goo blog サービス終了のお知らせ 

よっちんのフォト日記

旅先や日常で感じたことを
写真と文章で綴ってみたい。
そう思ってブログを始めてみました。

黎明-長野県山ノ内町:渋峠

2014年10月26日 | 信州(北信)
Shibu-Touge Mountain Path, Yamanouchi Town, Nagano Pref.

さてさて、長野県山ノ内町にある「農業民宿 一風」に宿泊したワタクシ達ですが
翌日は3時半に起床し、4時にはお宿を出発いたしました
前日は3時に大阪を出発して信州にやって来て、この日は4時に宿を出発するのですから、本当に元気なオッサン達です。
こんなに早起きするのは、もちろん夜明けの光景を眺めたいというのが目的です
ワタクシ達はお宿を出発し、志賀高原を登って行きまして渋峠に到着いたしました。
渋峠は長野県山ノ内町と群馬県中之条町(小渕優子の選挙基盤で話題になりましたな)の間にある峠で
標高は2172mあって、日本の国道の最高地点なんですよ。この時期は条件がよければ雲海が眼下に広がるので
ワタクシ達は早朝から渋峠を目指したのですが、同じような人がいるものですねぇ。
朝5時の渋峠には、三脚を立て夜明けを待つカメラおやじ、カメラおばさん達が多数来ておりました


午前5時15分、東の空(厳密に言えばこの季節はやや北東の空ですね)が徐々に茜色に染まり始めます


快晴、そして無風、さらには放射冷却による冷え込み…雲海が出来る条件が揃いました。
台風接近という状態にもかかわらず、こんな夜明けを迎えることが出来たことをワタクシ達は感謝するばかりです


とはいえ、渋峠は放射冷却でぐっと冷え込んでおりまして、車の温度計を見るとマイナス2℃
ワタクシは寒さにはけっこう強いのですが、三脚を構えてジッとしていると寒さが身にしみます。


この時間帯は、刻一刻と空の表情が変わります。一瞬たりとも目を離すことが出来ません。


初めて本格的な登山をした時、「俺はなんでこんなしんどいことしてるねん。もう二度と山なんか登れへんわ」と
ワタクシは早く下山することばかりを考えておりました。
そして翌朝、テントから出て行ったワタクシの目の前には雲海の彼方から登って来る太陽の姿がありました
ワタクシはその光景に、不覚にも涙が流れてきたのです。そして「また登ろう。また山で夜明けを迎えよう」と思いました。
もしあの日、雨や曇りだったら、ワタクシは二度と登山をすることがなかったかもしれません。


山で夜明けを迎えたとき、昔の人が山を御神体として崇め、山岳信仰が広まった理由が少しわかったように思いました。
山の朝はあまりにも神々しく、ワタクシのような信仰心の薄い者ですら「ここには神がいる」と思ったのですから


南東の方向に目を向けると、雲が鮮やかな茜色に染まっていました。
写真を撮る人は夕暮れ時に、日没後の数十分の時間帯を「マジックアワー」とか「マジックタイム」と呼びますよね。
では、この夜明け前の時間帯はなんと表現すればいいのでしょう


もう間もなく、あの雲の彼方から太陽が姿を現します。御来光を待つこの瞬間が、ワタクシが一番好きな時間なのです

使用したカメラ:FUJIFILM X-T1


登山をしない人には信じられないかもしれませんが、山小屋などでは朝の4時頃に起きる人はごく普通です。
夏山なんて夜明けが早いですから、山頂で夜明けを迎えようなんて人は3時頃に山小屋を出発する人も少なくありません。
私が早起きに強くなったのは、これが理由だと思うのです



人気ブログランキングへ←ランキングに参加しました。
            励みになるので、よかったら「ポチッ」と押してやってください

コメント (29)

夕食に大満足-長野県山ノ内町:「農業民宿 一風」

2014年10月25日 | 信州(北信)
Guest Housu“Ippuu”, Yamanouchi Town, Nagano Pref.

