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支え合う地域社会に向けて

2010-01-20 | いってきました
 
 信州上田の「反貧困 くらしと雇用を守る上小ネットワーク」の方から、年末年始の取り組みの掲載された「しんぶん 陽だまり」を送っていただきました。
 憲法25条実現のための最前線である、その一部をご紹介します。

「支え合う地域社会に向けて」life support house in 信州上田 09年12月30日~10年1月3日
  こぬかを食べて二年余

 炊き出しの時間になるといつの間にか現れ、話しかけても何の反応もない。ひたすら食べて、またいつの間にかいなくなる。気になって仕方のない存在だった。久保木代表も何とか話す機会をうかがうが思うようには行かない様子。

 苦肉の策でS君に頼む。彼自身が生活保護を受けながら求職中である。これが功を奏した。話し始めれば「垣根」はとれる。腹いっぱい食べたあとで健康チェック。医療生協の看護士さんが優しく丁寧に語りかけ、心をほぐしながら食べ物の状態や健康状態をチェックしていく。それとなく見ていたが「さすがプロ」だ。

 びっくりしたのは食べ物のこと。ホームレスになり千曲川の河川敷にテントを張って生活し二年余りになるという。その間の主食は精米所からこぬかを拾ってきて、わずかばかりの小麦粉を混ぜて練り、薄いパン状態にして焼いて食べていたという。銀杏の実が熟す頃には銀杏を、クルミが熟す頃にはクルミを練りこんでいたという。

 近年ではこぬかを健康のために食べる人もいるというが、それはあくまで極少量だし、精米した直後の真新しいものに限られる。ホームレスの人の間では結構何がしかの収入を得てそれなりのものを食べている場合が多いが、この人の場合はかなり特殊のように思える。

 何故そうなのか。ホームレスになった事情について未だ詳しく語らない中では確たることは言えないが、たった一言「棄てられた」と語った時、彼の顔が少しゆがんだように見えた。

   支援は難しい!

 マイナス6℃までは耐えられると豪語していた彼も、血圧220には参ったらしい。病院に行き診療を受けたあと「生活支援の家」に入居することになった。しかし、数年にもわたって孤独な暮らしを過ごし、あらゆる事を酒で紛らわせてきた彼にとって、たとえ三人程度であっても集団生活は苦しく、まだまだ不安の残っている中では酒で紛らわせて眠る事が必要だったのかもしれない。

 突然「テレビを見せろ!正月くらい酒を飲ませろ!」と大声で要求し始めた。断固として拒否すると、帰るという。血圧の事を考えると、一段と冷え込みそうな事が心配ではあったが引き止めることはせず、夜間の見回りで注意することとした。

 午前零時、冷え込んでいる中でパトロールスタッフが「明日は来るように」と声をかける。温かい一夜とテントでの暮らしとの狭間で随分と葛藤があったのかもしれないが、翌日は姿を見せた。これで何とかなる、そんな思いが一気に膨らんだ。


  詳しい事を知りたい方は、0268-22-9730 上田市小牧1162-4 こぶし会館内 「生活と健康を守る会」にご連絡下さい。
 

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