花男の物置部屋 引っ越して3箇所目

備忘録的に食ったもん、読んだもん、聴いたもん等を書いてます。

「踏切の幽霊」 高野 和明

2022-12-30 16:06:19 | 活字もすっげえたまには読むぞ

 

1994年冬、妻との死別をきっかけに新聞記者を辞め、今は女性誌のフリー記者の松田は下北沢の三号踏切にまつわる心霊写真を元に「その手」の記事を書くことになっていた。上半身だけの女性の写ったその写真、松田は現場でその女性の幻を目撃する。調べていると、その踏切での死亡事故はもうずっとないが「人の立ち入り」での列車停止がやたら多いことが分かって、また深夜に身元不明の「心霊写真の女性にも似た」元キャバ嬢が1年前にそこでヤクザに殺されてることも分かり・・・彼女が勤めていた店に取材するも、身元はなかなかわからず、ただ暗く誰からも好かれてなかった女性だったことだけが浮き彫りになる・・・そんな中遂に、彼女としばらくルームシェアをしていたらしいキャバ嬢が居る事がわかり・・・彼女の死には何らかの陰謀もあったような情報も出て来て・・・そう言う感じ。

 

作者11年ぶりの新作。と、花男はオンタイムで読んだのはその11年前の「ジェノサイド」だけで、今年になってなんか急に気になって他の作品をごそっと読んだこともありそこまでの久々感は実はなく・・・で、本作はそれこそ呪い含みのオカルトと、主人公が細い糸をたどりながら一つ一つ真実に迫っていくミステリィの配分良く、じっくり淡々と読まされる系の作品。読んでるとややローな気分にはなりますが、さりとて不快な感じでは無いです。色々わからないところ・・・結局彼女が"そこ"へ行くために松田が必要だったのか、でも"あそこ"には戻れなかったのかなど気になるところはあるし、何故今1994年の話なんだろうと言うあたりは気になりますが。まあそう言うあたりもフワッとさせたまま「あなた次第」と言う感じに楽しんだ方が吉でしょう。

 

結局、面白かったです。

 

 

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