さてさて、この日のワタクシ達のお宿は長野県山ノ内町にある「農業民宿 一風」というお宿ですが
お宿に泊まると一番の楽しみは食事です。ましてや「農業民宿」ですから、美味しい野菜が食べられるはずです


お風呂に入って喉が渇いたワタクシ達は、ちょっと早めに食堂に行ってビールを注文いたしました
料理が出来るまでの間、ビールをチビチビ飲もうという魂胆だったのですが
「これでも食べていてくださいね」と言って、ビールのアテになるものを出していただきました。
左の写真の手前にあるのは「野沢菜の炒め物」なのですが、野沢菜が大好きなワタクシも炒めて食べるのは初めてでした。
なかなか美味しかったですし、奥にある「モロッコいんげん」も実に美味しいお味でした。
蛇足ではありますが瓶ビールが大瓶だったのも、ワタクシには嬉しい限りです
最近は宿でも居酒屋でも、瓶ビールはほとんど中瓶なんですよねぇ。
それから生ビール中などと言っても、「これが中ジョッキか!」と怒鳴りたくなるような小さなジョッキも多いのです


ではでは、いよいよ夕食の始まりです。テンション上がりますなぁ
まずは「ポテトサラダ」「ホウレン草のお浸し」です。なんてことない料理なのですが
野菜が新鮮ですから美味しいんですよねぇ。ここのお宿はお味噌やお醤油も手造りだそうなんですよ


「鶏のから揚げ」も美味しいのですが、ワタクシ達は「レタスとミニトマトのサラダ」の美味しさに拍手でした
大阪などでは野菜や果物が収穫されてから出荷され、店頭に並ぶまでにどうしても時間がかかります。
その間に味が落ちてしまうんでしょうねぇ


これは何だと思いますか?これは「ピーマンの肉詰めの天ぷら」なんですよ
ピーマンの肉詰めはよく食べますが、それを天ぷらにするのは初めてです。これもまた美味しゅうございました。


続いて「豚肉の大根の葉の炒め物」です。大根の葉がシャキシャキして美味しいです。
この頃になるとビールもかなり進んでおりますし、お宿のご主人との話も弾みまして、夜の宴は盛り上がりました


今回の食事でこの「米ナスのひき肉チーズ焼き」がワタクシは一番美味しく思いました。
米ナスが肉厚で美味しいこと美味しいこと。かなり大きなナスなのですが、ペロリといただきました


これは「タケノコ汁」という北信州の郷土料理なんですよ。見た感じはタケノコとこんにゃくが入った味噌汁という感じですが
この中にはちょっとビックリする食材が入っているんです。
それは何かと言いますと…このタケノコ汁にはサバ缶が入ってるんですよ
どうして缶詰のサバの水煮を味噌汁に入れるようになったのかは知りませんが、北信州ではかなり以前からの郷土料理だそうなんです。

そしていよいよ、奥様が打ってくれたお蕎麦の登場です。


昨日のブログに書いた「オヤマボクチの繊維をつなぎに使った蕎麦」がこれなんです。
見た目は普通の蕎麦とは変わりはありません。ではでは、どんなお味なんでしょうねぇ


食べた印象は、普段食べ慣れている蕎麦に比べて腰が強い蕎麦でありました
この蕎麦を食べるまでにけっこうな量の料理を食べていたのですが、蕎麦がとても美味しいのでペロリと食べてしまいました。
蕎麦も含めて、この夕食にはワタクシ達は大満足でありました


デザートはもちろん獲れたての「信州リンゴ」です。食べて、飲んで、喋って…あぁ、楽しい夜でありました

農業民宿 一風…長野県下高井郡山ノ内町平穏4845

使用したカメラ:FUJIFILM X-T1


ご主人との会話の最中に、どうせダメだろうと思いつつ、ちょっと訊いてみたんですよ。
「小さなチワワを飼っているんですが、犬を連れての宿泊は無理ですよねぇ?」
ご主人は「いいよいいよ。小さな犬なら連れておいでよ」と言ってくれました。
今度行く時は、紋を連れていこうと思っております



人気ブログランキングへ←ランキングに参加しました。
            励みになるので、よかったら「ポチッ」と押してやってください

コメント (29)

またお気に入りの宿が増えました-長野県山ノ内町:「農業民宿 一風」

2014年10月24日 | 信州(北信)
Guest Housu“Ippuu”, Yamanouchi Town, Nagano Pref.

さてさて、長野県山ノ内町の志賀高原でトレッキングを楽しみ、渋温泉でお風呂を楽しんだワタクシ達ですが
気がつけば時刻も夕方の4時を過ぎておりました。そろそろこの日のお宿に向かわねばなりません


お宿に近づく頃、長野電鉄の上條駅がありました。鉄道好きのワタクシとしては、素通りするわけにはいきませぬ。
夕日を浴びる駅舎には旅情を感じるワタクシです


地方の私鉄電車には、なんともいえない味わいがあるんですよね。長野電鉄は廃線になった路線もけっこうあるのですが
ここは終点の湯田中温泉、さらには湯田中からバスで志賀高原に向かう観光客も多いので廃線の心配は無さそうです。


