よっちんのフォト日記

旅先や日常で感じたことを
写真と文章で綴ってみたい。
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庚申さん-奈良県奈良市:ならまち

2024年07月14日 | 奈良(奈良市内)
Naramachi, Nara City, Nara Pref.

さてさて、「ならまち」の散策を楽しむワタクシですが、「ならまち」を歩くと家の軒先によく目にするものがあるんです


これなのですが、よく飛騨地方の「さるぼぼ」と勘違いする人がいるんですよ。
これは災いや病魔を退治する「庚申(こうしん)さん」の使いのサルをかたどったお守りなんです。
災厄を代わりに引き受けてくれることから「身代り申」と呼ばれ、魔除けのために吊り下げられています


そもそも、「庚申さん」とは何でしょうか。これがなかなか興味深いんです。
庚申信仰は、道教を元にする信仰と云われています。十干(じっかん:甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の総称)と、
十二支(じゅうにし:子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌の称)の組み合わせで、
60日ごとにやってくる庚申(かのえさる)の日に、庚申さまをまつる行事が昔から広く行われてきました


広く庶民に広がった庚申信仰では、人の罪について次のように考えられています。
人間の腹の中には「三尸(さんし)」と呼ぶ三匹の虫がいて、少しの過ちも見逃すことはありません。
その三尸は庚申の夜になると、人が眠っているすきに人の体内から脱け出て天上に上り、
その罪悪を天帝様(宇宙を司る神)に告げる役割を果たすそうなんです


天帝様のところには、それぞれの人の罪科を記録した台帳があって、あまり記録が増えると人間は命を奪われます。
そのため三尸が体内から抜け出ないように、庚申の夜は寝ないで酒宴などを催しながら夜を明かしたんですね


江戸時代、庚申信仰は庶民の間に広まっていきます。これはワタクシの持論なのですが、庚申信仰の広まりというのは
宗教的な側面もあったとは思いますが、それよりも庚申の日には夜通し酒宴を楽しめるというのが目的だと思うんです


江戸時代、庶民は、特に農民は贅沢を禁じられ、酒を大っぴらに飲むことなど出来ませんでした。
そんな中、年に6度ある庚申の日は夜通し酒を飲み、宴を楽しむことが出来るのです。
さぞや幸せな、楽しい楽しい一日であったに違いないと思うんですよ


それに比べて今のワタクシ達は誰に気兼ねすることもなく、毎日のように酒を楽しむことが出来るのですから幸せです。
とはいえ、飲みすぎないように気をつけないといけませんな


お寺の入り口で豪快に寝ているワンコがいました。ワタクシが近づこうが、シャッター音がしようがびくともしません。
ワタクシはワンコを起こさないように、ソーッと立ち去って行ったのでありました

使用したカメラ:FUJIFILM X-Pro2


私の実家からほど近い場所に、聖徳太子が建立したという歴史を持つ四天王寺という大きな寺院があります。
その中に立派な庚申堂があり、地元の人は「庚申さん」と親しみを込めて呼んでいます。
皆さんの住む地域にも庚申堂、あるいは庚申塚や庚申塔などがあるんじゃないでしょうか。



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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ポチ♪ (ゆーしょー)
2024-07-14 01:34:24
こんばんは。
1枚目。
草履かと思いましたが
サルをかたどったお守り
なのですね。
初めて見ました。
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