ひからびろ 3.0

密かに輝くラクダとビロード、ロバ。お願いだから、ひからびてほしい。

伊坂幸太郎との和解?

2012-01-05 | 文学
伊坂幸太郎さんが エンタメに徹するということで書いた 『ゴールデンスランバー』を読んで、 「ああ、今みんなこういうのが気持ちいいんだな」 ってすごいよくわかったんです。 謎解きと逃亡っていう ページを捲らせる二大エンジンがあって、 伏線とその回収がものすごくシンプルに、 前半と後半とできれいな線対称になっている。 構造的には、問題集みたいな作りです。 (【特別対談】情報革命期の純文学/東  . . . 本文を読む

〈分人 dividual〉、〈個人 individual〉ではなく。

2012-01-05 | 文学
平野啓一郎『ドーン』読んだ。 この小説の最大の面白さは、 「ディヴィジュアル」という考え方の提案だ。 僕は「分人主義 dividualism」ということを 『ドーン』に書いたんですけど、 あれは深遠にして複雑な思想を語りたいとかじゃなくて、 なるだけプラグマティックな、 生きていくうえで使い勝手のいい デザインの概念にしたかったんですね。 キャラとか仮面とか、 いろいろな言われ方をしてた . . . 本文を読む

創造の源泉として何回も再利用される場

2012-01-05 | 文学
今ライトノベルとかケータイ小説とか、 もしくは『ダ・ヴィンチ』系のエンタメ小説が なんで優位なのかというと、 あれは映像文化へのアクセスを持ってるからです。 つまり、彼らは実際の部数の 何十倍の影響力を持つ可能性がある。 純文学からはその回路が開けていない。 ここに決定的な差があって、 部数だけで見ると、 川上未映子さんの『ヘヴン』が 西尾維新と極端には違わないじゃないかといっても、 それはや . . . 本文を読む