はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

鉄道事業の窮状から見える、この国の現状

2022年09月05日 | はなこ的考察―良いこと探し
最近、地方の不採算路線の廃線問題がニュースになったのは記憶に新しいところ。

しかし、盤石と思われた首都圏も、コロナ禍をきっかけに経営面で厳しさが増しているようだ。

特に目に見えて顕著なのが、車内広告の激減ぶり。

昨日久しぶりに利用した東海道線上野東京ライン。自分が乗った車両を見る限り、吊り広告はゼロ。壁の広告も出入り口ドアサイドに数枚あるのみで、網棚上のずらりと並んだ広告枠もゼロ。

なんとも寂しい光景だった。

これも少子高齢化に伴う人口減で、国家としての危機に直面している日本に、コロナ禍が拍車をかけていることのひとつだろうか?

もしかしたら、今は山手線の新型車両で見られるような動画主体の新しい広告への移行期で、徐々に紙媒体の広告を鉄道会社の方で減らしているのか…そんなわけないよね😅

収益は減っているのに、線路や高架橋等の設備保守費用はかかるわ、その要員は不足するわ、並行してホームドア設置の安全対策も講じなければいけないわで、世界に冠たる首都圏の鉄道網の維持に、鉄道会社もさぞかし頭を痛めていることだろう。

結局、運賃値上げやダイナミック・プライシングの導入で、鉄道利用者の負担増になるのだろうけれど、それにも限界があるはず。どうにかしないとね。

かつては通勤ラッシュ時間帯の満員電車内で身動きの取れない中、吊り広告の雑誌の見出しを読んでは想像を膨らませるのが常だった。

最近は満員電車に乗ることもないし、直近の混雑状況も知らないので、乗客がどのような状況で過ごしているのか知る由もない。スマホに見入れる程度の隙間は確保出来ているのか?

因みに先日、通勤時間帯ギリギリにバスに乗車した時には拍子抜けするほど乗客が少なく、余裕で着席出来た。

寧ろ、運行回数の激減したのも相俟って、日中の方が始発に近いバス停で殆ど席が埋まってしまうほどの混雑だ(年配者でも着席出来ないほど、年配者だらけ)

推察するに、この街に越して来てから30年近い夫が定年を迎えたくらいだから、新しいマンションなどが建つ余地のない古い街は、そこに住む人も確実に年を取っているのだろう。

昨日久しぶりに降り立った上野駅界隈は、休日で天気に恵まれたこともあって、かつての賑わいを取り戻していた。

昼時のレストラン街ではどの店先にも待ち行列が出来ていて、歩道では“昼食難民”が右往左往しているようにも見えた。

訪れた美術館も最近は日時指定入場がスタンダードのはずなのに、館内は芋を洗うような混雑で、見たい作品の前にもなかなか辿り着けず、嘆息するほどだった。

その一方で、帰りの東海道線はすんなり座れるほど車内はガラガラで、車内広告も先に述べた通りだった。東海道線が北関東の駅まで延伸したコロナ禍前は、上野からは殆ど座れなかったのに。

まあ、今回はたまたま混雑する時間帯から外れていただけなのかもしれないけれど。

ここでどうしても考えてしまうのが日本と言う国のジリ貧ぶり。

少子高齢化がこの数十年の政府の無策でどうにもならない状況にあるとしても、その前提で出来ることもまだあるはずだ。

未来ある子ども達の為にも、責任ある大人達は諦めずに知恵を出し合い、この難局を乗り切るべきだと思う。

コロナ禍では奇しくも日本の国としての弱点が露わになった。

特に国を動かす立場にある人々が目先の対策に追われ、1年後、2年後、数年後、或いは数十年後、この国がどうあるべきかのグランド・デザインを描けず、その道筋を国民に示せないこと。

だから国民の中に先行きに不安を抱く人がいるし、国を信頼出来ない人もいる。未来ある子ども達への対応がおざなりになる。

国民はそろそろコロナ後を見据えて動き出しているのにね。

しっかりして欲しいよね。



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2 コメント

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Unknown (ヌマンタ)
2022-09-08 16:10:13
21世紀中には石油は枯渇すると云われています。そうなると、最もエネルギー効率の良い交通手段は鉄道です。EV車の比ではありません。実際、自動車大国アメリカでさえ鉄道が復活しつつあります。日本のJRは世界屈指の鉄道会社であり、優秀でもありますから、今後も日本の流通を担っていくと思いますよ。ただし、都市圏中心でしょうけど。
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「鉄道はなくてはならないインフラ」 (管理人はなこ)
2022-09-08 17:44:55
ヌマンタさん、こんにちは。

我が家もマンションを購入したのと同時に自家用車を購入したものの、思いのほか公共交通機関の便が良かったので、1年ほどで自家用車を手放してしまいました。

車がないと生活が成り立たない地方と違い、公共交通機関の発達した首都圏で車を持つ理由は、仕事とレジャー、それからステータス誇示(笑)以外ないような気がします。都内の高級住宅街は高級外車しか走ってないですし。

30年以上前から海外(英仏西伊葡白蘭瑞土米等)でも鉄道(含む地下鉄)を利用していますが、運行時間の正確さと事故の少なさでは日本の右に出る国はないと思います。

でも長距離輸送の運賃は割高かなあ。欧州はそれぞれの鉄道会社のHPで時間帯や日によって大幅な値引きがあり、それをうまく利用すればお得に長距離移動が出来ますから。

息子の大学でも比較的優秀な人がJR東日本に入社したので、彼らはしっかり日本の状況に応じた今後の経営戦略を考えているのでしょうね。企業はそれなりに優秀。でも政治家は…

鉄道のハード面には詳しくないのですが、動力源が電力だとしたら、その確保は今後どうなって行くのでしょう?エネルギー資源のない国はそこからして高コストにならざるを得ず、大変だと思います。

いずれにせよ、鉄道は都市機能維持の為に必須のインフラなので、各鉄道会社には頑張って欲しいです。慢性的に運転手不足のバス会社は、自動運転化を進めて行ってほしいですね。

本当は基本的にもう自分で運転しない自分としては、地方の鉄道も残ってほしいけれど…
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