ひからびろ 3.0

密かに輝くラクダとビロード、ロバ。お願いだから、ひからびてほしい。

不良の文学。

2011-12-19 | 文学
全世界の不良が、ドストエフスキーを読めば、 何かが変わってしまうかも知れない、 と考えた。 その当時憧れていた、コロンビアの麻薬カルテルのボスや、 コルシカ・ギャング達がドストエフスキーを読めば、 どう思うだろう、 と想像して楽しんだりしていた。 (村上龍『音楽の海岸』より) 名作は、「不良」のために書かれてる。 いま生きる世界に満足してる人には、 全くもって必要ないもの。 「むずかしい」と . . . 本文を読む

狂人レンツ、分裂症。

2011-12-18 | 思想
一切は機械をなしている。 天空諸機械。 天の星々や空の虹。 アルプス諸機械。 これらの機械は、 レンツの身体のさまざまの機械と 連結している。 ここにあるのは 機械のたえまなく唸る音。 (ドゥルーズ『アンチ・オイディプス』より) 自然は、機械みたいに、 人間の意志とは関係なしに動いている。 分裂し、狂ってくレンツの体は、 部品みたいに、 自然の中に組み込まれていく。 関連記事: 自動機 . . . 本文を読む

ブルレちゃん。2

2011-12-17 | 音楽
ジゼル・ブルレのウィキが、 日本語版どころか英語版も フランス語版もなくて驚愕してる。 『音楽的時間』とか影響力大きいんじゃないの!? なんとか調べて分かったけど、 ブルレって1919年生まれなのね。 ヴェルサイユ条約の年で、 サリンジャーとかナット・キング・コールとか、 村上春樹が好きそうな人と同い年。 あと、やなせたかしも1919年生まれ!w ブルレの『音楽的時間』、842ページもあって . . . 本文を読む

ブルレちゃん。1

2011-12-16 | 思想
ジゼル・ブルレの 『音楽創造の美学』がおもしろい。 「創造行為ってのはさー、 パッと音を聞いた感じをさー、 それを感じてる自分の根っこのところまでさー、 さかのぼってくことなのよねー。 批判的反省がないんだったらムリなのよそんなのはー」 (CV:マツコ・デラックス) 「ホントに独創的な作品を作りたいんだったらさー、 作曲家はさー、自分用の音響素材ってのをさー、 作らなきゃダメだと思うのよー。 . . . 本文を読む

「倫理」の圧倒的なインフレ。

2011-12-15 | 思想
90年代、ぼくが思想家として活動を始めたときに、 時代はすでにポストモダンから、 いわゆるカルチュラル・スタディーズや ポストコロニアルなど、 左翼的な、きわめて政治性の高いものに移っていた。 そこでぼくが見たものは、 ぼくの直接の指導教官が高橋哲哉氏だった ということも大きいのですが、 「倫理」の圧倒的なインフレだったんですよね。 たとえば高橋氏は 「無限の他者に対して無限に謝るべきだ」 と . . . 本文を読む

「三島と同い年」から・・・

2011-12-14 | 文学
三島由紀夫ってドゥルーズと同い年なんか!!(1925年生まれ) 音楽家だとブーレーズ、 政治家だとポル・ポトが同い年w そして同業者で同い年は丸谷才一か・・・。 ***** 僕は三島由紀夫の文学というのは 大人の文学ではなくて少年の文学だと思っていて、 これはちょっと分かりにくいかもしれないけれども、 少年の王国に閉じこもったまま そこから世界を盗み見るように描いた文学。 これは悪口ではな . . . 本文を読む

スピッツと95年。

2011-12-13 | 音楽
1994年 「君が思い出になる前に」「空も飛べるはず」「スパイダー」 1995年 「ロビンソン」「ハチミツ」 1996年 「チェリー」 スピッツのヒット曲ってこの辺りに集中してるんだな・・・ 『空の飛び方』とか『ハチミツ』までは ものすごいフワフワした感じの曲が多かったのに、 『インディゴ地平線』以降、 現実路線の曲が大半を占めるようになったということか・・・ 「裸足で地面に立ち、真 . . . 本文を読む

神話か文学か。欲望の肯定の有無?

2011-12-12 | 文学
ダンテ『神曲』のすごいところは、 それまでの物語にあった、 旅立ち ↓ 苦難と成長 ↓ 故郷への帰還 っていう神話的な構造を ある意味で乗り越えちゃったこと。 地獄から旅を始めたのに、 ラストはこの世に帰還するどころか 天国でスペースノヴァ! みたいな感じになっちゃう。 これを大江健三郎が 「神話的想像力」から「文学的想像力」への 飛躍・・・つまり「神話」が 「文学」となった記念 . . . 本文を読む

〈好き/分かる〉という対立項。

2011-12-11 | 常々
好きな音楽を友達に聴かせると 「ごめん、おれには分からなかった」 と言われたりして 「え、これだったら分かると思ったんだけど!」 とびっくりしたりするんだけど、 いや、こんなのは良くないんじゃないかと思う。 〈分かる/分からない〉という軸で考えたら、 「あなたが好きな音楽のことを、 あなたは〈分かってる〉んですか?」 ということになってしまうから。 けど本当にその音楽のことを分かってる人なん . . . 本文を読む

喜劇と悲劇の違い。

2011-12-10 | 文学
もしかして喜劇と悲劇の違いって、 人間(欲望)を描いてるか、 神(自然)を描いてるか、ってことなのか!? なんか最近の諸々の関心事が一気につながった気がするんだけど!! 関連記事: 神話か文学か。欲望の肯定の有無?(2011年12月12日) . . . 本文を読む