東京タワーって本当にカッコイイ。日本の高度経済成長時代の誇るべき遺産だよね!
報道によれば、中国は既にタクシー自動運転の試験営業を始めている。IT大手の百度(Baidu:検索エンジンを提供、中国版Google)は今年の8月から重慶市と武漢市で無人の自動運転サービスを始めている。乗客がタッチパネルで行き先を指定すると、あとは無人で目的地まで連れて行ってくれると言う。もちろん、自動運転タクシーは管制センターから常に監視されており、安全面には配慮しているようだ。
中国の新技術の開発と実用化のスピードは日本と比較して極めて速い。中国は実際に運用しながら(走りながら)改善点を見つけて技術の精度を高めて行くのに対し、日本は何事も減点方式で評価するせいかメーカーは極端に失敗を恐れ、完成するまで何度も試作と実験を重ねて、なかなか実用化に至らない傾向があるように思う。
結果的にその新技術の開発と実用化スピードの遅さが、他国との技術開発競争で遅れを取り、シェア獲得でも後塵を拝すことになっているようだ。
今の日本に欠けているのはまさしく中国が実践しているところの"Just do it"、まずはやってみる、と言うチャレンジ精神である。
その原因のひとつは経営の決定権を握るトップが技術者を信頼し、彼らに技術開発を一任しないこと。さらにその成否の責を経営トップとして負う覚悟がないからだと思う。
「責任は私が取る。だから君たちは思いっきりやりなさい」と言ってくれる上司、トップはいないのだろうか。創業者(一族出身者)ならともかく、サラリーマン社長にその丹力を求めるのは土台無理な話なのだろうか?
実はこの"Just do it"のチェレンジ精神は、「我が子をどんな人間に育てるか」と言う点でも重要なポイントとなるようだ。
テレ朝系朝のワイドーショー「羽鳥慎一のモーニングショー」金曜レギュラーコメンテーターのひとり広津留すみれさんの母、真理さんが今朝、同番組に出演されていた。
娘のすみれさんを、小中高すべて地方の公立校(大分)から、米国の名門ハーバード大学に現役合格させた真理さんの養育メソッドを披露するのが今朝のテーマ。自身のレギュラー番組での母子共演に、すみれさんは終始照れた様子だった。
印象的だったのは、真理さんはけっしてスパルタ教育ママではなかったこと。我が子への教育に心血を注ぐベースには、一人娘への深い深い愛情があったこと。
すみれさんが生まれた瞬間からその可愛さにメロメロになり、「この子に世界と繋がる記号を教えてあげたい」と思ったのがそもそもの始まり。100冊以上の教育書を読み漁り、独自の教育メソッドと教材を開発(それはすみれさんの大学入学を機に、教育事業へと発展して行く)。
真理さんがすみれさんを育てるにあたって実践したのは以下の通りである。
子どもには毎日毎秒120%の愛情をもって接する。いつも褒める。
①無条件の愛情:どんな時も何があっても、あなたの味方です
②常に見守り:いつもあなたを見守っているから、安心してください
と言うメッセージを我が子に言葉や態度で届け続ける
→子どもの自己肯定感を高める
挑戦を恐れない子どもに育てる。仮に失敗しても、失敗から学べる子どもに育てる
=挑戦して失敗することはけっして恥ずかしいことではない。寧ろそれは素晴らしい経験。
小さな成功体験を積み上げる(子どもを信頼し、本人の判断に任せる)
①命令しない:「勉強しなさい」とは言わない。子どもの前で読書するなど、親自身が学ぶ姿を見せる。
→自分で決められる子どもに育てる
すみれさんは小学校5年生の時に修学旅行には参加せず、代わりに当時大ファンだった中村勘三郎の襲名披露公演を見に母と東京へ行った。これは本人自らが決め、教師を説得し、実現したことである。親の金銭的サポートが必要とは言え、小学5年生にして、この発想、決断、交渉力は凄いと思う。
②達成感を与える:子どもに自分で「to doリスト」を作らせ、ゲーム感覚でクリアする達成感を味わせる
すみれさんは小学生の頃から毎日to doリストを作り、それに沿って1日を過ごしていたと言う。もちろん親は我が子を信頼し、子どもが作ったto doリストに関して一切口出しをしない。
→時間管理ができ、ものごとの優先順位を付けられる子どもに育てる
さらに興味深いのは、「親は本音を隠して、常に上機嫌で子どもに接すること」「常に良き話し相手、相談相手であることを心掛けること」と言う親としての心構え。これはなかなか難しい。
具体的な学習方法として挙げていたのは…
①宿題は最初から答えを見て、答えを丸暗記する
→苦心惨憺して答えを導くより、さっさと答えを見て、理解し、暗記して、余った時間を本当にやりたいことに充てる
(すみれさんは宿題をさっさと仕上げて余った時間を、大好きなヴァイオリンの練習に充てた。因みにすみれさんはハーバード大学で応用数学と社会学を専攻し首席で卒業後、ジュリアード音楽院の修士課程に進学し、ヴァイオリン専攻でも首席で修了)→本人が本当にやりたいことに注力させ、独創性を育てる
②リビングの中心に本棚を!常に目に付くところに本を!
