はたしょう日誌

しぶたに学園 池田市立秦野小学校の
“今”をお伝えしています。

創作バラエティー:ハコちゃんに叱られる

2018年10月31日 | 日記

10月のとある夕方。「ハコでーす。5歳でーす」勢いよくハタ兄に手を引かれてハコちゃんが職員室に走り込んできました。ハコちゃんは本名ハタコ。秦野に住む好奇心旺盛な女の子。ハタ兄はハコちゃんの若いおじちゃん。

「ねえねえ、ハタ兄。天満宮の秋祭に担ぎ手として参加する先生の中で一番元気な人はだあれ?」「それは、もちろんツジカワ先生でしょう!」「じゃあ、ツジカワ先生、何で太鼓(お神輿)は各町からすぐに天満宮に行かずに町中を巡行するの?」ハコちゃんの鋭い質問が放たれました。「えっ、何で!?」ツジカワ先生は、ポカンとしていましたが、「あっ、分かった。あんまり早くお宮さんに行ったら、時間がもたないから!」と答えました。その時です。ハコちゃんの顔が急に膨張し、眼からは煙が噴き出し、ポオオーという汽笛とともに「ぼーっと生きとるんやないでぇ!!」という叱声が職員室中に鳴り響きました。驚くツジカワ先生を尻目に、今度はハコちゃんの冷静な声が聞こえました。

「お神輿が町中を巡行するのは・・・・お神輿が町中をきれいにするかぁらぁあぁ」

すると突然、職員室のテレビから「お神輿が町中を巡行する意味も知らずに『祭りはテンションあがる』とか言っている先生たちの何と多いことか」とナレーションが流れ、画面には秦野のことなら何でも知っているハタノ大学民俗学研究所のハタベエ教授が現れました。

「ハコちゃん、5歳なのにお祭りの本当の意味を知っているなんてすごいね」そう言って教授は次のように話をしてくれました。「神輿とは神様の乗り物です。お祭りはもともと神様が神輿に乗って町を巡行し、神力で1年間の町の災厄を払い、町を清めるものだったのです。だから、神輿が巡行しないと町は災厄にまみれたままになりますから、昔は町の隅から隅まで神輿が巡っていきました。サセ、サセと神輿を揺するのは神力をより活性化させそのパワーを町中に振りまく働きがあるんです」「でも、神輿は神社から出発しないで各町から出発するから神様乗っていないのでは?」ツジカワ先生が首を傾げた時、教授が満面の笑みで答えました。「各町から神様が乗ってくるじゃありませんか」「えっ、乗り子?乗り子って神様だったんですか!?」「そう、乗り子は神の童なんです」「だから、乗り子は地面に足着けないんですね!」ツジカワ先生は得心して膝を打ちました。教授はわが意を得たりという顔になり、最後にハコちゃんに尋ねました。「ところで、ハコちゃんはお祭りで何が楽しみ?」

みんなが何て答えるか注目しているとハコちゃんは悠然と答えました「やっぱり、落策の時のヤキトリとビールやね」こらああ、ハコちゃん、まだ5歳やろ!!

*この創作バラエティーは「学校だより:はたのっこ11月号」に乗せています。また、作成にあたっては『池田市史第5巻 民俗編』を参考にしました。『池田市史第5巻 民俗編』には秦野校区のさまざまな民俗についての記述や考察が載っています。ぜひ、ご一読を。なお、購入を希望される方は池田市教育委員会生涯学習推進課へお問い合わせください。

*NHK番組「チコちゃんに叱られる」(土曜朝8:15分)をめざして「ハコちゃんに叱られる」も頑張って不定期に作成していきたいと思います。なお、ハコちゃんはチコちゃんのいわゆるパクリではなく、チコちゃんへのあこがれとリスペクトであることをお断りしておきます(えっ、ごちゃごちゃ言い過ぎですって?!・・・・そうですね、ごめんなさい)


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