もしも質問で相手の内面を知る

2022年06月24日 | 保健室コーチング

（一社）ハートマッスルトレーニングジム代表
主体的人生を構築する人材育成トレーナー　桑原朱美です。

今日のテーマは
「もしも質問で相手の内面を知る」です。

保健室コーチングで学ぶアプローチスキルの一つに
「もしも質問」とおいう質問があります。

思考がなかなか広がらない場合や
ついつい制限の中で物事を考えてしまうときに使います。

また、コーチング的なかかわりで
ゴールイメージがうまく描けない場合にも
この質問で発想を促すこともあります。

■担任が嫌いという生徒の事例

現職中も、保健室でかかわった子に
もしも質問を使うことがよくありました。

担任の先生が大嫌いというＡ子さん
彼女の話を聴いた後、
『もし、あなたが、担任の先生になったらどんなクラスを作りたい？』
と質問しました。

もしもという質問をすることで
自分だったら・・・とあれこれ想像を始めます。

そこに、その子の願いがあったり、
その子の本音や価値観が見えたりします。

大切なのは、聴き手が子どもの話をジャッジせず
とにかく聴くこと！

そして、抽象度が高い言葉は
「もう少し具体的に教えて」とさらに詳しく聞いていきます。

たとえば、子どもが
『みんなが安心して教室にいられる学級を作る」
と言ったとしたら

「なるほど～。安心していられる学級って、そこ、もう少し詳しく教えてよ」
と、具体的にしていきます。

■目的は相手の内面を言語化すること

結果を出さねば！と考えてしまう人は
ついつい子どもの言葉に反応して
「じゃ、そのためにどうしたらいいと思う？」
とすぐに聞いてしまうのです。

そうすると、いきなり本人は現実に引き戻されてしまいます。

早く教室に戻さなくては！
担任の先生の見方を変えなくては！という
想いがあると、子どもはそれを見抜きます。

無意識にコントロールされる！と思ってしまいます。

新しい方法を知ると、ついそれを
相手のコントロールのために使ってしまいます。

しかし、もしも質問の目的は、
そこではありません。

いったん現実の問題に向いている焦点を
もしも・・・という仮定をすることで
違う視点から考えたり

無意識に持っている考えを
言語化すること

その答えを聴いて、支援者は相手の内面を理解し
相談者は、自分が無意識に持っている
「こうしたい」を知ること

■担任になるというイメージができないＢ君

別の事例です。
やはり教室に行きづらいというＢ君。

この子に同じように質問したところ
「そもそも、あのクラスが嫌いなんだから
担任になろうと思わない！」と反発されました。

「なるほど。そうかそうか。
じゃ、ちょっと違う質問するね。」

「総理大臣になったら、どんな国をつくりたい？」

この質問には、反応してくれました。
出てくる政策を聴いていると
その子の価値観が、たくさん出てきます。

桑原はそれをうんうんと面白がって聴き
その政策について、記者になったつもりで
具体的には？と質問していきました。

たくさん話してすっきりしたのか
そのあと、教室に行きました。

以前、「総理大臣」でも
反応しない生徒がいました。

この時には、
「もしも、世界の大魔王になったら」
という質問をしたら、急に目を輝かせて話し出しました。

もしも質問で、相手の想像力を掻き立てるために
ふだんから、質問をストックさせておくとよいですね。

それでは、今日も
素敵な１日を！

この記事は、メルマガ「可能性をあきらめたくない女性のための時間と思考の使い方」
2022年5月16日号で紹介した内容に加筆修正した内容です。

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姫先生のおめめ

25年間の養護教諭の経験と脳科学、波動理論から引き出すレジリエンス向上について書いています。

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