あすにゃん日記

500字程度のエッセイを書きます。

なつぞら #48 感想:名セリフ。

2019-05-25 13:19:25 | ドラマ(朝ドラ含む)
 今日の名セリフ。

「悲しみから生まれた希望は、人を強くする。
 歓びから生まれた夢は、人を優しくする」

 ゲーテに言わせれば、人類の最大の敵は恐怖と希望だそうです。
 恐怖はもちろん、恐ろしいと思うことで思考が停止したり、行動が制限されたり、戦争の火種になるので判りやすいのですが、希望が人類の敵とはどういうことか。
 つまり、そういうむなしい希望があるからこそ、人はムダな努力をしてジタバタする。ヘタに希望があるからこそ、諦めることが出来ず、苦しむのだというわけです。
 でも……。
 希望がなかったら、どれほどつまらない人生でしょうか。
 たとえ苦しんでも、光があると思うから道を歩けるという側面はあると思う。
なつにもアニメーターという夢があり、兄と暮らしたいという希望がある。
 兄にもムーランルージュを復活させたい夢があり、亜矢美さんを舞台に戻してあげたいという希望がある。
 それぞれ別に家族が出来てしまって、ぎくしゃくしてしまっている面はあるけれど、新しい時代への明るさは胸に抱いているのです。
 しかし咲太郎があの性格では、ムーランルージュが復活するとはとても思えない……。
 今回のエピソードでは、亜矢美さんのタップダンスが素敵でした。咲太郎のタップダンスと会話をするように踊っていましたっけね。
 亜矢美さんの、夢はなんでしょうか。やはり地に足をつけて、風車を営むことで満足しているのでしょうか。
 

なつぞら #47 感想:なつと兄 さびしさについて

2019-05-24 14:10:22 | ドラマ(朝ドラ含む)
兄を傷つけていたことを悟って、なつは謝罪をします。兄も許します。兄は言い訳をしません。軽佻かもしれないけど、そういうところは男らしいのです。女の子に対して優しすぎるのは、女の子のきょうだいしかいない咲太郎としては、当たり前のことなのかもしれない、と思うにいたりました。

 つまり、咲太郎にとって女の子というのは、みんなきょうだい、家族みたいなもので、異性として見ていない可能性がある。女の子がそれでどんなに片思いになろうと、家族以上の存在にならないので、一線を越えることがない。

 ……それはそれで、残酷な気がする。

 ともあれ、咲太郎は、なつの夢を知ることになりました。アニメーターになりたい。というなつの夢です。アニメは子どものものだという咲太郎。うーん。アニメに対して偏見があった時代らしいセリフです。

 子どものものだからこそ、やりたい。なつの言葉は純粋です。優しさや柔らかさを感じることば。兄を傷つける言葉を放っていたとは思えない。でも、そういう純粋さこそが、開拓者には必要かもしれません。

 苦労をしてきたのはなつだけでなく、兄もおなじこと。兄にも家族に思える人が出来ている、ということに衝撃を受けていたなつ。開拓者といえども、さびしくなる時があるのだと、知るチャンスはあるでしょうか。さびしい人たちの、さびしい日々が続きます。 

なつぞら #46 感想:すれ違い

2019-05-23 12:48:44 | ドラマ(朝ドラ含む)
 雪之助の誤報はどこまでも祟りますね。すっかり行き違い・勘違いの兄と妹です。これを見たある人は、北海道へ泰樹さんが来たときはゼロからの開拓だったけど、なつの場合はマイナスからかも、なんて評していました。なるほど、言えてるかも知れない。

 もちろん泰樹さんは、晩成社という後ろ盾もあったでしょうし、なつにもマダムという後ろ盾はある。でも、マダムとお兄ちゃんの間で取り合いになって、なつも困惑&迷惑だし、お兄ちゃんはイマイチ頼れるのかどうか疑問ですものね。

 なつは、自分の中でウジウジしているタイプではないので、疑問に思ったこと、イヤだと思ったことは、ズバリと相手にぶつけていきます。若々しいエネルギーに満ちていて、このエネルギーはうらやましい。
 自分が傷ついたときには、声を上げて抗議する。耐えてる場合じゃない。がまんするときと、がまんしないときがメリハリ効いていて、すがすがしいほどです。

 お兄ちゃんの周囲を見る限りでは、咲太郎は浮名を流す流れ者。女の子にモテモテ。貧乏人。でも充実してるみたいに見える。ずっと心配していたなつにとって、この軽佻ぶりは許せないかもしれません。だから、自分たちを見捨てた、という言葉になってしまうのでしょう。

それがどんなにお兄ちゃんを傷つける言葉だったとしても、自分の気持ちを表現してしまう。アニメーターとして表現者になりたいなつの、東京での最初の兄への表現が責めることばだったなんて……。見ていて泣ける。

なつぞら #45 感想:ジゴロな咲太郎

2019-05-22 08:55:54 | ドラマ(朝ドラ含む)
 今日のなつぞらは、お兄ちゃんの咲太郎がジゴロっぽいというところが面白かったですね。ハートを盗まれた女の子やら、寸志をささげる女の子。モテモテじゃないですか。
 なつもかなりモテたほうだけど、咲太郎もかなりのものです。すれっからし的な面がないわけじゃない。おカネを借りたことも、甘えが原因の一つかもしれません。

 川村屋の職場は、厳しそうです。マダムも厳しい人みたいだし、雪次郎も修行のしがいがあるかも。そんな職場で皿洗いをしているなつの胸に去来するのは、生き別れの兄への思いとアニメーターへの夢。いつまでも川村屋にやっかいになっていられない、早く独立したいという気持ちもあるはず。お兄ちゃんに、柴田家のことを誤解されているとも知らずに……。

 なつにとって柴田家は、恩人の家であり、家族同然の家。でもやっぱり、どこか他人という遠慮や壁がある。本当の兄への思いが柴田家への思いに勝るとしたら、誤解はなかなか解けないでしょう。
 小畑雪之介の酔った上でのざれごとを、まともに取ってるおかみさん。情報に尾ひれをつけて咲太郎に流して、咲太郎を苦しめています。酔っ払いを相手の仕事なんだから、話を割り引くぐらいの配慮はして欲しかったり。