このあたりは果樹園が広がっており、ちょうどリンゴが収穫期を迎えておりました
そしてリンゴ園を眺めながら駅から車で3分も進んでいくと、この日のお宿がありました。


この日、ワタクシ達が泊まるお宿は「農業民宿 一風」というお宿です。
ワタクシ、前にもこのブログに書いたことがあるのですが、宿を選ぶときの条件として

1-定員数が少ないこじんまりした宿。
2-建物は古くてもいいのですが、清潔感のある宿。
3-地元の食材を使った料理が出される宿。

を必ず条件にしています。今回、志賀高原近辺のお宿をいろいろ探している中で、ワタクシはこのお宿に惹かれました。
まずはお部屋が3部屋しかありませんので、宴会のやかましい騒音などに悩まされることもありません。
建物も豪華さはありませんが、ウッディな感じでワタクシの好みです。
そして「農業民宿」なのですから、自家製の新鮮な野菜が食べられるに決まっていますよね。
また、HPに書かれているご主人や奥様の言葉がとても暖かみがあり、ワタクシはこのお宿に決めたのでした

このお宿にはもちろんお風呂があるのですが、宿から歩いて5分ほどの場所に、この集落の方が利用する共同浴場があるんですよ。
温泉好きのワタクシ達は、つい先ほど渋温泉でお風呂に入ったのですが、共同浴場に行くことにいたしました


いあや、ここがまたいいお湯でありました。ワタクシ達以外には、地元のおじいちゃんが3人入浴しておられました。
地元の人と会話をしながらの楽しい入浴…これも旅の醍醐味です。
身体がホカホカに暖まったワタクシ達は、夕闇迫る中をお宿に戻りました


ここがお宿の食堂なのですが、共同浴場の鍵を宿の方に返しに行くと「今から蕎麦を打ちますからね」とのこと。


お宿の奥様は蕎麦打ちの名人なんです。ワタクシ達は夕食に、別注で蕎麦を注文しておりました
なにせワタクシは大の蕎麦好きなのです。信州に来て蕎麦を食べないなんてありえない話です。
HPに蕎麦は別注で1000円と書いてあったので、宿泊予約をする時にお願いしたんです。
その時にこんな会話をしてたんですよ。
「夕食に蕎麦をお願いします。それからワガママなお願いなんですが、翌朝は早くから出発するので朝食はいらないのですが
おにぎりとか作ってもらうことは出来るでしょうか?」
「いいですよ。じゃあ、朝ごはん食べないのですから蕎麦代はいいですよ」…心が暖かくなる気がしたワタクシでした。


トントントン…リズミカルに蕎麦が切られていきます。実はここの蕎麦にはちょっと特徴があるんですよ
普通、蕎麦には「つなぎ」として小麦粉を使うのですが、信州北部のこの地域では小麦粉がなかなか手に入らなかったんです。


これはオヤマボクチというアザミ科の植物ですが、ヤマゴボウという別名の方が皆さんはご存知じゃないでしょうか。
このオヤマボクチを乾燥させ、葉っぱの裏の繊維をお湯でもどしたものを蕎麦のつなぎにするんですよ。
ずいぶん手間のかかる作業ですが、昔ながらのこの地域の手法で蕎麦を打っているんですよ
どんなお蕎麦の味なんでしょうね。夕食の時間はもうすぐです。

農業民宿 一風…長野県下高井郡山ノ内町平穏4845

使用したカメラ:FUJIFILM X-T1


お宿に豪華さや高級感を求める方には、お勧めできるお宿ではありません。
でも、地元の食材に舌鼓を打ち、お宿の方と触れ合うことを旅の「贅沢」だと感じる人には
とても贅沢感のある素敵なお宿です。また一つ、お気に入りのお宿が増えました



人気ブログランキングへ←ランキングに参加しました。
            励みになるので、よかったら「ポチッ」と押してやってください

コメント (22)

情緒あふれる温泉街-長野県山ノ内町:渋温泉

2014年10月23日 | 信州(北信)
Shibu Onsen Spa, Yamanouchi Town, Nagano Pref.

