
家を出る時は降っていなかった。
渋谷駅で小降りになり、渋谷公会堂に着くと本降りになった。
だいたいがそこそこ以上の年齢とみた。私とそこそこか、それ以上。
4時半開演予定だが、4時15分でまだ開場せず。

大雨の中元気な中高年が傘をさして列を作る。
私は呑気にドトールコーヒーを頼むふりして雨宿り。列がなくなる頃に入場した。
チャボをリスペクトしてます!って人多数。
20分ほどおして
開演ブザー
同時に怒濤のような歓声、指笛。
いきなり「古井戸 」の登場。
かなやんは立ったままで懐かしい曲を熱唱してくれた。
私がコピーしていた曲ばかり。
唄の市行脚時代に泉谷さんに電車の網棚に置かれて遠く九州で発見されたいわくのマンドリンも登場。
かなやんのギターは古井戸デビュー当時の物とのこと。
残念ながら古井戸再結成ではない。
今日はチャボのデビュー45周年記念コンサート。かなやんはお祝いに駆けつけついでに唄います。
中坊の私が、ギターで、ストロークやカッティング、スリーフィンガー、フォーフィンガーばかりでなく、リードギターでチョーキングをしたくなったのはチャボのギターを聴いたからだ。
考えてみればこんな大ホールで古井戸を聴くのは初めて。いつも小さなライブハウスだった。
「足元のお悪い中みんなようこそ、僕もどうしようかと悩んだけど来て良かった。」
チャボのファンと古井戸のファンとRCサクセションのファンと、麗蘭のファンと、何を演奏しても何を歌っても客席は喜ぶ。
チャボバンドのキーボード奏者は凄いなあ、フルコンをステージの端に置いてるぞ……と思った。
一曲目から一階の前の方は立ち上がっていた。おいおい、そんな早くから飛ばしすぎたら持たないよ……
途中でチャボが「お座り!年を考えなさい」と言ってくれたからよかったね。私は二階端っこの席で良かったこと。
今夜のチャボの名言
「年月の収獲だ!」
(?違ったかな?違ってたらごめんなさい)
それから、
おいおいおいお~い!
おいをぶっ潰せ
と、唄っていた。
自分が60歳を越えるなんて想像もしなかったと。
みんなもすぐなるぜ、64歳に。
そうです。
休憩無しの4時間弱ライブ。
古井戸の時以外はチャボ歌いっぱなしの喋りっぱなしの弾きっぱなし。
終演後、達成感と疲労感入り混じり皆が前屈みになってぞろぞろ階段を下りる。



オンザロック、放送終了するそうで、残念。
外は
土砂降り。
本当に土砂降り。
ちょっと出るのを躊躇ってポスターを眺める。

メンバーの名前にピンとくるものがあった。
あれ?
取り壊し直前の渋谷公会堂の舞台袖、竹中直人に出くわした。
小可愛いおじさんでニコニコしてくれた。
それからチャボバンドのバンマスに会った。
30年の年月の収獲だ。
古井戸の再会ライブで、自分も旧知と再会するとは。
公会堂の裏口から出ると、相変わらずの大雨。
おまけに持っていた折り畳み傘は穴あき傘だった。
数分でずぶ濡れネズミとなった。
ま、それもいい。
久し振りにロックンロールな夜。