昔、うちの母は親子喧嘩をして負けそうになると「色白に生んでやったことを感謝してほしいわ!」と捨て台詞を言う癖があった。
昔から「色の白いは七難隠す」と言われているため、色が白ければいいと信じているらしい。ところが感謝を強要されている私の方は、色が白くて良かったなんて思った事は人生に於て一度たりとも無いのだ。
子供の頃、夏場は日に照らされてまっかっか。冬は冬で北風が吹けば、ほっぺたが、まっかっかと年中まっかっかの恐怖から逃れられない。おまけに写真を撮られると色白は最悪なのだ。
ある時、友達と並んでチーズ!!の写真を撮った。そして出来上がったものをワクワクしながら見たら私の顔だけ異様に大きくて、まるで出来立ての「綿あめ」のよう。
特に夜の室内で撮った写真は闇の中に白くて大きな顔がぼーーーっと浮かんでいて、何かの亡霊みたいで我ながらゾッとした。
学校で毎年撮る、クラス写真を見た瞬間、そのまま早退したくなったこともある。
私の顔が隣の色黒の子の顔の1.5倍くらいあったからだ。
元から私の方がそれだけ膨れているのなら諦めはつくが、焦って友達に聞いて回ったところ、顔の大きさは殆ど同じだと言う証言をもらった。
同じ場所に並んでいるのに私だけ一歩前に出ているみたいだった。
色黒の人は本当に羨ましい。写真に写ると顔が引き締まって、とても魅力的!!
彫りのない顔も多少、彫りがあるように見えるし、目が大きければそれだけでエキゾチックな美人に見えちゃう。
でも、私は、ぼやーーーっと輪郭がぼけてる上に、もともと存在感の無い目や鼻はどこかに消えて、メリハリの無い、のっぺり顔になってしまう。
毎年秋になると女性の間で色白に色白にと化粧の流行が始まるが、あれこれ塗りたくってまで色白になる必要なんかないと思えてならない。
今や、「色の白い」は何も隠してはくれないし、弊害の方が多いと思う( ;∀;)
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