さてさて、長野県山ノ内町の志賀高原でトレッキングを楽しんだワタクシ達は、高原から麓に下りました。
けっこう歩きましたので汗もかきました。若干の疲れもあります。
そんな時に行きたい場所といえば…温泉ではあーりませんか
信州というところは温泉の数がとても多いのですが、とりわけ志賀高原の一帯は温泉だらけでありまして
ワタクシ達は宿に行く前に「雰囲気のいい温泉街で外湯に入ろう」ということになりました


ワタクシ達は志賀高原の麓にある渋温泉に向かいました
渋温泉は温泉街のあちこちからお湯が沸いているのですが、実に37もの源泉がある古くからの温泉街です


外湯巡りが有名で共同浴場は9軒もあるのですが、いずれも宿泊客および地元の方専用なんですよね。
ワタクシのような渋温泉の宿泊者でない者は、9軒のうち「大湯」という外湯にだけ入浴することが出来るんです


温泉街の石畳の道は、浴衣姿で歩くのが似合います。道幅が狭く、木造の旅館が立ち並ぶ光景は情緒いっぱいです。
ワタクシは豪華な温泉ホテルよりも、「旅館」という感じのお宿の方が好きなんですよねぇ


渋温泉は今から1300年前、行基によって発見されたと伝えられています。
行基という人はいろんな場所を訪れていますので、「行基ゆかりの…」という場所をワタクシはあちこちで見た記憶があります。
また「信玄の隠し湯」としても知られているのですが、長野県には「信玄の隠し湯」というのも各地で見かけました。
なお隠し湯というのは、戦国時代などに土地の領主が独占的に利用した温泉のことで、別に隠していたわけではないのです


4階建ての木造建築なんて、今の法律では建てることが出来ません。こんな宿なら泊まってみたいですよね。


「射的」に「スマートボール」…昔の温泉街には、必ずこういったお店がありました。
こういう昭和レトロなものが、ワタクシは大好きなんですよねぇ


ワタクシ達はこの「大湯」に入浴いたしました。湯治場の雰囲気が残る素敵なお湯でした。
掛け値なしの源泉かけ流し…ここのお湯はちょっと鉄分を含んだ、実に気持ちのいいお湯でありました


疲れた身体を温泉で癒したワタクシ達は、この後、この日のお宿へと向かったのでありました

使用したカメラ:FUJIFILM X-T1


信州には至る場所に温泉があり、登山の後は必ずと言っていいほど温泉を楽しんできました。
私が信州を大好きなのには、いろんな理由があるのですが
温泉にすぐに入ることが出来るのも、その理由の一つなんです



人気ブログランキングへ←ランキングに参加しました。
            励みになるので、よかったら「ポチッ」と押してやってください

コメント (30)

素晴らしき日-長野県山ノ内町:志賀高原

2014年10月22日 | 信州(北信)
Shiga Kougen Highland, Yamanouchi Town, Nagano Pref.

さてさて、長野県山ノ内町の志賀高原には多くのトレッキングコースがあるのですが
その中の「池めぐりコース」と呼ばれるルートをワタクシ達は歩いてまいりました


神秘的な色をした大沼池の美しさ。ワタクシ達は何度も何度も、大沼池を振り返りました


もうすぐ志賀高原には長い冬がやって来ます。冬が来れば大沼池は結氷し、湖面は雪で覆われるのです。
そんな長い長い冬が訪れる前の短い秋に、大沼池は最後の輝きを見せてくれているように思いました


スキー場として知られた志賀高原なのですが、スキー以外にも多くの魅力があることを多くの人に知ってほしいなと思います。
と同時に、スキー場として多くのゲレンデが作られた志賀高原の自然を、これ以上破壊することなく保護してほしいとも思います。


ワタクシ達は「今日はよかったなぁ」「最高の天気やったなぁ」と満足しつつ、この日のトレッキングを終えました


春を表す季語に「山笑う」という言葉があります。草木が芽吹き、花が咲く春山の様子を表す言葉です。
これに対して、秋を表す季語に「山粧う」(よそおう)という言葉があるんです。
紅葉や黄葉に彩られた秋山を表す言葉ですが、日本語にはなんと美しい表現があるのでしょうね


この日の志賀高原は、まさに「山粧う」美しい秋山でありました。
とびっきりの美女が爽やかにお化粧をして、ワタクシ達に優しく微笑んでくれていたのです


ワタクシ達は志賀高原で素晴らしい時を過ごし、満ち足りた気持ちで麓に下りていくのでありました

使用したカメラ:FUJIFILM X-T1


山の秋は駆け足でやって来て、駆け足で通り過ぎて行ってしまいます。
長い冬の前にやって来る一瞬の秋。秋は一瞬の短さがゆえに、その美しさが引き立つのかもしれません。
そんな美しい秋を見ることが出来たこの日は、素晴らしい一日でありました



人気ブログランキングへ←ランキングに参加しました。
            励みになるので、よかったら「ポチッ」と押してやってください

コメント (28)