あすにゃん日記

500字程度のエッセイを書きます。

なつぞら #26 平成最後の朝ドラ

2019-04-30 18:45:23 | ドラマ(朝ドラ含む)
 平成最後の朝ドラです。今日は、ついに信哉くんとなつが巡り会い、兄の消息を信哉くんが報せて東京に帰ってしまうストーリーでした。

 柴田家につとめてる酪農家が、腕ずくでもなつを連れていかせない! というので、信哉くんが感動するシーンは、わたしもじーんときました。

 それなのに、富士子と夕見子のいさかいがあったりして、ちょっと笑える(汗)

 富士子は、女の子に教育は必要ない、という昔ながらのスタンスです。それが夕見子にはアタマに来るんです。

 女の子は大学にいかなくていい、とか、苦労して努力するのがいいっていうのが、富士子ママの言い分。
 夫婦の会話には、どちらか一方ばかりがしゃべるのはむなしいでしょうに。

 たとえばお医者さんが夫だとして、少しは専門的な知識を知っていたら、話が盛り上がったりするでしょうし、助言だって出来るかもしれない。

 酪農にだって文系の知識があれば、生活に潤いが出ることだってあるでしょう。演劇といっしょだよ。生活者には、日常を超えるなにかが必要なのだよ。

 そんな古い感覚の富士子は、おじいちゃんと相談したあと、なつにお兄さんを探そう、と申し出るのでした。

 お兄さんは、4年前までは銀座の芝居小屋にいた、と信哉くんが言ってましたので、そこから捜索をはじめるのでしょう。
 人手不足の柴田農業のはずなのに、余裕だね。

なつぞら #25

2019-04-29 13:19:16 | ドラマ(朝ドラ含む)
 演劇発表会は終わり、地区予選にも通らなかった勝農。後片付けをする部員たちが起こしたたき火を囲み、一同が反省会を開いていると、いきなりバンチョーが、ためらいつつ、

「卒業したら、オレの嫁になってくれ!」

 思いの丈をぶつけてなつに迫りますが、彼女は却下します。

 大勢の前でコクったのに、玉砕しちゃったのでした(気の毒に…… 笑)

 そこでバンチョー、夕日に向かってダッシュ!
 悪いけど、腹を抱えて笑ってしまいました(笑)

 バンチョー、それが青春さ。
 まあ、バンチョーには、それなりにふさわしい相手が出てくるよ、きっと。

 一方柴田家。
 山田さんといっしょに働いていたおじいちゃんは、馬車で家に帰る途中、なつにあとを継がせたいと言い出すのでした。

 でも照男がいるよね、となつが言うんですが、ヤツ一人では背負いきれん、だがなつにも夢があるのならあきらめる、強制はしないとおじいちゃん。そんなこと言われたら、気持ちが縛られちゃうじゃないですか!!!!

 その一方で、なつは天陽からプレゼントされた絵かきセットで風景画を描いています。その牧場の一軒家に、佐々木信哉くんが現れました。彼はなつのいる柴田家を訪れていたのです。物語が動く予感がします。

精霊の守り人:003 世界観と神話体系を創作に活かす

2019-04-28 06:00:00 | 守り人シリーズ
 実際に火を付けたことで、(星読博士のひとり)カガイはごまかせましたが、聖導師と
 弱冠はたちのシュガはごまかされませんでした。皇子には、水妖が取り憑いているという話になります。

 この話のときに、聖導師がどれだけ権力を持っているか、という話が挿入されているんですが、権力の背景にある暗い部分も、シュガは知ることになります。

 それと同時に、ナクーと呼ばれる先住民の話も出てました。

 上橋菜穂子がうまいのは、世界背景の説明を、飽きさせず、センス・オブ・ワンダーな語り口で表現している部分でしょう。水妖とヤクーの関係、帝と星読博士の関係、そして帝とヤクーの関係を、端的な言葉でグイグイ読ませてくれます。

