日々の便り

男女を問わず中高年者で、暇つぶしに、居住地の四季の移り変わりや、趣味等を語りあえたら・・と。

河のほとりで (25)

2022年12月04日 03時30分33秒 | Weblog

 日曜日の朝。 今日も快晴で朝から陽ざしが照り映えて暑い一日になる様だ。 理恵子は、珠子の手伝いを得て海苔巻きや稲荷寿司と焼肉にレタスとウインナーや卵焼きなどの惣菜を作ったあと、掃除用のスラックスやタオル等衣類を袋に入れると、水色のワンピースに着替え終わると、護衛役の大助を伴い三人で等々力に向かった。

 駅前商店街で彼の下着や洗剤などを買い、彼等は織田君が書いてくれた地図を頼りに歩んだが、成る程、学生や勤め人など単身者専用の似たような小さいワンルームの賃貸住宅が並んでおり、理恵子は探すのに大変だゎ。と、珠子と話ながら歩いていると、大助が
 「姉ちゃん達は、僕から離れてついてこいよ」「僕、先に行って見つけたら手招きするから」
と言って先に行き、順番に表札を見ながら歩いていたが見つからず、見落としたかと思い、今度はゆっくりと後ずさりしながら再度表札を見て廻ったいたところ、彼の後ろから来た自転車が尻にぶつかり「痛テエ~」と叫んで後ろを見たら、髭のお巡りさんがニッコリ笑っており、大助も咄嗟に挨拶代わりにニコットと作り笑をして
 「これは、文句を言うには相手がワルイヮ~」
と呟いたら、お巡りさんは口髭をピックと動かすようにして不審そうな顔をして小さい声で
 「ワルイノワ 君だよ!。後ろに下がるときは後方にも気配りして注意して歩きなさい」
 「ところで、君は何をしているのかネ?」
と、質問されたので、彼は素直に目的を話すと、お巡りさんは納得したのか
 「直ぐそこの角に交番があるから一緒に来なさい。名簿で調べて教えてあげるから」
と言われ、彼は安堵して二人を手招きで呼んで、交番に行ったらすぐわかり、三人はお礼を言って交番から出て教示されたとおりに進むと、彼の表札が掲示された家の前に辿りついた。
 珠子と大助は、入り口前で次回訪ねるためにもと周囲を眺めたあと理恵子と別れ、帰り際に交番で大助が
 「先程は有難う御座いました。お陰さまで僕の責任も果たせました」
と礼を告げると、お巡りさんは
 「この暑い最中、君は恋人のために提灯持ちかい、いやご苦労さん!」
と冷やかされたので、大助は頭をかきかき「お巡りさん、この真昼間に提灯はイラナイや」とユーモアたっぷりに返事して、珠子と笑いながら丁寧に頭を下げて礼をして、揃って上野毛公園の方に向かって歩いて行った。

 理恵子は、二人と別れると早速マンションの部屋に足を踏み入れたが、彼の言う通り相当乱雑になっていたので、窓を開けて外気を流し入れて辺りを見回し、彼の日常の忙しさを察した。
 そのあと、彼女なりに作業順序を考えて衣服を着替え髪をタオルで覆って身支度を用意すると、図書や設計の用具を片付けたあと部屋を掃除し、洗濯物を分けて洗濯機に入れ、狭いキッチンと風呂場を洗剤で洗い流し、一通り作業を終えると、彼が汗をかいて帰って来ると思いお風呂を沸かしておいた。
 掃除を終えると、汗ばんだ顔を洗い化粧を直して着替えし、枕元の棚にお花を飾り腰掛けてジュースを飲みながら、壁に掲げらている故郷の飯豊山の麓で撮った二人の写真を見て、高校時代を懐かしく想いだして眺めていたら、彼が帰って来て
  「いやぁ~ 暑い、アツイ」 「おや、見違えるほど綺麗になったね。やっぱり女性は掃除がうまいわ」 
  「汚れていてビックリしただろぉ~。別の部屋になったみたいだ」
と言いつつ、感心しながら椅子に腰を降ろしたので、理恵子が
  「お風呂を沸かしておいたヮ。汗を流したら・・」
と言うと、彼が「ウ~ン それは有難い」と呟いて入浴すると、彼女は買ってきた下着とバスタオルを脱衣場に揃えて出しておいた。

