」というのが大方の受講者の気持ちではないでしょうか。
 私が、「これはどうかな」と思っているのは、講師や事務局の趣味で課題図書を選ぶこと。気持はわからなくないのですが、屋上屋を重ねるものにならないのでしょうか。多分、講師の人も、事務局も「それはない」と言うだろうと推測いたします。しかし、受講者サイドにしてみると、似たようなものに映らないか。
 私は、基本的に人に本を勧める事は致しません。研修でも挙げることはまずありません。理由は、受講者と自分の問題意識、関心、役割が同一ではないためであり、共鳴するとは言えないでからです。教えなければならないことは、きっちりと研修の中で指導すべきだと思います。要領のよい、受講者は課題図書を流し読みしてきますので。
 ただし、それでも課題図書を出す場合がございます。それは、「この会社、或は部門にとって盲点となる観点について書かれてあり、役員会でも議論されたことがないし、当然、部の会議においても議論されたことがないテーマ」がある場合は、課題図書として提示することはございます。これは探すのが難しいです。よ~く考えて出さないと。「知っているよ」になりますので。また、いいなあと思っても、特定のビジネスを意識し過ぎたものは、全社の人材開発門としては出しにくいですね。批判しているみたいで。

 課題図書の議論と離れますが、私は、「大きな書店に行って、今の自分に一番ヒットする本を探してきなさい」という指示のほうが、よほどその受講者の個性や資質に叶うのではないかと思います。但し、これは苦行のようで、足を棒にして探すのは大変であり、そこまでしてやりたくないというのが本音のようです。これは、自分の心との対話になっていいのですけど、読書嫌いの方に喜ばれませんね。これが習慣になるとよいのですが。


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