※(200)キルローナン(アイルランド)のおまけ記事
映画『フィオナの海』(ジョン・セイルズ監督)(原題“ The Secret of Roan Inish ”)を紹介したい。
残念ながら、この映画のDVDは販売されていない(VHS(ビデオ)のみ販売)。
※動画はこちら
この映画は、ケルトの古い伝説をモチーフに描かれている。
舞台は1940年代のアイルランド北西部の侘(わび)しい島ローン・イニッシュ島。
※(注)ここから下はあらすじになります(ラストまで書いていますので閲覧注意)。
主人公の十歳の少女フィオナは、都会で働く父親から漁師の祖父母の元に預けられる事になった。
沖合に見えるローン・イニッシュ島。そこは、かつて彼女の一家が暮らしていた島だった。
フィオナが幼い頃のこと。母親が亡くなり島を離れることになった際、フィオナの弟ジェイミーが揺籠(ゆりかご)に乗ったまま波にさらわれて行方不明になっていた。
今ではこの島は無人島になり、アザラシの島になっている。
「夜にこの島に何かが光るのを見た者がいる」と聞かされたフィオナは夜になると島に目を凝らす。すると確かに光が点滅している。
祖父ヒューはフィオナに色々な話を聞かせる。
嵐の海でアザラシに助けられた先祖の話や、不思議な力で海にさらわれたフィオナの弟ジェイミーの話を。
フィオナは「揺籠に乗って海を漂うジェイミーをローン・イニッシュ島の近くで見た者がいる」と従兄弟のイーモンから聞かされる。祖母テスはそんな迷信めいた話にいい顔をしないが、フィオナはジェイミーが生きている事を信じ、いつかみんなで島に戻るべきだと思う。
そして、彼女は祖父とイーモンと共にローン・イニッシュ島を訪れた。すると一家の昔の家にはなぜか人の気配が。
更に彼女は野原を裸で駆け回るジェイミーの姿を見た。彼は海に浮かべた揺籠に乗ってアザラシと共に逃げ去る。
ある日、フィオナは祖父母と一緒に街に買い物に出かけて、タッドという黒髪の不思議な男に出会う。父の従兄弟である彼は村の人から変人扱いされているらしい。
タッドはフィオナに「コネリー家(自分達)の祖先にはアザラシの妖精セルキーと結婚した青年がいる」という話を聞かせる。その時から、コネリー家には妖精の血を濃く受け継いだ黒い髪の者が生まれるようになり、ジェイミーもその中の一人だという。
その後もフィオナはローン・イニッシュ島へ出掛けてジェイミーを見かけるが、ジェイミーはすぐに逃げてしまう。
フィオナはこのことを祖父とイーモンに話すが、祖母には言わないようにと口止めされる。
そうこうしている間に、今住んでいる借家を近いうちに立ち退かならければならなくなった。
今まで海と共に生きてきた祖父にとって、海岸から離れることのショックは大きい。
フィオナはそれなら島に帰るべきだと考え、「家族が島に戻ればきっとジェイミーも島に帰って来るだろう」とイーモンを説得して密かに島に通い、二人で昔の家を修理する。
ある日の午後、嵐が近付いていることでジェイミーの身を案じたフィオナは、ついに祖母にジェイミーが生きていると打ち明ける。
すると祖母は人が変わったように「すぐに島に連れていきなさい」と言う。
島に着き、祖父母は二人の孫が家を綺麗に修理したことを知り、再びここに住もうと思う。
夜になると、アザラシに導かれたジェイミーが家族の待つ浜辺に戻ってきた。
妖精の話を迷信として片付けてしまっていたならば、この物語は別の結末を迎えていただろう。
フィオナの言葉を信じた祖父母の存在がこの映画を素晴らしいものにしている。
ジェイミーの逃げ去るシーンが忘れられない名作だ。
映画『フィオナの海』(ジョン・セイルズ監督)(原題“ The Secret of Roan Inish ”)を紹介したい。
残念ながら、この映画のDVDは販売されていない(VHS(ビデオ)のみ販売)。
※動画はこちら
この映画は、ケルトの古い伝説をモチーフに描かれている。
舞台は1940年代のアイルランド北西部の侘(わび)しい島ローン・イニッシュ島。
※(注)ここから下はあらすじになります(ラストまで書いていますので閲覧注意)。
主人公の十歳の少女フィオナは、都会で働く父親から漁師の祖父母の元に預けられる事になった。
沖合に見えるローン・イニッシュ島。そこは、かつて彼女の一家が暮らしていた島だった。
フィオナが幼い頃のこと。母親が亡くなり島を離れることになった際、フィオナの弟ジェイミーが揺籠(ゆりかご)に乗ったまま波にさらわれて行方不明になっていた。
今ではこの島は無人島になり、アザラシの島になっている。
「夜にこの島に何かが光るのを見た者がいる」と聞かされたフィオナは夜になると島に目を凝らす。すると確かに光が点滅している。
祖父ヒューはフィオナに色々な話を聞かせる。
嵐の海でアザラシに助けられた先祖の話や、不思議な力で海にさらわれたフィオナの弟ジェイミーの話を。
フィオナは「揺籠に乗って海を漂うジェイミーをローン・イニッシュ島の近くで見た者がいる」と従兄弟のイーモンから聞かされる。祖母テスはそんな迷信めいた話にいい顔をしないが、フィオナはジェイミーが生きている事を信じ、いつかみんなで島に戻るべきだと思う。
そして、彼女は祖父とイーモンと共にローン・イニッシュ島を訪れた。すると一家の昔の家にはなぜか人の気配が。
更に彼女は野原を裸で駆け回るジェイミーの姿を見た。彼は海に浮かべた揺籠に乗ってアザラシと共に逃げ去る。
ある日、フィオナは祖父母と一緒に街に買い物に出かけて、タッドという黒髪の不思議な男に出会う。父の従兄弟である彼は村の人から変人扱いされているらしい。
タッドはフィオナに「コネリー家(自分達)の祖先にはアザラシの妖精セルキーと結婚した青年がいる」という話を聞かせる。その時から、コネリー家には妖精の血を濃く受け継いだ黒い髪の者が生まれるようになり、ジェイミーもその中の一人だという。
その後もフィオナはローン・イニッシュ島へ出掛けてジェイミーを見かけるが、ジェイミーはすぐに逃げてしまう。
フィオナはこのことを祖父とイーモンに話すが、祖母には言わないようにと口止めされる。
そうこうしている間に、今住んでいる借家を近いうちに立ち退かならければならなくなった。
今まで海と共に生きてきた祖父にとって、海岸から離れることのショックは大きい。
フィオナはそれなら島に帰るべきだと考え、「家族が島に戻ればきっとジェイミーも島に帰って来るだろう」とイーモンを説得して密かに島に通い、二人で昔の家を修理する。
ある日の午後、嵐が近付いていることでジェイミーの身を案じたフィオナは、ついに祖母にジェイミーが生きていると打ち明ける。
すると祖母は人が変わったように「すぐに島に連れていきなさい」と言う。
島に着き、祖父母は二人の孫が家を綺麗に修理したことを知り、再びここに住もうと思う。
夜になると、アザラシに導かれたジェイミーが家族の待つ浜辺に戻ってきた。
妖精の話を迷信として片付けてしまっていたならば、この物語は別の結末を迎えていただろう。
フィオナの言葉を信じた祖父母の存在がこの映画を素晴らしいものにしている。
ジェイミーの逃げ去るシーンが忘れられない名作だ。