BACK >>>>>>>>
Page 20
[エスドリ2日記]
「ステージ1」港町
守:そういえば、特急券を欲しがっていた女の人がいたな…ちょっと行ってくるね。
守、離れる。
ベル:何よ…
あからさまに腫れ物みたいな扱いして…
はぁ…
リサ:あら、ベルちゃん。久しぶり。
ベル:あ、リサさん。ご無沙汰しております…
リサ:ん?ベルちゃん何か悩んでいる?
ベル:え?どうして?
リサ:そんな疲れ切っている顔をしていたら誰だって分かるわよ。
それで、どうなの?
ベル:ちょっと前に沢山の重い事が一気に圧し掛かって来たんで…
それで、何か色々と嫌になっちゃって…
リサ:私で良ければ話に乗るけど?
ベル:いえ、そんなリサさんに迷惑はかけられませんし…
リサ:分かったわ。じゃ、1つぐらい教えてくれる?
沢山あったんでしょ?なら、1つぐらいなら教えられるでしょ?
ベル:私、昔の記憶を改ざんされていたんです。
リサ:記憶を改ざん!?ど、ど、どういう事?
ベル:昔、私はあるエスパーとある1つの村を助ける為に頑張っていて…
そこの敵をやっつけて村を救ったんです。
その時に、そのエスパーに好きになっちゃっていたんだけど
そのエスパーは村を救っている途中で出会った女の子を好きになって私は振られた。
ショックを受けた私は寝込んでしまって苦しんで…
本の神様に記憶を消してもらった訳です。
リサ:それを思い出して辛いのね。
ベル:いえ…
これは私に起こった事を言っただけでそのエスパーと一緒にいた時の事は全く覚えていません。
そのエスパーに
『リサ』さんと『シードラ』をやっつけた後で会いましたけど
懐かしい気がしただけで何も思い出せませんでしたから…
リサ:そうなんだ…あった出来事だけ教えられて何も分からないんじゃ辛いわね。悲しいわね。
ベル:はい。それで私どうしたらいいか…
リサ:一つの方法としては本の神様に復讐って1つの方法であるかもね。
ベル:復讐…ですか?
リサ:それはそうでしょ。許せないんでしょ?
記憶を消されたんだからね。大事だったのかどうかも分からず…
しかもその事を今まで隠されてていて…
そうなったらジョジョ第6部の『エルメェス』みたいにやるのよ。
ベル:(ジョジョで例えるのね…)
リサ:そうね…ベルちゃんに合わせるのなら…
「復讐」なんかをして、失った記憶が戻るわけではないと知ったフウな事を
言う者もいるだろう。 許すことが大切なんだという者もいる。
だが、自分の思い出をドブに捨てられて、その事を無理矢理忘れて
生活するなんて人生は、あたしはまっぴらごめんだし…
あたしはその覚悟をして来た!!
「復讐」とは、自分の運命への決着をつけるためにあるッ!
なーんてね。
ベル:…。
リサ:そういえば守君はその事を知ってるの?
ベル:知っていますよ。
リサ:へぇ…その割にはあまりベルちゃんに対して話を聞いてくれてないみたいね。
ベル:そうなんですよ!ホント、酷いんですよ!守君!
その事をちゃんと教えたのに大して取り合ってくれなかったんです!
それが本当に腹が立って!
今だってストーン取りに行くと言って簡単に私を一人にしていなくなっちゃって!
私がフラッといなくなってしまっても別に平気なんだな。
守君にとって私の存在ってそんなに軽くてちっぽけものだったんだなって今分かったんです!
それも悲しくて幻滅って感じです。
リサさんも守君の事、酷いと思いません?
リサ:そ、そうかもしれないわねぇ…
その様子じゃ、あまり関係は進展してなさそう。
ベル:進展?リサさん。何を言っているんです。私たちはあの時のままですよ。何も変わっていません。
リサ:そうなの?
リサ:でも、守君はあなたの事が好きだと思ったのになぁ…
ベル:ええ~。何を言っているんですかリサさ~ん。
守君は私に頼んだ役を演じろってプレイみたいな事させているんですよ~。
リサ:何それ?
