燃やす前に分解回収__技術試験へ/埋蔵量豊富 欠点カバー
----------------------------------------------------------------------
石炭ガス化できた合成ガスから、燃やす前に二酸化炭素(CO2)をあらかじめ
回収してしまおうとする技術試験が来年度から始まる。CO2排出量ゼロを目指す
という野心的な取り組みだ。化石燃料の中で最も埋蔵量が多く、地域的な偏在も少
ない石炭だが、石油や天然ガスに比べてCO2の排出が多い。その欠点をカバーで
きるか、成果が注目される。
石炭を微粉末にして高温高圧化で酸素と反応させると、一酸化炭素と水素の合成
ガスができる。石炭中の窒素分や硫黄分は、反応の過程で大幅に減らせる。
この合成ガスを燃焼させてガスタービンを回し、さらにガスの熱を利用して蒸気
タービンも回して発電すると、微粉末を燃やすより約2割高い効率でエネルギーが
得られる。この方式の石炭ガス化発電所を電力9社と電源開発が福島県いわき市に
建設中で、来年度から実証試験を始める。
CO2排泄量をもっと減らそうと新エネルギー・産業業術総合開発機構(NED
O)が進めているのが、ガスタービン発電に水素ガスを活用する燃料電池を組み合
わせた複合発電施設の開発だ。北九州市に実証プラントの10分の1程度のパイロッ
トプラントをつくり、天然ガス並のCO2排出量に抑えられる見通しがついてきた。
(2006.11.07 朝日夕刊/科学『その2に続く』)
----------------------------------------------------------------------
石炭ガス化できた合成ガスから、燃やす前に二酸化炭素(CO2)をあらかじめ
回収してしまおうとする技術試験が来年度から始まる。CO2排出量ゼロを目指す
という野心的な取り組みだ。化石燃料の中で最も埋蔵量が多く、地域的な偏在も少
ない石炭だが、石油や天然ガスに比べてCO2の排出が多い。その欠点をカバーで
きるか、成果が注目される。
石炭を微粉末にして高温高圧化で酸素と反応させると、一酸化炭素と水素の合成
ガスができる。石炭中の窒素分や硫黄分は、反応の過程で大幅に減らせる。
この合成ガスを燃焼させてガスタービンを回し、さらにガスの熱を利用して蒸気
タービンも回して発電すると、微粉末を燃やすより約2割高い効率でエネルギーが
得られる。この方式の石炭ガス化発電所を電力9社と電源開発が福島県いわき市に
建設中で、来年度から実証試験を始める。
CO2排泄量をもっと減らそうと新エネルギー・産業業術総合開発機構(NED
O)が進めているのが、ガスタービン発電に水素ガスを活用する燃料電池を組み合
わせた複合発電施設の開発だ。北九州市に実証プラントの10分の1程度のパイロッ
トプラントをつくり、天然ガス並のCO2排出量に抑えられる見通しがついてきた。
(2006.11.07 朝日夕刊/科学『その2に続く』)