あきオジの風景

写真、そして、俳句(もどき)
毎日更新しています。

茨木のり子の次は誰なのだろうか

2008-09-26 20:04:59 | 日記
彼岸花

わずか一週間の開花

それが地上での輝きだと思えば

ありがたく楽しみましょう。


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ぎらりと光るダイヤのような日  茨木のり子


短い生涯
とてもとても短い生涯
六十年か七十年の

お百姓はどれほど田植えをするのだろう
コックはパイをどれ位焼くのだろう
教師は同じことをどれ位しゃべるのだろう

子供たちは地球の住人になるために
文法や算数や魚の生態なんかを
しこたまつめこまれる

それから品種の改良や
りふじんな権力との闘いや
不正な裁判の攻撃や
泣きたいような雑用や
ばかな戦争の後始末をして
研究や精進や結婚などがあって

小さな赤ん坊が生まれたりすると
考えたりもっと違った自分になりたい
欲望などはもはや贅沢品になってしまう

世界に別れを告げる日に
ひとは一生をふりかえって
じぶんが本当に生きた日が
あまりにすくなかったことに驚くだろう

指折り数えるほどしかない
その日々の中の一つには
恋人との最初の一瞥の
するどい閃光などもまじっているだろう

本当に生きた日は人によって
たしかに違う
ぎらりと光るダイヤのような日は
銃殺の朝であったり
アトリエの夜であったり
果樹園のまひるであったり
未明のスクラムであったりするのだ

(見えない配達夫より)

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明日はどこに出かけようかと考える。

そんなときが一番楽しい。

ネットで祭りやイベントを探したり

仕事仲間から情報を得たり

結局のところは、電車に乗ってから考える。

そして、乗り換え電車の都合によっても変わる。

どうでもいいほど曖昧で不確か

気分次第といわれればそのとおりなのです。

ということで明日はみなとみらいかな?

秋なのだから

2008-09-26 05:32:37 | 日記
巾着田のみやげ物

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その気があるのかないのか

わからないけれど、それでいいのだ。

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昨日、茨木のり子の詩を取り上げたら

ファンだという人からメールが届いた。

あちこちでとりあげられているのでファンが多いとは思いましたが・・・・

ひらがな言葉で輪郭がしっかりした言葉

意味不明の迷路に入った詩は私にはわかりません。

でも、この詩ならはっきり見えます。

目力が強いですね。

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          ■汲む■

    大人になるというのは
    すれっからしになることだと
    思い込んでいた少女の頃
    立居振舞の美しい
    発音の正確な
    素敵な女の人と会いました
    そのひとは私の背のびを見すかしたように
    なにげない話に言いました

    初々しさが大切なの
    人に対しても世の中に対しても
    人を人とも思わなくなったとき
    堕落が始まるのね 堕ちてゆくのを
    隠そうとしても 隠せなくなった人を何人も見ました

    私はどきんとし
    そして深く悟りました

    大人になってもどぎまぎしたっていいんだな
    ぎこちない挨拶 醜く赤くなる
    失語症 なめらかでないしぐさ
    子供の悪態にさえ傷ついてしまう
    頼りない生牡蠣のような感受性
    それらを鍛える必要は少しもなかったのだな
    年老いても咲きたての薔薇 柔らかく
    外にむかってひらかれるのこそ難しい
    あらゆる仕事
    すべてのいい仕事の核には
    震える弱いアンテナが隠されている きっと・・・・・
    わたくしもかつてのあの人と同じくらいの年になりました
    たちかえり
    今もときどきその意味を
    ひっそり汲むことがあるのです