バンコクに於ける9月19日政変について,在タイ日本国大使館の発表
(一部,表記・改行等,変更)
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【タイにおけるクーデター】 9月20日午前2時30分
19日夜発生したタイのクーデターでは、陸軍司令部、アナンタサマーコム宮殿、チットラダー宮殿等に戦車等が配置されている模様ですが、民間車両も通行しており、全般的に大きな混乱は起きていません。
しかしながら、タイに滞在中の日本人の方は、念のため、自宅・ホテル等安全な場所に待機して下さい。特に宮殿、首相府、官公庁等周辺には事態が収拾するまで近寄らないようにして下さい。
在タイ日本国大使館
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タイ政変について(第2報)9月20日10時00分現在
(各種施設・機関等の状況)
当館でバンコクの主な施設・店舗を確認したところ以下のとおりです。
1 空港:航空機、入管通常通り、空港へのアクセス道路も規制無し。
2 観光警察:通常通り
3 銀行・証券:休業
4 在タイ日本国大使館:通常通り
5 BTS、地下鉄:通常通り(但し、軍隊の監視有り)
6 病院:通常営業(バンコクゼネラル病院、バムルンラード病院、サミティベート病院確認済み)
7 道路規制:首相府前のピッサヌローク通り通行止め
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タイ政変について(第3報)9月20日12時00分現在
(日本大使館からのお知らせ)
1.これまでの経緯
(1)19日午後、ルアンロート最高司令官、ソンティ陸軍司令官をはじめとする陸海空3軍司令官等は、チトラダ宮殿に集合するとともに、国王を元首とする「民主主義当地改革評議会」を設置、統治権を掌握し、国王に奏上しました。同評議会の議長にはソンティ陸軍司令官が就任しました。
(2)戦車を含む部隊が国会、首相府付近に展開しましたが、武力行使はなく、平穏のうちに評議団布告がTV各局の緊急放送として放映されました。市内の情勢は平穏であり、日本人の方の被害は報告されていません。
(3)翌20日を臨時休日とすることが当地改革評議会により宣言され、銀行や証券市場も休みとなり、日本人学校なども休校しています。なお、20日12時00分現在、バンコク(ドンムアン)国際空港は通常どおり運営されており、バンコク中心部から同国際空港までの高速道路も閉鎖されているとの情報はありません。
2.19日の政変発生から、民主主義統治改革評議会が、TV局を通じて以下の概要の布告ならびに通達を発出しています。特に、布告第7号では、治安維持のため5人以上の政治集会をタイ全土で禁止し、違反者には最長6ヶ月の禁固刑を科すとのことですので、集会等に参加したり近づいたりしないように注意してください。
布告第7号 19日戒厳令を発出したことに伴い、当面の間、5人以上の政治集会を禁止。
布告第8号 この状況に乗じた売り惜しみと値上げの禁止。
布告第9号 国連憲章と条約を遵守し、各国との友好関係を維持し、条約義務を履行。タイ国内の外交団、外国人の保護を保証。
布告第10号 マスコミに対し、国家の危機に際して事実に関する報道を呼びかけ、状況の回復について協力を要請。
3.この政変に伴い、日本外務省は、20日渡航情報を見直しました。バンコク都内は、危険度を「十分注意」から「渡航の是非を検討してください」に引き上げられましたので、詳しくは外務省海外安全ホームページをご参照ください。
www.anzen.mofa.go.jp 外務省 海外安全ホームページ
www.th.emb-japan.go.jp 在タイ日本国大使館ホームページ
在タイ日本国大使館
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一時期,既に米国を出国と報道されたりしたタクシン・シナワット首相ですが,現在の消息は分からないそうです。一説には,既にロンドンへ向けて出国したという話もあります。家族については,政変発生の直前にシンガポールへ向けて出国したとの報道もありました。
なお,標題の「パティワット」ですが「革命(現政権を倒し,憲法の改正を行う)」と言う意味だそうです。日本では「クーデター」(タイ語では「ラッタ・パハーン(現政権を倒すこと)」)と報道されていますが,今回の件に関しては,軍自身が「パティワット」と言う語を使っていると言うことです。(大川さん,参考にさせていただきました)