ヤスクニ問題は何が正しいのか分からない。
ただ、原爆で死んだ僕のじいちゃんは、あの場所にはいないと思う。
親父は10才の時、ナガサキで被曝した
飛行機から キラキラ光る 何かが落ちてきた
すさまじい爆音に 飛び込んだ防空壕
静かになって外にでたら 世界が終わっていた
祖父は その日の朝 仕事を休みたいと言った
祖母は お国のためと励まして 彼を送り出した
祖父の働いていた兵器工場は 爆心地の近く
自分の死を感じる間もなく 彼は消えてしまった
家族は総出で リアカー引いて 祖父の姿を探した
街の中を流れる川には黒焦げの 死体があふれかえっていた
何日も何日も探し続けて そして疲れて あきらめた
破壊され すべてを失った街で これからも生き残っていくために
祖父の入っている骨壷には わずかばかりの遺品と
だれのもとわからない黒い骨が入っている
それから18年後 被曝2世として 俺はナガサキで生まれた
夏が来るたび 祖母から その日の話を聞いた
学校でも 授業で 原爆の怖さを教わった
資料館で見た写真に 吐き気をもよおししゃがみこんだ
街の中に残る 爪あとは 今ほんのわずかだが
たくさんの人が 今もまだ体と心 苦しみ続けている
祖母は死に 親父もいつか きっといなくなる
リアルな記憶を持った人々が この世からみんないなくなる
残される俺に できること それは 真実だけを伝えること
祖父の悔しさ 家族の記憶を 語り続けること
何度も何度も繰り返す悲劇 何度も憎しみが世界を覆う
それでもいつか人は変わるはず 未来へと生き残っていくために
憎しみや武器で世界は救えない 救うのは愛する心
きれいごとかも知れないけれど 俺はいつも信じてる
今年もまた 夏が来る 子供達の笑い声が 聞こえる
この世界を守るのに 核兵器なんかはいらないさ
本日、21:00
どこまでも行こう♪