陰陽論のまとめ

こんにちは🌞まだまだ寒い日が続いていますね。

毎週日曜日は、院長の東洋医学小噺です。

人間は天地の間に存在し、天気（陽気）と地気（陰気）を受けて生命活動を営んでいます。

このことを大前提として漢方医学は成り立っています。

人間を小宇宙とみなして、自然の陰陽のリズムに従い、これに適応して生活すれば病は起こらない。

これが東洋医学の基本です。

　人体の部位も陰陽に規定されますが、陰陽は相手により変化します。

陰陽がどのように変化した時に、どのような病症脉証が現れるかを診て、

その陰陽の変化を調整するのが経絡治療です。
　経絡治療は陰陽のバランスを調整すれば病が治ると言うのですから、実に便利な治療法です。

しかしこの陰陽が複雑で、プラスとマイナス、白黒の様にハッキリと分別出来ないので、

物質合理主義で育てられた現代社会には素直に受け入れられないのが残念です。
東洋医学は東洋医学の論理で研究成果を出す。その結果を西洋科学で証明出来れ
ばそれこそが鍼灸治療のエビデンスを獲得できるはずです。

西洋医学の発達により伝染病など多くの病から人類が救われた一方で、次々と新
たな病気が発症して国民医療費は増大の一途をたどっていますね。

その〈矛盾〉を解くにはまだまだ時間がかかります。

　以上の事から、陰陽・寒熱のバランスを整えて病機を治すのが東洋医学に基づく鍼灸治療だと言うことができます。
このように東洋医学は診断から治療に至るまで陰陽を離れることはありません。

陰陽は対立しながら協調・統一し、生命活動を営んでいます。

　これまで述べてきたように、陰陽の気は一方が弱くなると他の一方が強くなる
関係にありますが、言い方を変えると陰陽の気には、相手の不足を満たし合う性
質がありますので陰陽調整により一人でも多くの患者さんを病苦から救いたいといつも考えています。

次週に続く