ベル:『リサ』さんと別れてから願いの前借りって言ってそのように頼んで来たんです。
それで、頼んだ時にお兄ちゃんと呼んでっておかしなプレイを要求してきたんです。
リサ:…。
それは…心底に引くわね。
趣味は人それぞれって言うけど…
もっと大切な願いを頼めるはずなのに…
ベル:でも、リサさんは守君が私の事好きってどうしてそう思うんですか?
仮に好きだって言ってもせいぜい妹としてでしょうけど
リサ:あら?ベルちゃんって案外鈍いのね。自分の事になるとそうかもしれないけどねぇ~。
前に、宿で泊まった事があったじゃない?ベルちゃんが先に寝ちゃって…
ベル:そんな事ありましたね…
それで守君が寝ている間に私にイタズラをしようとしたからリサさんが止めてくれたんですよね。
リサ:そんな事しなかったわよ。
ベル:ええ!?守君が私にイタズラをしているのをリサさんは見て見ぬふりをしたんですか?
それって酷くないですか?
リサ:違うわ。そんな事をしなかったっていうのは守君がベルちゃんにイタズラをしなかったって事よ。
ベル:ええ?嘘でしょ?あの変態の守君ならバレるバレないの瀬戸際で変な事してそうなのに…
それとも守君にそう言うように言われたんですか?
リサ:そんな事ないわ。
あの時、守君は初めイタズラする気みたいだったけどベルちゃんが寝ているって知ったらさ。
急に興味が無くなったみたいで『疲れたからボクも寝る』って言い出したのよ。
ベル:本当ですか?
リサ:『あなたが寝ている女の子に何もしないなんて意外ね。
特にベルちゃんは小さい妖精だから
『ジョジョの奇妙な冒険』第一部のエリナの人形を取った悪ガキみたいに
服脱がしたらどうなっているか確かめようって言うと思ったのに』って聞いてみたのよね。
ベル:(やっぱり例えは『ジョジョ』じゃなきゃ気が済まないみたいね…)
それで守君はどう答えたんです?
リサ:『イタズラをして起きたら嫌われるし』っ答えたの。
私もそんな風に言われたんじゃ意地悪してやろうかしらって思って
『じゃぁ、起きないって確証があればやるんだ?』って聞いたらね
『う~ん…』って少し考えて…
ベル:考えて?
リサ:ふふ…気になる?
ベル:それはそんな風に言われたら気になりますよ~。
リサ『やりません。イタズラする気持ちがないかって言われたら嘘になるけれど
きっと今、イタズラしたらこれからずっと罪悪感が芽生えてしまって
ベルと真正面から話す事が出来なくなるから…』ってね。
ベル:そう…ですか…
リサ:ふふ。守君の事、ちょっと見直した?
ベル:でも、それを言えって言われたんですか?
リサ:逆よ。逆。『言わないで』って釘を刺されたわ。
ベル:本当ですか?
リサ:この話にはまだ続きがあってね。
凄くカッコイイ事を言っているから私もからかってやろうかと思って
『じゃ、代わりに私に何かする?秘密にするし、ベルちゃんにバレなかったら良くない?』
って聞いて誘ってみたのよね。
ベル:ええ?リサさんが!?
リサ:そう。そうしたらね…
リサ:『年上には興味ないんで』ってアッサリ言われたわ。
その上で『リサさんって実年齢、相当上なんでしょ?
波紋で歳を誤魔化している。リサって言うだけあって』
って言われた時には流石にノー波紋のオーバードライブを顎に決めたかったけどね。
だから、秘密にしてって言われたのを破っちゃったわ。守君ごめん(舌ペロッ)
ベル:ふふ…
でも、それは私と一緒に冒険をする上で壁を作りたくないからって事であって
好きであるかどうかは違うんじゃないですか?
リサ:あらら…そこまで疑う訳?
