ハルナツアキフユ 

転移性悪性黒色腫(メラノーマ)と診断された夫のことや
巡る季節の中で思うことを綴っていきます。

右半身の痙攣/入院

2013年12月29日 | 悪性黒色腫(メラノーマ)


前回I先生に診ていただいた20日以降
夫の右足の状態は目に見えて落ちていきました。
でも、本人は何とか少しでも改善したいと
傍目にはどう見ても過剰なリハビリを自分に課し
体も筋肉も疲労気味なのも心配でした。

そして25日夜・・・
また大きな痙攣を起こしてしまいました。
今度は右足ばかりでなく右半身全体が激しく12分間も痙攣したのです。
イーケプラを飲んで収まったのですが、そのダメージは大きかったようです。
I先生に電話をすると
「痙攣はイーケプラで大概は治まるので、とりあえず量を増やし
とにかく安静にして早めに受診してください。」との指示でちょっと安心。
26日には状態はさらに悪くなって右足が上がらなくなり
何かに掴まって引きずって歩くのが精一杯。
この日は自治医大さいたま医療センターで息子のほくろ除去手術だったこともあって
27日にI先生に診ていただき、CT検査をしました。
ほんとうはMRIの方がいいけれど年内はもう空いていないとのこと。
CTでは浮腫は確認できるが、腫瘍についてははっきりわからないようです。

検査の結果は脳脊髄腫瘍科のN先生がお話してくれました。
「浮腫が前回よりかなり大きくなって頭頂葉から前頭葉にかけて広がっています。
(ほんとうにびっくりするほど大きくなっていました。)
腫瘍の変化についてはこの画像からでは何とも言えません。
まずはステロイドの量を増やして浮腫を抑え、痙攣が起こらないようにしていきましょう。
在宅で内服を続けるよりは、入院して集中的に点滴で治療した方が効果はあるでしょう。
原因がサイバーナイフ治療後の浮腫によるものか、腫瘍の再燃によるものかはわかりませんが
その両方であることも多いです。もし腫瘍の再燃なら開頭手術が必要になるかもしれません。
再度サイバーナイフ照射することは今の状態では無理でしょう。
開頭手術をすれば腫瘍を確実に摘出することはできますが、ずっと残る麻痺などの後遺症が出る可能性もあります。
年が明けたらできるだけ早めにMRIとPETで腫瘍の状態を確認しましょう。」と。

すでに夕方になっていましたが急いで入院の手続きをしました。
その後担当となるA先生からさらに治療方針について説明を聞きました。
「脳腫瘍にはFDG-PET検査よりもメチオニンPET検査が有効なのでそれでしましょう。
保険適用外ですが研究に使わせていただくのでお金はかかりません。
足の不調は集中的に点滴すれば数日で改善すると思います。
状態と検査結果次第で手術になる可能性もあるので
とりあえず10日から2週間の入院となります。
調子が良ければ大学へはここから出勤するという手もありますよ。」

予想外の展開で、しかもいつものI先生のように英語で説明されたわけでないので
夫の中では今ひとつ気持ちが定まらないまま
年末は家族で伊豆に旅行に行くはずだったのに・・・
2日は息子を成田まで見送りたい・・・
大学の授業は7日から始まる・・・
と、あれこれ考えているのでした。
今まで頼っていたI先生がいないと夫ははぐれた子猫のようです。
I先生には
「入院して、まずは足の状態を改善することが第一。
足の状態次第で、できることも変わってきますよ。
優秀な先生たちですから安心してください。」と言われました。

それにしてもメラノーマの脳転移は
想像以上に厄介なものだとつくづく思いました。
メラノーマは放射線が効きにくいのもあるけれど
効いても浮腫がさらにまた厄介です。
A先生も「腫瘍の再燃じゃなければいいですが、そうだと厄介ですね。」と。
まあ、新たな脳転移がないだけまだいいのかもしれませんが。

脳腫瘍で亡くなった友人や知り合いの顔が浮かんできてしまい
「いやいや、大丈夫。」と自分に言い聞かせました。
夫は何があっても絶対克服するはず、そう信じています。

とにかく今は治療に専念するのみです。
幸い息子も娘もいてくれるし、病院では無理な自己流リハビリもしないだろうから安心です。
肺の手術の時のように面会に行ったら散歩に出かけていて探すなんてこともないだろうと思うと
ちょっとさみしく思いながら家路につきました。