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送電線に空きがあるのにないと言って、再生エネを抑える電力会社の欺瞞

2018年02月21日 | 脱原発
今、国会で審議されている「裁量労働制」、目標値達成やノルマが終わるまで働かされた上、いくら残業しても残業代はでない。過労死の危険さえあるのに、与党が根拠としていたデータが、導入に都合の良い、いい加減なデータだったことが判明しました。
こんなことが続いていると、いくらきれいごとを並べられても、今の政権自体が何もかも嘘と自画自賛で運営されているのではないか、と疑りたくもなります。

ちょっとアップが遅れましたが、以下のニュース、忘れちゃいけないので書いておきます。
久しぶりに、原子力ムラの欺瞞が蒸し返されて、腹立たしくも残念な件。






1月31日、東京新聞「核心」には、

道路は大渋滞で、新たに車は通れないと聞いていたのに実際はがら空きだった-。京都大の安田陽特任教授(電力工学)の分析は、電気を流す道路である送電線のそんな実態を浮き上がらせた。空きがあるのに、大手電力は「空きがない」と主張し、再生可能エネルギーの参入を実質的に阻む形になっている。


と、書かれている。

さらには、電力会社から、再生エネの事業者に送電線の増強費用として約560億円の負担を求めたり「20年かかる」と心折れるような事を言って、あたかも再生エネの普及を止めようとしているような動きがあった。
   ↓
 「増強費」560億円の請求例
「約560億円の負担を求められた」。再生可能エネルギーを手掛ける洸陽(こうよう)電機(本社・神戸市)の乾正博社長はそう打ち明ける。東日本のある地域でバイオマス発電を始めるにあたり大手電力に相談したところ、送電線の増強費用額として提示された。しかも増強工事には「約20年かかる」との説明。乾氏は「これではビジネスは不可能だ」と頭を抱える。

 再生エネ事業者が大手電力から億単位の費用負担を求められる事例が全国で相次いでいる。「空きがない送電線に、新たに空きをつくるため」というのが大手電力側の言い分だ。

 ■実態

 安田氏の分析は、基幹送電線の利用率が全国平均で1~2割にとどまることを示した。単純計算で8~9割は空いていることになる。それなのになぜ大手電力は「空きがない」と主張するのか。

 大手電力はすべての発電設備が最大出力した場合を想定して、空きを計算していることが一因だ。だが再生エネは得意とする時間帯や季節が異なる。太陽光は天気の良い日中にしか発電できず、風力は天気が必ずしもよくない強風時に出力が高くなる。それらが同時に最大出力する可能性は「極めて小さい」(安田氏)。

 日本の電力会社の技術的な遅れも大きい。ドイツなど欧州では、送電線を複線化し、一本が仮に事故で電力を送れなくなっても、すぐにスイッチで切り替え迂回(うかい)させる柔軟な運用をしている。

 だが、日本では、流れる電力を極力低く抑え、送電線に余裕を持たせることで事故を少なくし、事故があっても他の電線が負荷で焦げ付かないようにする旧来型の対応を続けている。

 ■順番

 「送電線を利用するのは先着順」というルールも「新参者」の再生エネに不利に働いている。原発や火力など電力会社自身が運営する既存の発電設備で送電線の多くを埋めている。だが大半の原発は停止中。原発以外でも稼働の見込みの立っていない発電設備が占める部分もあるとみられる。それらの空きを確保するために再生エネがはじかれているのが現状だ。

 日本の年間の発電電力量に占める再生エネ(水力を除く)の割合は7・8% (2016年)にとどまり、ドイツの27%(15年)や、英国の24% (同) などを大きく下回る。

 送信線の柔軟な運用システムの導入や、原発など既存の発電設備を優遇する仕組みの見直しなど課題をどう解決するのか。京都大の諸富徹教授(環境経済学)は「再生エネのコストはどんどん低下し、環境に優しく、国産の電源でもある。国民利益にもかなう再生エネ推進のため知恵を絞るときだ」と力説している。




同日、東京新聞トップ記事もこの事。




送電網、空きあり 大手「満杯」 実は利用率2割
東京新聞 2018年1月31日

 発電所からの電気を流す基幹送電線の利用率が大手電力10社で1~2割にとどまっていることが、京都大の安田陽特任教授(電力工学)の分析で分かった。再生可能エネルギーを手掛ける事業者が、大手電力から送電線に空きがなく「満杯」として、高額な送電線の増強費用を求められるなどで、事業をあきらめる事態が相次いでいるが、実際の送電線には空きが十分あることを示した。 (伊藤弘喜)

 大手各社の基幹送電線計三百九十九路線について、一年間に送電線に流せる電気の最大量に対し、実際に流れた量を「利用率」として分析した。流れた電力量などは電力業界でつくる「電力広域的運営推進機関」のデータ(二〇一六年九月~一七年八月)を使った。

 それによると、全国の基幹送電線の平均の利用率は19・4%。東京電力が27%で最も高く、最も低いのは東北電の12%だった。

 一方で、各社が電気を流す余裕がまったくない「空き容量ゼロ」と公表した路線は全路線の34・8%にあたる百三十九路線だった。特に、東北電は七割近くの路線を「空きゼロ」と公表し、中部電も六割に上っていた。

 再生可能エネルギーに限らず新たに発電事業を始める際、送電線を所有する大手電力会社に頼まなければならない。しかし、「空きがない」ことなどを理由に送電線の高額な増強費用を求められる事例が全国で発生。新興の再生可能エネ事業者には負担が重く、事業を断念する例も出ている。

 だが、「空きゼロ」の送電線が多いにもかかわらず、実際の利用率が低いことは、送電線の運用によっては再生エネ導入の余地が大きいことを示している。

 電力各社は「契約している発電設備の分は稼働していなくても空けておく必要がある」と話しており、「空きゼロ」が多い背景には運転停止中の原発向けまで、送電線を空けている事情も大きいとみられる。また、各社は全ての発電設備が最大出力した場合という極めてまれなケースを想定してきた。

 安田氏は「送電線の利用実態に合わせるとともに、欧米で一般化している天候などに応じ送電線を柔軟に運用する手法を使えばもっと再生エネを受け入れられるはずだ」と指摘している。

<基幹送電線> 送電線の中でも特に太く、高圧で大量の電力を送れる電線。東京電力など大手電力会社が所有し管理。発電所や、各大手電力が所管する地域ごとの送電網同士も結ぶ。基幹送電線に流れる高圧で大量の電力は、支流の電線に入り、最終的に細い電線を通って家庭など消費者に届く。血管に例えると大動脈で、消費者に届く電線は毛細血管に当たる。

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