ショッピングビルのエレベーター。3基あれば、少なくともどれかひとつは違う動きをすれば良いのに、なぜかすべて揃いも揃って上りだったり、逆に下りだったりと、シンクロすることが多いような気がする。
私は間の悪い人間なのか、しばしばエレベーターの動いた直後にホールに到着し、待ち行列?の先頭に当たってしまう。そういう時に限ってエレベーターはなかなか来ず、ホールは待つ人でいっぱいになる。
そうなると、別に義務感に駆られるわけでもないけれど、私はエレベーターに真っ先に乗り込むと、操作盤の前に立って、エレベーターガールならぬエレベーターおばさんになって「開」のボタンを押すことになる。やはり大勢の人間が乗り込む途中でドアが閉まらないとも限らないからだ。同行の夫はそんな私にお構いなしにサッサとエレベータの奥へ。
先日のこと。大勢の人がショッピングモール内を行き交う中、珍しくエレベーターホールには私ひとりだった。ほどなくエレベーターが到着し、私が乗り込んでドアが閉まりかけたところで、誰かが外のボタンを押したらしく、ドアが再び開き、息せききった男性が乗って来た再びドアがしまりかけた…その時、またもやドアが開き、今度はふたりの女性。再びドアが閉まりかけた途中で、さらにふたりの女性…、もう勘弁してよと思っていたら、またまた閉まりかけたドアが…4度目は他のエレベーターが到着したのか、結局、誰も乗って来なかった
その間、私は慌てて「開」のボタンを押すこと4回。私は思わず"Oh my god"と呟いた。少し待てば次のエレベーターが来るはずなのに、ほぼ閉まりかけたドアに飛び込んで来る人がたまにいる(今回はそれが4回も立て続けにあったからビックリしたどれだけせっかちなんだよ)。これは電車の駆け込み乗車と同様で、危険な行為だと思う。実際、エレベーターでは稀に死亡事故も発生しているのだ。
次はデパートで。4階でエレベーターを待っていると、上階からエレベーターが降りて来た。中には年配の夫婦と家族連れが一組。操作盤の前には年配夫婦のご主人が立っていた。そこに私達夫婦と他に2、3人が乗り込んだ。地階まで行く予定だったが、エレベーターは各階止まり。その度に件のご主人が「開」のボタンを押し続ける。その年配のご夫婦も地階で降りるつもりだったらしく、最後まで一緒だった。
人の良さそうなご主人は他の乗客が降りる間、律儀に「開」のボタンを押し続けている。私は内心感心しながら、降りる際に会釈しつつ「どうもありがとうございます。」と御礼を述べた。すると間髪を入れず、後方にいた奥さんが「あんた降りないの?」と大声をあげた。最初に乗ったのに、後から乗った人にどんどん先を越されて、結局、最後に降りることになったのが余程腹立たしかったのか、奥さんは「何やってんのよ」とご主人を諫めた。
奥さんの強気な物言いに、ご夫婦の普段からの力関係が透けて見えるような気がした。奥さんに怒られて、悛(シュン)となったご主人。何も悪いことをしていないどころか、寧ろ紳士的で、立派な行為なのにね。
奥さんの剣幕に気圧されて口にすることはなかったけれど、もし私が「優しいご主人をお持ちですね」なんて言ったら、奥さんはどんな反応を見せたのだろう?
もちろん、エレベーターでは以前にも書いたように、思わず心がほっこりするような出来事もある。小さな"淑女"が満面の笑顔で「こんにちは」と挨拶しながら乗って来たり…
普段、何気なく利用しているエレベーターだけれど、そこでも悲喜こもごものドラマが日々、展開しているようだ
私は間の悪い人間なのか、しばしばエレベーターの動いた直後にホールに到着し、待ち行列?の先頭に当たってしまう。そういう時に限ってエレベーターはなかなか来ず、ホールは待つ人でいっぱいになる。
そうなると、別に義務感に駆られるわけでもないけれど、私はエレベーターに真っ先に乗り込むと、操作盤の前に立って、エレベーターガールならぬエレベーターおばさんになって「開」のボタンを押すことになる。やはり大勢の人間が乗り込む途中でドアが閉まらないとも限らないからだ。同行の夫はそんな私にお構いなしにサッサとエレベータの奥へ。
先日のこと。大勢の人がショッピングモール内を行き交う中、珍しくエレベーターホールには私ひとりだった。ほどなくエレベーターが到着し、私が乗り込んでドアが閉まりかけたところで、誰かが外のボタンを押したらしく、ドアが再び開き、息せききった男性が乗って来た再びドアがしまりかけた…その時、またもやドアが開き、今度はふたりの女性。再びドアが閉まりかけた途中で、さらにふたりの女性…、もう勘弁してよと思っていたら、またまた閉まりかけたドアが…4度目は他のエレベーターが到着したのか、結局、誰も乗って来なかった
その間、私は慌てて「開」のボタンを押すこと4回。私は思わず"Oh my god"と呟いた。少し待てば次のエレベーターが来るはずなのに、ほぼ閉まりかけたドアに飛び込んで来る人がたまにいる(今回はそれが4回も立て続けにあったからビックリしたどれだけせっかちなんだよ)。これは電車の駆け込み乗車と同様で、危険な行為だと思う。実際、エレベーターでは稀に死亡事故も発生しているのだ。
次はデパートで。4階でエレベーターを待っていると、上階からエレベーターが降りて来た。中には年配の夫婦と家族連れが一組。操作盤の前には年配夫婦のご主人が立っていた。そこに私達夫婦と他に2、3人が乗り込んだ。地階まで行く予定だったが、エレベーターは各階止まり。その度に件のご主人が「開」のボタンを押し続ける。その年配のご夫婦も地階で降りるつもりだったらしく、最後まで一緒だった。
人の良さそうなご主人は他の乗客が降りる間、律儀に「開」のボタンを押し続けている。私は内心感心しながら、降りる際に会釈しつつ「どうもありがとうございます。」と御礼を述べた。すると間髪を入れず、後方にいた奥さんが「あんた降りないの?」と大声をあげた。最初に乗ったのに、後から乗った人にどんどん先を越されて、結局、最後に降りることになったのが余程腹立たしかったのか、奥さんは「何やってんのよ」とご主人を諫めた。
奥さんの強気な物言いに、ご夫婦の普段からの力関係が透けて見えるような気がした。奥さんに怒られて、悛(シュン)となったご主人。何も悪いことをしていないどころか、寧ろ紳士的で、立派な行為なのにね。
奥さんの剣幕に気圧されて口にすることはなかったけれど、もし私が「優しいご主人をお持ちですね」なんて言ったら、奥さんはどんな反応を見せたのだろう?
もちろん、エレベーターでは以前にも書いたように、思わず心がほっこりするような出来事もある。小さな"淑女"が満面の笑顔で「こんにちは」と挨拶しながら乗って来たり…
普段、何気なく利用しているエレベーターだけれど、そこでも悲喜こもごものドラマが日々、展開しているようだ