相当、守君の事信用がないのね。
ベル:う~ん…ないですね。
顔を合わせる度にバカな事を言って来たりセクハラじみたことを言われたりしているのに…
それで好きっていうのは…
あ、男の子が好きな女の子に構ってもらおうとしてその子にわざと意地悪するっていう話を聞いた事がありますね。
それでしょうか?
リサ:うう~ん…それとはちょっと違う気がするわね…
ベル:ええ?じゃぁどういう…
リサ:そうねぇ…あ、キャッチボールみたいなものかしらね?
ベル:キャッチボール?
リサ:守君はベルちゃんとキャッチボールしているのに
守君はわざと暴投したり、ゴロを投げたりしてベルちゃんを困らせるの。
でも、ベルちゃんは『何やってんだか…』『バカじゃないの?』って
文句を言う事はあってもちゃんとボールを投げ返すんじゃない?
ベル:それは…
無視はしませんよね…
でも、それはパートナーというだけであって…
リサ:それに対して甘えているんじゃないかしらね。守君は。
ベル:そう…でしょうか?
…。
!?
け、けど、守君は今、悩んでいる私を分かっていてほったらかしにしているんですよ!
好きなら普通そんな事しないですよ。
そんなどうでもいいみたいな事なんて!
そんなのおかしい!絶対におかしい!
リサ:そうかもね。
ベル:え?急に…
リサ:そりゃそうよ。
私よりもベルちゃんの方が守君と長くいるんだから私よりもベルちゃんの方が守君の事を分かっているでしょ?
ベルちゃんが守君が自分の事を想ってくれないと思うのならそうなんでしょう。
ベル:それは…
リサ:今まで言ったことは全部、私の勝手な想像だもの。
それがまだ確信でなくて半信半疑ならベルちゃん自身が確かめてみたらどうかしら?
ベル:は、はい…でも、リサさん色々と男の人の事をご存じなんですね。
リサ:そうねぇ…私も昔は…って私の昔話なんてどーでもいいの!
守君がベルちゃんの事をどう思っているか…
でも、それより問題なのは…
守:ベル~。女の人に『特急券』をあげたら『シードラストーン』をくれたよ!
リサ:守君、やっと来たわね。じゃ、二人とも頑張ってね~!応援しているわよ!
リサは去っていった。
守:出来るだけ期待に応えられるようにします。で、何を話していたの?
ベル:今までどんな事があったのかってだけよ。(リサさん私について…何を言おうとしたんだろう…)
[エスドリ2日記]
図書館に戻り、ステージ2へ…
守:ステージ4の『リモコンスイッチ』を欲しがっていた人がいたっけ?じゃ、行ってくるね~。
アラーム:お、ベルちゃん。久しぶりだね。
冒険の方は上手く行っているかい?
ベル:冒険だけに関しては…
アラーム:ん?冒険だけ?何かあったのかい?
と言っても、理由はおおよそ分かる気はするがな…
ベル:あ、守君の事ではないですよ。
アラーム:ん?彼の事ではないと?
ベル:私自身の事でして…
私、前の記憶を改ざんされているんですよ。
アラーム:記憶を改ざん?
ちとそれは、穏やかなじゃないな。どうしたんだい?
ベル:前の私は守君とは別のエスパーと一緒に本の問題解決の為に頑張っていて
私はそのエスパーの事を好きになってしまったんですが
そのエスパーは本の中の子を好きになってしまってそれで私は振られたんです。
前の私はそれがショックで立ち直れなくなって弱ってしまって…
それで、その記憶を消してもらって、その無くなった記憶に対して病気をしていたって事にさせられていたんです。
アラーム:前の記憶は?戻るのか?
ベル:いえ、本の神様が言うには取り返そうとされては困るからって消去したって…
アラーム:そうか…
辛いな…
ベル:…。
はい…
私もどうしたらいいのか…
アラーム:お前さんがこの世界の住人であれば
時間列車で過去にさかのぼる事も出来るんだろうが、それは出来んからな…
ベル:はい…
アラーム:ほんの少しだけ長く生きている私から言えば…
そうだな…
ベルちゃんはこれからどうしたいんだい?
ベル:私…ですか?
