「荷 車」(69)(フィリップ短篇集より)
LA CHARRETTE
——————————【69】————————————————
Ils eurent beau crier avant qu' on ne songeât
à les battre: rien n' y fit. Lartigaud posa
sa ceinture.
..——————————(訳)——————————————————
彼らは叩かれると思う前にもうしっかり泣いた.が
無駄だった.ラルティゴーは自分のベルトを置いた.
(用意した)
.——————————《語句》—————————————————
songeât:(接続法3単) < songer (自)
[à を]考える、考慮する、思う
avant qu'on ne songeât à les battre:親たちが彼らを
叩こうと思う前に
on = 親、
les = 子供たち
叩こうとする前のことだから、観念の世界.
ne は虚辞.
よって「接続法」が用いられている.
単純過去の直説法が接続法に転換すると接続法
半過去が選ばれるようです.
songeât=接続法半過去
songeâtのeâの部分:母音連続は避けるフランス語です
が、ここではg の音価を保させるため、e を落とすこと
ができません.songeât [ソンジャ]、songât [ソンガ]こんな
単語はありません.
songer ならあります.文語で「夢」
La vie n'est qu'un songe. / 人生は一条の夢.