Erfoud ( Arfoud )(エルフード)で1泊した後、エルフードの南20kmの街、Rissani (リッサニ)へと向かった(バスで1時間)。
サハラ砂漠に向かう前の最後のオアシスだ。
ここで、二人の日本人旅行者(男女)に出会った。自分を含め皆バラバラに行動していたのだが、偶然に一緒になった。前世で縁のあった人達なのかもしれない(笑)。
この街も客引きはしつこく、嫌な気持ちになったが、一人だけ物静かな初老の客引き(ベルベル人)がいた。名前を Mr.アリと言う。
彼が言うには、ベルベル人とは【バルバルス】(野蛮人)という意味の蔑称だから Amazigh (アマズィール)と呼んで欲しいそうだ。
リッサニからサハラ砂漠の村 Merzouga (メルズーガ)までは35km。現在は道路が舗装されているそうだが、当時はデコボコ道をミニバスで2~3時間かけて走ったような気がする。
行きのミニバスでは、車中は暑いと判断し、ルーフ(屋根の上)に乗車した。風を受けていけば涼しいと思ったからだ。
ところがこれが大きな間違いだった。砂漠の風は熱く、鼻が焼けるようだった(信じてもらえないかもしれないが)。
アリの宿に到着した後、アリの案内で近所を散策した。メルズーガはシェビ大砂丘の近くにある。
ちなみに【サハラ】の語源は、アラビア語の【サーラ】(荒れ果てた)から来ているらしい。
この地はちょっとしたオアシスのようだった。僅かばかりの畑には作物が植えられていた。
水汲み場には数km先の村から女性や子供達が水を汲みに来ていた(水汲みは女性と子供の仕事らしい)。
すると突然、目の前にフランス人団体旅行者達が現れた。ツアーの客達らしい。
ガイドが水汲み場の説明を終えると、ツアー客達が一斉に写真を撮り出した。
カメラを向けられた小さな女の子がムッとした表情を見せた。
そんなのお構いなしに一方的に写真を撮りまくる団体客達。一通り写真を撮り終えた後、彼らは去って行った。
所要5分にも満たないであろうわずかの時間に、非常に暴力的な何かを感じた。
おそらく、それはこの水汲み場で幾度となく繰り返されてきた光景なのだろう。
蛇口をひねれば水が出る国から来た団体客と、水を汲む為に数km先から砂漠の道を歩いて来る女の子達。
もしツアー客達が「写真を撮らせてもらえないか」と女の子に尋ねたら、彼女は何と答えただろう。
実は自分も写真を撮らせてもらいたかったのだが、この後頼む気にはなれなかった。
砂漠の暑さは半端ではない。室内でも日中50℃近くまで温度(気温)が上がる。
宿でじっとしていても玉のような汗が流れてくる。水シャワーを浴びれば一時気持ち良くなるが、すぐに汗だくになるのであまり意味はない。しかもここでは、水は貴重なので何度もシャワーを浴びるわけにはいかない。
夕方涼しくなるまで待ってから再び周辺を散策した。
村の外れで男達がサッカーをしていた。足場の悪いグランドだが、ボールコントロールが上手かった。
夜になると楽しい時間が始まる。
みんなで食事をしながら、会話を楽しんだ。
ここの主役はアリだった。時にジョークやクイズで場を盛り上げ、時に哲学的な話をして皆を惹(ひ)き込んだ。
砂漠の民たちは、昔からこうやって夜の食事をしながら語り合ったのだろう。砂漠の中で火を囲みながら。
せっかくなのでアリの話を紹介させて頂く。
(アリの言葉)
・心から働け
・バランスが大切
・感謝・満足できないことはするな
・その人にとっての愛は一つだ
・誰かを好きになって、その為に「~しなければならない」というのではいけない
(アリのクイズ)
・あるところに砂丘を上る蟻(あり)がいた。昼に5m上るが、夜休んでいる間に砂が崩れて4m下がってしまう。この蟻が20mの高さの砂丘を上るのに何日かかる?(解答はこの記事の最後に記載)
他にもいろいろあるが、とりあえず一部を紹介させて頂いた。
そんなこんなで、眠くなるとみんなで屋上に行って横になった。
満月だったが、それでも星が綺麗に見えた。太古の昔、人類は皆この美しい星空を見ることが出来たのだ。
眠りにつこうとした時、厄介な存在に気がついた。蠅だ ‼
ブランケットをかけていたが、さすがに顔にかける気にはならなかった。するとその顔めがけて蠅がやって来るのだ。
手で追い払うと他の旅行者の顔めがけて飛んでいく。するとその旅行者に追い払われて他の旅行者の顔に移動する・・・
これを繰り返す間に、眠気が勝って寝てしまうのだった。
※アリの話では、こちらの蝿は血を吸うこともあるらしい。
朝は陽の光によって目覚める。
「神は光なり」と旅日記に書いてある。あの時と同じだ。
午前中に周辺を散策し、昼間は宿で暑さをじっと耐える。夕方に近所のサッカーを見に行って、夜にアリと談笑する。この繰り返しだった。
メルズーガに3泊した後、先へと進むことにした。
砂漠の村とアリの話は非常に魅力的だったが、とにかく暑さに耐えられなかったというのが本音だと思う。