 そこから現実を振り返れば、いまの天皇は、出雲の先住民から『国譲り』されたことになってます。この物語でも、スサノオの八岐大蛇退治を思わせるエピソードが挿入されています。
 全世界的にも、英雄が国を作るという類型が広がっております。
 たとえば旧約聖書では、ダビデが敵のペリシテ人をやぶって国の王にまで上りつめますし、ギルガメシュ叙事詩では、暴君でもあるギルガメシュのさまざまな英雄的な物語が語られています。

 上橋菜穂子は、そのような神話の類型を下地にしながらも、和風ファンタジーにふさわしい、独特の世界観を提示しているのです。並大抵の才能ではありません。 


なつぞら #24

2019-04-27 13:35:09 | ドラマ(朝ドラ含む)
 演劇がはじまり、村長のバンチョーがセリフを忘れたため、農業高校の歌でごまかしてしまいます。

 バンチョー~~~!!
 村長の娘ペチカは、争わずに済むならと、隣村の長老の息子と結婚を決意します。納得できないニポポがペチカそっくりの白蛇に巡り会い、蛇から自分は神の使い、心から願うことをかなえよう、と言われ、ペチカが嫁に行かないようにしてくれ、と願います。そして、そのせいでペチカが眠り病にかかってしまい、

「自分がおろかだった」

 と後悔にかきくれるのでした。
 ちょうどそのシーンでおじいちゃんがやってきます。白蛇が自分を犠牲にして村人の病を治すシーンを見て、目をうるませているのでした。

 芝居が終わると、おじいちゃんは山田さんのところの牛乳がメーカーに安く買いたたかれていることを告げ、団結することを決めた、と言うのです。

 そして、自分はおろかだったのか、とこだわるおじいちゃんに、なつは、

「おろかなんてそんなハズはない!」


 と涙ぐむのでありました。

 わたしは、ちょっと考え込んでいました。

 買いものをしている身としては、質のよい乳を安く買いたいというのが正直なところです。メーカーがどんな値段で売るかは知らないけど消費者の権利はどうなるのかしらん。

 生産者も消費者も、どちらもWINWINになるような仕組みが必要です。いまのままではどのみちメーカーも泣きを見るかもしれない。

 孤立しがちなおじいちゃんが、仲間を見いだしたのはよかったけど、釈然としない思いは残ります。 

なつぞら 023

2019-04-26 14:23:37 | ドラマ(朝ドラ含む)
 いよいよ演劇発表当日。お菓子屋さんの雪月さんが、採算を度外視して、アイスクリームを観客にプレゼント(もなかに入れているから、器もナシでOK)。農協のみなさんも学校に来て、協力体制に入ります。

 おじいちゃんと夕見子たちが、なつの演技を見るために学校へ行こうとすると、山田天陽がやってきて、牛の具合が悪いと訴えます(学校に行ってたので農協も留守でした)。

 ここでおじいちゃん、放っておかずにすぐに山田さんとこに行って、牛が『畜腸症』であると看破します。
 さっそく獣医を、と色めき立つ山田さんに、自分がなんとかすると言って治療を始めるおじいちゃん。なにを食わせたんだと言われて、

 メーカーが乳を安く買いたたくので、農協の助言でクローバーなどの豆科の植物を食べさせて、量を増そうとしていたと打ち明ける山田さん。それで病気になったんだと怒るおじいちゃんに、山田さんは、自分の牛の搾りたて牛乳を飲ませるのでした。

 そんなこんなで、おじいちゃんと天陽が不在のまま、芝居の幕が上がってしまいます。
 いったいどうなることやら……というところで、このエピソードはおしまい。

 ちょっと疑問がわいてきたんですが。


 病気の牛から搾った乳、
        だいじょうぶなの?



 山田さんは貧乏だから複数飼えるとも思えない。となると、この絞りたて牛乳は畜腸症の牛から採ったことになる。だ、だいじょーぶなのか。

 もっとも、このシーンがなければ、おじいちゃんがメーカーに疑問を持つこともないんだろうけどさ……。