子どもの意見を尊重する、ということは、
甘やかすこととは違います。
明治の男である柴田家のおじいちゃんは、なつの意見をいれて、開拓のノウハウを教えるというのですが、山田さんは破れかぶれです。
そんな彼に、天陽が、「おれはここで働きたい!」と主張します。
どんなにつらくても、3年も、5年も同じ状況が続いても、それでも北海道で暮らしたい。
酪農と畑の両立なんて、一見簡単そうですが、過労で倒れたりすることもあるかもしれない。
そのノウハウを教えるというおじいちゃんにお礼を言う、なつのあの、輝くばかりの笑顔がわたしにはじーんと来ました。
これは、なつの事情だ―――。
子どもだからといってバカにしたり、スルーしたりしないおじいちゃん。
だからといって、決して甘やかしたりしない。そこが明治の人間の偉いところ。
時代は変わっても、子育ての大切ななにかっていうところを、提示しているような気がします。
もちろん、単なる精神論、根性論だけで北海道の荒野を開拓できるわけがなく。
いっしょにやっていく、そこがポイントになってくるのです。
厳しい土地柄だからこそ、お互いに助け合うことが必要。
自分一人でやっていこうとしていた山田さんにも、それがわかってくれるでしょうか。
ともあれ、当分東京には帰らなくて済みそうですが……。