アラーム:それを決めねば動きようがないからな…
ベル:私は…
守:ベル~『リモコンスイッチ』あげたら『リッキーストーン』もらったよ!
アラーム:守!
守:ヒ!?ど、どうしたんですか?アラームさん。
アラーム:テメーちょっと面貸せや!
[エスドリ2日記]
守:な、何ですか~アラームさ~ん!
アラームに引っ張られる守。
ベル:守君!アラームさん何を!
アラーム:ベルちゃん。何も心配する事ないからね~。
ちょっとこの悪ガキに言いたい事を言ってくるだけだからね~。
ベル:二人で何をするのかしら?
もしかして…人は言えない事?
ってそんな事あるわけないよね…
暫くして二人はベルの元に戻った。
アラーム:これで大丈夫だからね!ベルちゃん!
守:…。(ゲッソリ)
アラーム:それじゃ、私は仕事に戻るから、二人ともこれから頑張るんだよ!
そう言ってアラームは去っていった。
ベル:二人で何を話していたの?
守:ベルが期待しているような事ではないよ。
ベル:わ、私だって男二人ならいつもそんな事考えている訳じゃないわよ。
守:そう?
ただ単にこれからの戦いに向けてしっかりしろって激励されただけだよ…
ベル:そうなの…
守:ガッカリした?
ベル:だからしてないってば!
[エスドリ2日記]
図書館に戻りステージ4へ…
守:じゃ、ストーン交換してくれる人を探してくるね。
ベル:行ってらっしゃい…
ネジくん:あ、ベルさん。
ベル:ネジくんは良い製品のネジにはなれそうなの?
ネジくん:まだまだ僕は未熟なので自分自身を磨き上げる毎日ですよ~。
[エスドリ2日記]
ベル:ネジくんはいいわね。ステキ夢があって生き生きしてるもの。
ネジくん:あれ?ベルさんにはないんですか?本の世界を守るっていうとても凄い目的があったではないですか?
ベル:仕事としてはね…でも、夢っていう訳ではないわ…というか色々と揺らいじゃって…
[エスドリ2日記]
ベル:だから、しっかりとした夢を持っているって羨ましくって…
ネジくん:だったら今から見つければいいんですよ。
ベル:今から…難しいわね…
ネジくん:自分自身でガッチリと噛みあうようなものを見つけるんです。例えばボルトとナットのように。
ベル:ボルトとナット?
[エスドリ2日記]
ネジくん:そうです。お互いが同じぐらいの大きさじゃないとピッタリと合わないんですよ。
ねじが入らなかったり、入ったとしてもグラグラしたり…
ベル:そんなにピッタリと合う物なんて見つかるのかしら?
ネジくん:案外身近にいるじゃないでしょうかね。
ベル:それが私と守君だって言いたいの?
ネジくん:ボクは別にそんな事は言ってません。何かあるんじゃないかって。
ベルさんがそう思うのならそうなんじゃないでしょうかね。
ベル:う…
でも、ないわよ。ないない。
リサさんにも何か私と守君をくっつけようとするような事を言われたけれど…
どう考えても全然、合わなくてグラッグラで不安定な関係よ。
ネジくん:少しぐらいグラグラであっても、互いに調整し合えばピッタリと合わせられると思うんですがね。
モンキーレンチのように相手に対して一方的に合わせるって事も可能ですけどね。
ベル:そうそう。守君は私に対して合わせようとして来ないから論外よ。論外。
私の気持ちなんて分かろうとしてないもの。
ネジくん:何かあったんですか?喧嘩とか?
ベル:喧嘩はしてないけど、守君が私の事なんてどうだって良いって感じかしらね。
ネジくん:どういう所でそういう風に感じたんです?
ベル:私ね。記憶を改ざんされたのよね。昔の記憶を。
それがあると私自身思い詰めて死んじゃうからって事で塗り替えられたの。
その記憶もなくなっちゃってどういうものか分からないの。
ネジくん:だったら良かったじゃないですか。
ベル:はぁ!?
そんな訳ない!!大事な思い出もきっとあったはず!
それが無くなって取り戻せなくなって良かったなんて!!
