「 三島由紀夫がなぁ
自衛隊で、クーデターを起こそうとして
失敗して 切腹して死んだそうだ
2.26事件を、想い起こしたよ 」
昭和45年 ( 1970年 ) 11月25日 水曜日
高校一年、一日の授業を終えた後の、ホームルームの時間
担任より
そう 知らされたのである。
三島由紀夫
市ヶ谷台上にて クーデッタを促し
壮絶なる割腹自殺!!
・・・リンク→男一匹 命をかけて
教室は重苦しい雰囲気に包まれた。
クラスの皆も、ショックを受けたようである。
皆が、口々に喋って居る。
皆は、「 三島由紀夫 」 を、知っているのである。
しかし私は、「 三島由紀夫 」 を、全く知らなかった。
↑ 東大全共闘対三島由紀夫
しかし
受けたショックは凄いものであった。
私は、泣きそうに成った。
左翼思想全盛のこの頃
介錯付きの割腹と謂う
日本的な行動に感動した所為である。
私は無垢に、嬉しかった。
重苦しい興奮
血を見た時、心臓がドキドキする あの興奮にも似たものであった。
世の中に無垢で、純粋であった私は、
「 大事件が起きた 」 と、感じたのである。
未だ16歳、
無垢の少年であった私
受けた 「 ショック 」 が、
この時、何であったか解らなかったけれど
それは
私の中に潜在していた、「 自分は日本人 」 と謂う意識
それを、喚起させられた、
私にとっては 「 自我の目覚め 」 でもあり、
「 吾の人生 」
・・・を、初めて意識させた、
人生門出の大事件であったのである。
・・・リンク→ 男のロマン 大東京 二・二六事件 一人歩き (一)
三島由紀夫の死 雷の衝撃