「白い道」(三国連太郎監督)
久しぶりに観ました。
お気に入りの映画です。
親鸞の生涯を描いたものです。
西本願寺、東本願寺がスポンサーになっている映画です。
巨大宗教になった浄土真宗の権威的な現状からして
このような権力に立ち向かい
貧しい人の側に立ち続けた親鸞の姿を
生真面目に描く三国連太郎が
どのように映ったのでしょうか。
色彩を極端に抑え、とことん貧しさそのものを描いた
この映画は映像として心地よくはありませんし
抑制を求めた演技は
息苦しくもあります。
でも、史実に忠実に描こうとする姿勢は好ましく
いつか、繰り返し見る映画になってしまいました。
ロケによる荒漠とした河原や北国の雪景色は圧倒的ですね。
衣装等もこだわっているようですが、時代的に正確なのか
よく分かりません。
でも、そうかもしれない。
そんな感じです。
まともなものを着ていなかった親鸞が新鮮です。
時代の風景と親鸞の生きる姿を
三国連太郎独特の表現で映像化しています。
特に「穢れ」「病」と信仰との関係に興味をもちました。
吉川英治の描く「親鸞」のような
美しく、賢い人でもなく
日常の親鸞のようにも思えます。
病みつきになる映画ですね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
廃屋 茨木のり子
人が
棲まなくなると
家は
たちまちに蚕食される
何者かの手によって
待ってました! とばかりに
つるばらは伸び放題
樹々はふてくされていやらしく繁茂
ふしぎなことに柱さえ はや投げの表情だ
頑丈そうにみえた木戸 ひきちぎられ
あっというまに草ぼうぼう 温気にむれ
魑魅魍魎をひきつれて
何者かの手荒く占拠する気配
戸さえなく
吹きさらしの
囲炉裏の在りかのみ それと知られる
山中の廃居
ゆくりなく ゆきあたり 寒気だつ
波の底にかつての関所跡を
見てしまったときのように
人が
家に
棲む
それは絶えず何者かと
果敢に闘っていることかもしれぬ
久しぶりに観ました。
お気に入りの映画です。
親鸞の生涯を描いたものです。
西本願寺、東本願寺がスポンサーになっている映画です。
巨大宗教になった浄土真宗の権威的な現状からして
このような権力に立ち向かい
貧しい人の側に立ち続けた親鸞の姿を
生真面目に描く三国連太郎が
どのように映ったのでしょうか。
色彩を極端に抑え、とことん貧しさそのものを描いた
この映画は映像として心地よくはありませんし
抑制を求めた演技は
息苦しくもあります。
でも、史実に忠実に描こうとする姿勢は好ましく
いつか、繰り返し見る映画になってしまいました。
ロケによる荒漠とした河原や北国の雪景色は圧倒的ですね。
衣装等もこだわっているようですが、時代的に正確なのか
よく分かりません。
でも、そうかもしれない。
そんな感じです。
まともなものを着ていなかった親鸞が新鮮です。
時代の風景と親鸞の生きる姿を
三国連太郎独特の表現で映像化しています。
特に「穢れ」「病」と信仰との関係に興味をもちました。
吉川英治の描く「親鸞」のような
美しく、賢い人でもなく
日常の親鸞のようにも思えます。
病みつきになる映画ですね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
廃屋 茨木のり子
人が
棲まなくなると
家は
たちまちに蚕食される
何者かの手によって
待ってました! とばかりに
つるばらは伸び放題
樹々はふてくされていやらしく繁茂
ふしぎなことに柱さえ はや投げの表情だ
頑丈そうにみえた木戸 ひきちぎられ
あっというまに草ぼうぼう 温気にむれ
魑魅魍魎をひきつれて
何者かの手荒く占拠する気配
戸さえなく
吹きさらしの
囲炉裏の在りかのみ それと知られる
山中の廃居
ゆくりなく ゆきあたり 寒気だつ
波の底にかつての関所跡を
見てしまったときのように
人が
家に
棲む
それは絶えず何者かと
果敢に闘っていることかもしれぬ