KISSYのひとりごと

日々感じたこと、ドライブ日記やDVDのレビューなど…徒然なるままに綴っています。

「再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意」する

2013-12-26 17:43:59 | 日記・雑感

 安倍首相は内閣総理大臣就任一年目にあたる今日、靖国神社を参拝しました。中国、韓国はお昼のニュースでこの模様を報道、安倍首相の靖国参拝を批判しました。

 首相官邸が発表した安倍首相談話では「二度と再び戦争の惨禍に苦しむことのない時代」という言葉が二回出てきます。どこかで見たことのある言葉ですね。

 日本国憲法前文です。「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」。

 安倍首相談話では・・・

 「二度と戦争の惨禍に苦しむことが無い時代をつくらなければならない。アジアの友人、世界の友人と共に、世界全体の平和の実現を考える国でありたいと、誓ってまいりました」

 「今日この日に参拝したのは、御英霊に、政権一年の歩みと、二度と再び戦争の惨禍に人々が苦しむことの無い時代創るとの決意を、お伝えするためです」。

 ・・・という2ヶ所で使われています。

 日本は憲法の「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意」を国際社会に高らかに宣言することによって戦後政治をスタートさせました。しかし、自民党の憲法草案をみると、前文からこの文言がバッサリと削られています。

 さらに、これまでの自民党政府が「憲法上行使できない」としてきた集団的自衛権の行使も容認する方向ですし、「武器輸出三原則」に抵触しかねないPKOへの弾薬供与(これも政府答弁では国連事務総長から武器・弾薬の供与の要請があっても断る」といっていたものです→詳しくは藤野保史さんのHPを参照してください

 曲がりなりにも歴代の自民党政権が守ってきた「一線」を越えようとしている安倍首相から、「二度と再び戦争の惨禍に人々が苦しむことの無い時代を創る」決意が語られても空文句にしか聞こえませんでした。

 ところで、なぜ閣僚をはじめ国会議員が靖国神社を参拝すると、国際的な非難が集中するのでしょうか。

 靖国神社のホームページには「日清戦争・日露戦争・第一次世界大戦・満洲事変・支那事変・大東亜戦争(第二次世界大戦)などの対外事変や戦争に際して国家防衛のために亡くなられた方々の神霊が祀られており」とあります。

 私は、天皇制政府が引き起こした戦争の犠牲になった方々---戦病死された方々はもちろん、空襲や沖縄戦で戦闘に巻き込まれ命を奪われた方々、さらにいえば成長期に十分な栄養もとれずに幼い命を奪われた子どもたち---を慰霊することが悪いことだとは思いません。

 しかし、靖国神社は「国家防衛のために亡くなられた方々の神霊」を祀るとしています。「自存自衛の正義のたたかい」「アジア解放の戦争」の名のもとに行なわれた侵略戦争が、「国家防衛」といえるのか疑問が残ります。

 このことは靖国神社の境内にある遊就館を訪れると、よりはっきりします。館内には軍歌が流れ、日本軍はいかに「勇ましく」たたかったかという映像が流れています。そこには侵略戦争への反省はまったく感じられません。

 戦争中はどうだったでしょう。特攻隊を描いた映画やドラマなどでは、若い兵士たちが「靖国で会おう」と出撃するシーンが描かれることが少なくありません。見事「名誉の」戦死を遂げて靖国神社で再会しようということです。そういう意味では、侵略戦争を支える精神的な柱となったのが靖国神社だったということもできるでしょう。

 もうひとつ、昭和9年に発売され、昭和14年に大ヒットしたと言われる戦前歌謡の代表曲のひとつでもある「九段の母」は、戦死した息子に会うために九段(靖国神社)にやってくる年老いた母親を描写した歌です。母親にとっては息子の戦死は悲しいはずですが、「光栄なこと」として歌われます。

  こんな立派な神社に神として祀られるなんて
  なんてもったいないことだろうと
  母親は、その嬉しさに泣いてひざまづく

  ・・・要約するとこんな感じです(著作権の関係もあるのであえて歌詞は載せませんでした)。

 驚くことに、かつて靖国神社のオフィシャルガイドブックには、「歌い継がれる靖国神社」として、この「九段の母」が掲載されていました(今はどうなんでしょうか?)。このことをみても、靖国神社が戦前の歴史観を引き継いでいることは明らかだと思います。

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1 コメント

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encirclement (noga)
2014-01-05 20:28:49
安部首相は靖国参拝をした。
首相は我が国を再び世界の孤児に仕立てるつもりか。
首相は国民を再び死地に追いやり、自決させるつもりなのか。
この道は、いつか来た道。ああ、そうだよ。民族の歴史は繰り返す。

首相は、自己の哲学を国民に言って聞かせて指導しているのか。
それとも、無哲学・能天気の国民に、ただ迎合しているだけなのか。成り行き任せの民主主義か。コンセンサス・デモクラシーか。
意思がなければ、責任感もない。成り行き任せでは、反省の色は出てこない。
日本語脳には、戦後教育の成果は出てこないか。

国は自国の軍隊が守れ。国立墓地も軍隊が守れ。
国立墓地は宗教とは無縁で、宗派にこだわることなく戦死者をまつれ。
アメリカ人にできて、なぜ、日本人にはこれができないのか。
首相はこの事実に深く想いをいたせ。






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