母はふるさとの風

今は忘れられた美しい日本の言葉の響き、リズミカルな抒情詩は味わえば結構楽しい。 
ここはささやかな、ポエムの部屋です。

ねこ草

2016年01月19日 | 
雪の降った日の翌日
秋に蒔いた冬菜の中に混じり伸びていたねこ草
広菜の中に籠るひとむらの
細い草の葉の集まりは
この厳しい冬の朝の暖かな陽を浴び
冷気を一生懸命に吸い取り
草を緑に光らせるのだ

おいしいおいしいとはあちゃんが
いつもいきなり山羊になり無心に食べたねこ草
生命力強くへこたれない草は
医者いらずの長生きはあちゃんそのままに
食べるひとの居なくなった今年の冬も
なんとも元気に伸び生き続ける

はあちゃんは今年も
白い雪の景色に見とれ
真っ赤に色づいたまま落ちもしない可愛い南天の葉たちを眺め
子どものころのいたずらな目をして
冬の日だまりで楽しんでいる
透明猫になったグレーのはあちゃんを
私はいつも眺めているよ
はあちゃんー


コメント
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