ネジくん:…。怖い…
ベル:…。
妖精の気持ちはネジくんには分からないのよね。
ネジくん:そんなに記憶って大事でしょうかね?
ベル:大事に決まっているじゃない!自分の生い立ち。辿ってきた道じゃない!
それを勝手に替えられたりして言い訳なんてないわ。
ネジくん:…。
ベルさんはボク達ネジの生い立ちって知ってします?
ベル:いえ…
ネジくん:ボク達ネジは製品の部品となりますが
錆びて役に立たなくなったら製品を解体されて分別され
ボクらネジは溶鉱炉で溶かされて再びネジとして生まれ変わるんです。
その時、前の記憶は一切ありません。
しっかりと製品が壊れるまで役目を果たした素晴らしいネジだったのかもしれません。
それとも、製品となって大きな衝撃でポッキリと折れた悲しいネジなのかもしれません。
生まれた時点でおかしかった不良品のネジだったのかもしれません。
前の記憶は一切ありませんけどボク達は新しいネジとなって
また製品となる為に頑張るんです。
ベル:それって悲しくないかしら?
ネジくん:ボクはそうは思いません。
偉大な過去だったかもしれないけど、取り戻せない物の事で考えていても仕方ありませんからね。
心機一転、自分を磨き、よりいいものを目指していくんです。
高みに向かって…
ベル:…。
強いわね。ネジさん達って…
私はそんな風に記憶が取り戻せないのは仕方がないだなんて簡単に割り切る事は出来ないわ。
ネジくん:そうですか…
考え方の1つだと思いますが…
今、ベルさんの手元にあるものだけで大事な物ってあると思うんですよね。
それと昔の失った記憶とどっちが大切かって考えるだけでも
これから大きく違ってくるんじゃないでしょうか。
ベル:…。
[エスドリ2日記]
守:ベル~。『メタルストーン』もらったよ。それってただの鉄鉱石なんじゃないかな?
ベル:そうね。
守:え?返しが普通過ぎるよ。
ベル:だって振りが普通過ぎるんだもの。となれば普通に返すしかないでしょ。
守:普通、普通って…傷つくわ~。
ネジくん:(ニコニコ)
[エスドリ2日記]
図書館に戻り、ステージ5の水晶村…
守:今、持っている物で誰か欲しがっているものがあるはず!最後のストーン!
守君は探しに出た。
ベル:ちょっと待って!私も一緒に!
星くん:あ、ベルさん…お母様が話があるって言ってましたよ。
ベル:私に?
(星くん、よそよそしい感じ…当然よね…出来ればここには来たくなかったんだけど…)
はぁ…
王妃の元に行く。
[エスドリ2日記]
ベル:星くんからよばれて来たんですがどういったご用件でしょう?
王妃:あなたは最低ね。
ベル:(開口一番がそれ?)
王妃:星くんから聞いたけれど『ギーラサウザン』が言っていたそうじゃない。
守さんと話をしていて『別の男でイチャつくのか』って…
あなた、交際している方がいてそれなのに星くんの告白を受けたって事なの?
どうして断らなかったの?それで後で告白の話はなかった事にって…
誰かの気持ちを弄ぶなんて酷い事だとは思わないの?
ベル:それは…
王妃:しかも、それで守さんに気があるような素振りまでしていたって話じゃない。
どこかで笑っているんでしょう?
また1人の男を惑わしてやったってね。
一体今までどれだけの男たちの心を傷つけて来たのかしらね。
ベル:違います!
王妃:何が違うっていうの?
ベル:そ、それは…
私が記憶を無くしていたからです!
王妃:何よそれ。嘘をつくのならもっとマシな…
ベル:嘘じゃありません!
私は前のエスパーと共に『ギーラサウザン』をやっつけているんです。
イチャついていたというのはその事を言っているんでしょう。
その時の私は、そのエスパーを好きになっていたんですけど
そのエスパー自身は本の世界の女の子に恋してしまって私は振られたんです。
それで傷心の私は、どんどんやせ細って死んでしまうんじゃないかってぐらい弱ってしまって
その時、『本の神様』が失恋の辛い記憶を消そうかと言ったら前の私が応じたらしいんです。
だから、私は気持ちを弄ぶなんて気持ちはありません!