※地図はこちら
※アリのクイズの答え→16日
サハラ砂漠に向かう前の最後のオアシスだ。
ここで、二人の日本人旅行者(男女)に出会った。自分を含め皆バラバラに行動していたのだが、偶然に一緒になった。前世で縁のあった人達なのかもしれない(笑)。
この街も客引きはしつこく、嫌な気持ちになったが、一人だけ物静かな初老の客引き(ベルベル人)がいた。名前を Mr.アリと言う。
彼が言うには、ベルベル人とは【バルバルス】(野蛮人)という意味の蔑称だから Amazigh (アマズィール)と呼んで欲しいそうだ。
リッサニからサハラ砂漠の村 Merzouga (メルズーガ)までは35km。現在は道路が舗装されているそうだが、当時はデコボコ道をミニバスで2~3時間かけて走ったような気がする。
行きのミニバスでは、車中は暑いと判断し、ルーフ(屋根の上)に乗車した。風を受けていけば涼しいと思ったからだ。
ところがこれが大きな間違いだった。砂漠の風は熱く、鼻が焼けるようだった(信じてもらえないかもしれないが)。
アリの宿に到着した後、アリの案内で近所を散策した。メルズーガはシェビ大砂丘の近くにある。
ちなみに【サハラ】の語源は、アラビア語の【サーラ】(荒れ果てた)から来ているらしい。
この地はちょっとしたオアシスのようだった。僅かばかりの畑には作物が植えられていた。
水汲み場には数km先の村から女性や子供達が水を汲みに来ていた(水汲みは女性と子供の仕事らしい)。
すると突然、目の前にフランス人団体旅行者達が現れた。ツアーの客達らしい。
ガイドが水汲み場の説明を終えると、ツアー客達が一斉に写真を撮り出した。
カメラを向けられた小さな女の子がムッとした表情を見せた。
そんなのお構いなしに一方的に写真を撮りまくる団体客達。一通り写真を撮り終えた後、彼らは去って行った。
所要5分にも満たないであろうわずかの時間に、非常に暴力的な何かを感じた。
おそらく、それはこの水汲み場で幾度となく繰り返されてきた光景なのだろう。
蛇口をひねれば水が出る国から来た団体客と、水を汲む為に数km先から砂漠の道を歩いて来る女の子達。
もしツアー客達が「写真を撮らせてもらえないか」と女の子に尋ねたら、彼女は何と答えただろう。
実は自分も写真を撮らせてもらいたかったのだが、この後頼む気にはなれなかった。
砂漠の暑さは半端ではない。室内でも日中50℃近くまで温度(気温)が上がる。
宿でじっとしていても玉のような汗が流れてくる。水シャワーを浴びれば一時気持ち良くなるが、すぐに汗だくになるのであまり意味はない。しかもここでは、水は貴重なので何度もシャワーを浴びるわけにはいかない。
夕方涼しくなるまで待ってから再び周辺を散策した。
村の外れで男達がサッカーをしていた。足場の悪いグランドだが、ボールコントロールが上手かった。
夜になると楽しい時間が始まる。
みんなで食事をしながら、会話を楽しんだ。
ここの主役はアリだった。時にジョークやクイズで場を盛り上げ、時に哲学的な話をして皆を惹(ひ)き込んだ。
砂漠の民たちは、昔からこうやって夜の食事をしながら語り合ったのだろう。砂漠の中で火を囲みながら。
せっかくなのでアリの話を紹介させて頂く。
(アリの言葉)
・心から働け
・バランスが大切
・感謝・満足できないことはするな
・その人にとっての愛は一つだ
・誰かを好きになって、その為に「~しなければならない」というのではいけない
(アリのクイズ)
・あるところに砂丘を上る蟻(あり)がいた。昼に5m上るが、夜休んでいる間に砂が崩れて4m下がってしまう。この蟻が20mの高さの砂丘を上るのに何日かかる?(解答はこの記事の最後に記載)
他にもいろいろあるが、とりあえず一部を紹介させて頂いた。
そんなこんなで、眠くなるとみんなで屋上に行って横になった。
満月だったが、それでも星が綺麗に見えた。太古の昔、人類は皆この美しい星空を見ることが出来たのだ。
眠りにつこうとした時、厄介な存在に気がついた。蠅だ ‼
ブランケットをかけていたが、さすがに顔にかける気にはならなかった。するとその顔めがけて蠅がやって来るのだ。
手で追い払うと他の旅行者の顔めがけて飛んでいく。するとその旅行者に追い払われて他の旅行者の顔に移動する・・・
これを繰り返す間に、眠気が勝って寝てしまうのだった。
※アリの話では、こちらの蝿は血を吸うこともあるらしい。
朝は陽の光によって目覚める。
「神は光なり」と旅日記に書いてある。あの時と同じだ。
午前中に周辺を散策し、昼間は宿で暑さをじっと耐える。夕方に近所のサッカーを見に行って、夜にアリと談笑する。この繰り返しだった。
メルズーガに3泊した後、先へと進むことにした。
砂漠の村とアリの話は非常に魅力的だったが、とにかく暑さに耐えられなかったというのが本音だと思う。
※地図はこちら
※アリのクイズの答え→16日