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井上ひさしさんの志を受けついで「九条の会講演会」

2010-06-20 | いってきました
 6月19日(土)13:30から日比谷公会堂で行なわれた「井上ひさしさんの志を受けついで『九条の会講演会━日米安保の50年と憲法9条』」に、沖、田中、佐藤で行ってきました。
             
                            

 日比谷公園の中をずーっと長蛇の列が続いてやっと入場した公会堂は、1階も2階も満席で、全国からこの日のために参集した方々で大変な熱気です。講演会は高田健さんと渡辺治さんの開会の言葉で始まりました。

            
                        井上ゆりさん

 まず最初は、九条の会の呼びかけ人の作家、大江健三郎さんのお話しです。
大江さんは、岩波ブックレット「加藤周一の心を継ぐために」を紹介され、「志」と「心」の意味の違いを説明されました。また、昨年のこの「九条の会講演会」で、井上ひさしさんが「日本の憲法は自分の友達の1人だ。9条・25条は親友なので、裏切る事はできない。これが加藤さんの志を継ぐということ」と話されたことを大江さんの言葉で思い出しました。惜しい人が次々と旅立ってゆかれます。

 日本は憲法九条を持っているが、守っているだろうか。平和を守ることができるかどうか、この内面のせめぎあいは生きている限りあると言われる大江さんは、この日の朝日新聞に報道されていた日米安保50年の中の、沖縄のこと、沖縄の基地をターゲットとして中国がミサイルを拡充している現実を説明されました。

鳩山前首相までが、沖縄の基地が戦争の抑止力になるなどと言いましたが、どう考えてもそれは逆で、戦争準備のための基地こそ相手国から一番先に狙われることは明白です。
 9・11事件の直後に、全国の学校は急遽、修学旅行先を沖縄から他県に変更しました。沖縄の基地が日本を守ってくれるために存在しているのだと言うのなら、一番安全なのは沖縄であるはずなのにです。

  その次に登壇した九条の会呼びかけ人、憲法学者の奥平康弘さんは、井上ひさし作『ムサシ』の中の平和のメッセージ「武士は刀を取ってはいけない」という言葉を紹介されました。

  世界に広がっていく憲法九条が、イラク違憲判決のような裁判所にさえ反映するようになってきた。九条の会発足当時は、もう6年後には明文改憲されているのではないかと想像していたが、強行採決された「国民投票法」も未解決条項が多くて実行できていない。
この世界の変化、流れに乗ってオバマ政権にも何とか平和のメッセージを伝えたいと話されました。
21世紀こそ、国際紛争は武力ではなく、人類の英知により解決する方向に行くべきではないでしょうか?

 休憩のあとは、山形県の演劇学校の教頭で、舞台活動や市民劇場などの演劇活動をされている佐藤修三さんが、井上ひさしさんの「吉里吉里人」の一節を朗読されました。
温かい方言による井上さんの平和のメッセージが会場に響き渡り、とても感動的でした。

              

最後は、澤地久枝さんです。全国、7500の九条の会は、モグラたたきのようにやられてもやられても後から出てくるし、モグラとモグラがネットワークを作れば決してやられないとの力強いメッセージは、心に響きます。

亡くなった人たちの思いを引き継いで、井上さん作「組曲虐殺」の小林多喜二のように“後に続くものを信じて走れ走れ”との言葉を胸に、私たちは緑いっぱいの日比谷公園を後にしました。(文責/佐藤)

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