王妃:なるほど、分かったわ!(キリッ)
ベル:え?
王妃:今まであった沢山の謎という点が次々とつながって真実という名の一本の線となったわ!(キリッ)
ベル:どうしたんです?(何、この推理ドラマとかアニメみたいな決め台詞…)
王妃:あなた、心を弄んでないって言ったわね。
ベル:ハイ。
王妃:あなたは今までエスパーとして頑張っていた。
だが、実は過去の記憶を『本の神様』から消されていた。
その事実を受けて、あなたは多大なショックを受けた。そうね?
ベル:はぁ…(何、この推理ドラマみたいなねっとりとした状況説明…)
王妃:それで深く落ち込んでいた。
そこへこの世界に来て星くん現れ、星くんは告白してきた。
あなたはそこで感動して、慰めてもらおうと思って
星くんの想いに応じたんでしょ?
ズバリでしょ?(キリッ)
ベル:違います。
王妃:は?
いやいや、違わないでしょ。ここに来て嘘なんかつかないで。
それだけ状況が揃っていればそうとしか思えないでしょ。
ベル:違います。
王妃:いや、今のはちょっとした私の勘違い。
今度は100%ね。
ベル:はぁ…
王妃:星くんから告白されて舞い上がっちゃって条件反射的に応じちゃったのよ。
ズバリでしょ?
ベル:違います。
王妃:そう。そう。そうよね。分かっているわ。
告白されて、あなたはコインを投げたのよ。それで表が出てたから応じたの。
ズバリでしょ?
ベル:2つ目から推理、雑過ぎでしょ…王妃様。
王妃:じゃ、じゃぁ…
ベル:記憶を消された事を知ったのは『ギーラサウザン』を取り逃がしたその後で
本の神様から聞いたのであって…
星くんから告白を受けた後の話です。
王妃:記憶を消されたこととと告白を受けた事と因果関係はないって事なの?
ベル:はい…
王妃:という事は…う~む…
ところであなた記憶を失ったってどうなの?
ベル:(あ、話逸らした…)
記憶はもう無くしてしまったようで取り戻しようがないんです。
王妃:それであなたはどうするの?
ベル:今まで問題を解決した所に回って色んな人から助言を頂きました。
励ましの言葉であったり、どうしたいいのか考えて頂いたり…
王妃:良い方ばかりに出会えてよかったじゃない。
ベル:でも…守君からは大した事を言われなくって…
王妃:どんな事を言われたの?
ベル:私のやりたい事を手伝うって…
それだけですよ。たったそれだけ!
もっと聞いたりすることはないのかって!
大丈夫?本当は辛いんじゃないの?
君が辛そうなのを見ていられないんだよ!
ぐらい突っ込んで聞いてくれたっていいんじゃないかって。
今までどれだけ私に世話になったのか全く分かってない。
数えきれないぐらいつまらない話に乗ってあげて来たのに
私が困ったときは何もしてくれない。
これは本当は私の事なんてどーでもいいと思っている証拠!
でなければ私を放っておくなんて事出来る訳がない!
普通じゃない!酷いと思いません?
王妃:確かに…ちょっと酷いわね。
ベル:でしょでしょ?
王妃:まぁ…そういう事ね…ふむふむ…
ベル:何がです?
王妃:今まであった沢山の謎という点が次々とつながって真実という名の一本の線となったわ!(キリッ)
さっきはわざと寄り道したけど、それはここたどり着くまでに敢えてした事でね。
ベル:(また始まった…王妃様の推理ショー)
王妃:やっぱりあなた最低よね。
ベル:はぁ?