→リビングを学びの場とする。読書は世界観を広げる。背表紙を見るだけでも知的刺激になる。
③我が子をけっして他の子と比べない
→自分なりの高み(目標)を目指すよう仕向ける。相対的評価と言う価値観を断つ。我が子は唯一無二の存在
④分からないことにぶつかった時、調べることを厭わない
→ググれば大抵のことは情報として得られる。ググって得られる情報はただ闇雲に覚える必要はなく、いかに効率よく情報にアクセスして、それをいかに活用するかが現代に求められる能力である(ネット上に膨大な情報があり、気軽にアクセスできる以上、ひとりの人間が物知りである必要はない)。
とにかく目指すゴールへ到達する為に何をすべきか、捨てるべきかの取捨選択が徹底していて、母親真理さんの聡明さに圧倒される。娘がハーバード大を受験する際も、年に700万円(今は円安で1,000万円超え?)以上と言われる学費を「いかに我が子に先行投資する価値があるか」メールで大学側を説得し、100万円までに引き下げさせたほどの交渉力。
また、留学経験無しに大学卒業後は英仏二か国語の翻訳まで手掛けたほどの語学力(とは言っても以前から深町真理子さん(90歳)や湯川れいこさん(86歳)のように高卒で叩き上げの優秀な翻訳家がいるにはいた。その世代で女性が大学に進学するのは難しかったのだろう)。
そのバイタリティは羨ましい限り。”羨ましい”には若干妬みも含まれる(笑)。真理さんはバブル世代とのことだが、大学卒業後世界各地を旅するなど、同世代でも置かれた環境はだいぶ違っていたと思われる。私はとにかくビンボーで、高卒後は実家の為に働き詰め。日々見ていた世界があまりにも違う。当時の私の愛読書は山本有三の「路傍の石」。冗談でなく。ハハハ…(と力なく笑う)。
因みに真理さんの父は英語教師だったそうだ。真理さんご自身も教育熱心な家庭で育ったのだろう。考えるに「教育ドミノ(すごろく?)」は確実に存在する(と言うのは私の持論)。少なくとも子孫の飛躍には三代かかる。それは即ち、たとえ自分が不遇の身で学がなくとも、真面目に働き、我が子の教育に注力すれば、孫の世代で教育の効果を最大限に発揮できる可能性があると言うこと。
また、学費に関しては、「学費を一律に同額にするのはおかしい。貧しくても学びたい人は無料に、富裕層の親は5人分位負担することで、様々なバックグランドを持った学生が共に学ぶ機会を得て、その多様性がイノベーションを生み出す」と言うユニークな持論を展開した。これ、実際にそうなったら素敵だな。貧しさゆえに埋もれた俊才が、世界には数多いるだろうから。
具体的な英語の学習法についても、幾つかのメディアで紹介されているので、興味のある方はネット検索で調べてみてください。私も自身のイタリア語学習の参考にしたい。
番組を見て、その前向きな考え方に本当に元気を貰えました。ありがとうございました。