Go straight till the end!!

世界一周の旅の思い出を綴っています。
ブログタイトルは、出発前に旅日記の表紙に書いた言葉です。

(89)ベオグラード②(セルビア)

2010-05-29 23:07:00 | 旧ユーゴの国々
 Belgrad ( Beograd )(ベオグラード)では、NATO (北大西洋条約機構)によるセルビアモンテネグロコソボに対する空爆(アライド・フォース作戦)(1999年)の跡が見られた。

 (写真は空爆された政府庁舎)



 当時Jリーグで、ドラガン・ストイコビッチ氏(現名古屋グランパスエイト監督)がアンダーシャツに【 NATO STOP STRIKES 】と書いて抗議の意を表明していたが、平和な国日本では温度差があったような気がする。
 他にも、モンテネグロ出身の選手達が遺憾の意を表明していた(ゼリコ・ペトロビッチ(浦和レッドダイヤモンズ)ネナド・マスロバル(アビスパ福岡)アント・ドロブニャク(ガンバ大阪))。当時モンテネグロはユーゴスラビアから分離・独立前だった。

 彼らが抗議したのは、民間人も被害を受けていたからだ。
 【二頭の象が戦うとき、傷つくのは草だ】というケニアの諺(同じような諺は他の国にもある)を思い出した。
 故ミロシェヴィッチ(スロボダン・ミロシェヴィッチ)大統領の行ったことは許されるものではないかもしれないが、結局のところ被害を被るのは一般市民だ。



 前述の軍事博物館では、空爆で使用された爆弾の不発弾(爆発部分を取り除いたもの)を展示していた。
 トマホーク(巡航ミサイル)や AGM-88(対レーダーミサイル)、停電爆弾( Graphite bomb )(クラスター爆弾の一種)などがあったが、クラスター爆弾は不発弾が多い為、世界的に使用禁止への流れがある。
 また、セルビア側の砲撃で3台の F-117(ステルス攻撃機)が撃墜されたらしく、そのうちの1台の写真も展示されていた。



 この時、誤爆されたという中国大使館にも行っている(不気味すぎて写真を撮る気になれなかった)。
 廃墟と化した建物がそのまま残されていた。中国側の無言の抗議の姿なのかもしれない。
 辺りに建物が密集しているわけでもなく、誤爆というのは正直信じがたいと感じた。
 アメリカ側の言い分は、古い地図を元にした為、軍の施設だと誤って判断したからだと言うことらしい。
 
 軍事博物館の職員の話では、ユーゴ紛争時に、中国はセルビアに武器を輸出しており(ライフル1丁=$15)、アメリカはクロアチアに輸出していたらしい。実は誤爆ではなく、中国を威嚇(いかく)したのかもしれないと思った。
 あるいは他に理由があるのかもしれない。様々な憶測が飛び交ったが、真相は分からないままだ。

※中国大使館誤爆事件の責任者ウィリアム・J・ベネット氏はこの事件の責任を取る形で CIA を解雇されたが、昨年暗殺された。

※地図はこちら


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