王妃:何故ならそれは…
星くんの告白をあなたは応じた理由。
星くんから当時の状況を聞いたのも踏まえてね…
あなたは告白されて大いに戸惑った。
すぐ脇にいる守さんは大した反応をしてくれなかった。
それが不満だった。
ズバリでしょ?(キリッ)
ベル:…。
王妃:割ってきてほしかった。
それはちょっと困るって風にね。
けれど、守君は見守るだけで何もしてくれなかったから
星くんの告白に応じて守君の気持ちを揺さぶろうとした。
それで『ギーラサウザン』をやっつけた後も何もしなかったから
星くんと別れた…
あなたは守君に本心を出させようとして
丁度よく告白して来た星くんを利用しようとした。
これが最低と言わず何だというの?(キリッ)
ベル:…。
王妃:それを行って一体誰が幸せになったの?
ベル:…
王妃:もし、守君が本心を打ち明けてくれたのなら二人は幸せだろうけど
星くんはまず可哀想よね。
というより、星くんは分かれる事が確定していたのだから可哀想よ。
じゃぁ、その責任を取るってあなたが星くんと交際するようになったとして
あなたは幸せになれるの?
ベル:…。
王妃:というよりあなたは重度に構ってちゃんなのよ。(キリッ)
ベル:そ、そんな事は…
王妃:だってそうじゃない。
告白を受けた件だって、守君が行動を移してくれる事を期待した。
記憶を消されてからの事だって守君から自分に対して行動を起こしてくれるものだと期待した。
それを裏切られて怒っている。
これが構ってちゃんじゃなくて何なのかしらね?
ベル:それは…
王妃:それをやめる方法を教えて上げようかしら?
ベル:そんなのあるんですか?
王妃:簡単よ。私はツライって言って守君の胸に飛び込むの。
ベル:え…ええ!?
王妃:いつまでも歯ぎしりをして待っているつもりなの?
だったら自分から行動してしまうのよ。
ベル:ですけど自分からそんな風にするなんて何か…
王妃:えい!って勢いでやってしまえばいいのよ。
やってしまえば案外簡単な物よ。
それに、飛び込んだ時の反応で守さんが
あなたに対してどう思っているか知る事も出来るのよ。
ベル:え?
王妃:あなたの思わぬ行動できっと守さんは焦るでしょう。
その後でどうするのか?
『ちょっと困るよ』なんて言って突き放すのか?
『そんなに辛かったんだね。気付かなくてごめん』って優しく抱きしめてくれるのか?
なんて風にね。
あなたの事を本当に想っているのか?
それともただのスケベ心で一緒にいただけなのか分かるわ。
ベル:で、でも私はそんなに守君の事を好きじゃないので…
誤解を与えてしまうかも…
王妃:さっきまであんなに言っておいて今更…
ベル:か、仮に…仮にですよ!
私が守君の事を好きになったとしても
『本の神様』から妖精はエスパーに恋をするなって言われていますし…
王妃:それって単にあなたが前の記憶の時と二の舞になるのを避けたいがために
言っているだけで死ぬとか呪いを受けるって意味じゃないでしょ。
ベル:そうですけど…私としては…守君の事を…嫌いって訳ではないだけで
恋愛の対象としては…
王妃:面倒くさ…
ベル:え?
王妃:気にしてほしいけど私は好きじゃないって…
あなた、実に面倒くさいわ。
どこかのマンガの管理人みたい。
私が男ならあなたが飛び込んで来てもきっと避けるわね。
嫌だもの。
いつまでも自分の体裁ばかり気にして気持ちに正直になれない人なんかね。
悲劇のヒロイン気取り?いつか私を救い出してくれる?
そんな事をしていたら永遠に独りぼっちの置いてきぼりよ。
きっと前のエスパーさんもそんなあなたの面倒くささを嗅ぎとったんじゃないかしらね。
だから振ったのよ。私はそう思うわ。
ベル:う…
王妃:気持ちはどうあれ。一歩踏み出してみたらどうなの?
守さんがどういう反応をしてくれるか分かるしあなた自身も一皮剥けるかもしれないわよ。
ベル:そう…でしょうか?
王妃:もう私からあなたに言ってあげられることはないわ。
ベル:…。
[エスドリ2日記]
守君が戻って来る。
守:ベル~!
怪物のウロコを集めている人がいてあげたら『ギーラストーン』をもらったよ。
王妃:ホラ!守さん戻って来たわよ!