 彼は、風呂から上がると、新しい下着を着て
  「下着まで用意してくれたのか」「こんな細かい心遣いが、如何にもリーらしいな」
と言いながら、いきなり理恵子を抱きしめて激しいキスをしたあと、耳元で
  「そのワンピース涼しそうでよく似合うよ」「リーの足が一層艶ぽく見えるな」
  「この間は、随分、僕達のことについて自信なさそうに言っていたが、今日は思いきって、僕の本心を知ってもらうために抱いてもいいか?」
等と静かな口調で言い出したので、理恵子は抱かれたまま、彼の肩越しに両手を絡めて耳もととに頬を寄せ、いつかはこのようになると覚悟をしていたので、自分でも驚くほど冷静に、小声で
  「あなたさえ良かったら、ワタシ オマカセ スルヮ」  「アナタノ スキナ ヨウニ シテ・・」
と返事をすると、彼は意欲満々に、早々と窓のカーテンを引きエアコンを少し強めにしてから、理恵子の肩に手を添えてベットの方に誘ったので、理恵子は彼に促されるままにベットに向かい、バックを取り寄せて用意してきた避妊具を枕元にソット隠すように置いてから、彼が興味深々と目を光らせて見ている前で、羞恥心を忘れたかの様にワンピースを脱ぎかけたが、彼の視線が異様に気になり思いなおしたように「ワタシモ アセオ ナガシテクルワ」と言ってシュミース姿で風呂場に行き、丹念に身体を洗ったあとバスタオルで身を包み下着を着たままベットに素早く滑る込むように入った。   
 彼女は、恥ずかしさと未知の不安に少し硬直した身体を、横たわっていた彼の胸に自分の胸を ピッタリ と押し付けて全身を見られない様にと寄り添えた。  

 彼は身動きがとれずにいたが、少し間を置いてから「本当にいいんだな」と念を押す様に言ったので、理恵子は「ナニモ イワナイデ」と答えると、彼は強引に彼女を仰向けにするや、手荒くブラジャーやパンテーを剥ぎ取り全裸にしたので、彼女は観念して目を閉じ両手で顔を覆い隠し、本能的に足首を交差して堅く閉じていたら、彼は、ぎこちない仕草で乳房を愛撫したり乳首にキスていたが、やがて興奮して本能が燃え上がり、いきなり彼女に覆いかぶさってきた。  
 理恵子は、上にのしかかられる黒い影を察した途端、彼が無理やり両足の間に割り込んできて下半身が触れたと思った瞬間、下腹部に痛みと熱い体感を感じ、思わず小声で「イタイッ! ヤメテエ~」と叫んでしまった。 
 彼は、そんな彼女の声を無視して、途中抜去して避妊具を装着するや再度強引に挿入し、やめることなく行為を続けたので、理恵子は彼に押さえつけられる様に抱かれて身動きできず仕方なく精一杯我慢していた。
 彼女は目を閉じて横を向いている顔や首筋に彼の熱く荒い息吹きを浴びながらも、両手は彼の両脇や背中にしがみついて彼に全てを任せ、時々、あえぎながらも苦痛に耐えていた。
 
 暫くすると、彼が離れたので、理恵子は彼に背中を向けて両手で顔を覆い、自分でも訳がわからないが、涙がしきりに溢れてきて、声を出さずに咽び泣いてしまった。
 彼が風呂場に行くと、理恵子は急いで用意してきた消毒用のアルコールの滲みたカットメンで下腹部を拭くと、真紅の鮮血がわずかに付着しており、一瞬、ギクッ としたが、自分に言い聞かせる様に、「コレデ イインダヮ」と心の中で呟き、急いでバスタオルで身体を覆って、彼と入れ替わりに風呂場に行き、彼の体臭を消そうと全身を丁寧に洗ったあと、水を何度もかぶって高ぶっている気持ちを静め、髪と化粧を直し上着を着て部屋に戻ると、彼は冷蔵庫から缶ビールを出して飲んでいた。


 


 

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