ベル:守君、あのね。私…
守:な、何?何か急に改まっちゃって…
ベル:あのね…私…
待ちくたびれたわ!どれだけストーン集めに手間取っているのよ!
早くSTAGE 4にって新しいスーツを作ってもらわないと
『ギーラサウザン』に奪われた最後の指輪取りに行けないでしょ!
守:う、うん。
ベル、何か張り切っているね…
元気になってくれてよかった。
ベル:ダメな守君を引っ張っていくのが私の役目!
いつまでも落ち込んでいられないわ!
遠くで二人を見ている王妃。
王妃:…。
あの子…バカね…
NEXT >>>>>>>>
Page 22 「いざ最後の戦いへ…『謎の男』登場。奪われた指輪」の巻:STAGE LAST
目次 (リスト)
[エスドリ2日記おまけ]
守:ベル、明後日がどんな日か知ってる?
ベル:急に何の事?
守:今日が6月16日だけど
何とその6月16日は『
エスパードリーム2 ~新たなる戦い~』の発売日なんだよ。
1992年の発売だから24周年って訳さ。
ベル:24周年って…半端ね。
普通20周年でキリが良くとかせめて四半世紀って事で25周年とかじゃない?
しかも明後日であって日付すらあってない適当過ぎじゃない?
守:仕方ないよ。この日記の作者がプレイし始めたのが去年なんだから。
髭人:……。
ベル:無理矢理、解釈するのなら干支が2回りっていうのがキリがいいのかもね。
守:確かにね。
さて、このプレイ日記もここからがクライマックス!
ベル:ここからが!大事な所ですよ~!
それにしてもプレイ日記の登場人物である私達がそんなメタ発言していいのかしらね。
守:24周年の『お祝い』って事で特別だからいいんじゃない?(震え声)
ベル:特別ねぇ…
そういえば普段バカな事を言っているのに今日は特別って事なのか何なのかちょっと真面目過ぎない?
何か体が痒くなりそうなんだけど…
守:今日の日記の流れに合わせてシリアスモードだったんだけど…
ベル:シリアスというかあんまり出てこなかったじゃない。
みんなに任せちゃってて。
守:そうだね。じゃぁ…普段通りのボクのノリで行くのなら…
ねぇ。ベルさ。心からのお願いがあるんだけど…いい?
ベル:なあに?(この流れでお願いって何かしらね…ちょっと緊張する)
守:取り敢えず脱ごっか?
ベル:は?(憤怒)
守:いや、24周年なんだから特別な事をしないと…
そう考えるとサービスショットがいいかなってね。
よくあるじゃない。カワイイキャラのセクシーポーズ的な…
だからベルが水着になったり露出していくっていいかなってね。うん。
だから脱ごうぜ!
ベル:嫌よ。
守:そこを何とか…24周年だし
ベル:そればっかりだけど嫌よ。何でそんな事をわざわざ…
というか、仮に…仮にだけど私がここで脱いだとして嬉しいの?
守:そりゃ最高でしょ!
ベル:守君にはいいかもしれないけれど
だってこれを見ている読者には分からないじゃない。
絵師がいて私を描いてくれれば別だけど
守:そうかな?ここで恥じらっているベルを想像すると結構楽しいよ。
ベル:想像で?レベル高いわね…
守:でも、絵師っていうのは確かに言えているね。
来たれよ絵師!ベルのセクシーショット描いて!
ベル:バカね。
こんな妄想プレイ日記に付き合ってくれる暇人なんているわけじゃないじゃない。
守:来たれよ絵師!ベルのセクシーショット描いて!
ベル:話を聞きなさいよ!
それはともかく、このプレイ日記も後、残すところ数話です。
楽しみにされている奇特な方はもう少しだけお付き合いくださいね~。
守:来たれよ絵師!
ベル:必死過ぎ(ドン引き)
あんまりしつこいと怒るわよ。
守:ゴメンナサイ…
でも、ボクの心からの叫びは伝えられた!!
ベル:何、カッコ良く言ってんの?
内容酷いのに!!