一長二短

9'2 トライ、6'4クワッド、6'4トライ。どれも乗りこなせてない♪

読書備忘録

2007年10月04日 | book

最近、本のレビュー全然書いてません。
が、相変わらずのペースで読んでます。
で、自分が忘れそうなのでメモ。
・完全版 摘出―つくられた癌
・ミッドナイトイーグル
・考えるヒント1
・栄光一途
・真治
・FLAT
・象の背中
・君たちに明日はない
・真犯人 グリコ・森永事件最終報告

しかし、指向性がバラバラ。

破裂 (幻冬舎文庫 久坂部 羊)

2007年08月22日 | book

この人の作品を読むときは覚悟がいる。
・これはフィクションだということ
を何度も自分に言い聞かせなければならない。

医療をテーマにした作品だが、前回読んだ廃用身同様
・「老いる」ということはどういうことだろう?
と考えさせられる。
人は生きている限り必ず年を重ねる。
年を重ねれば、当然体のあちらこちらが弱ってくる。
現代社会において、そのことは「罪」なのだろうか?

話は飛ぶが、過日の参院選の結果は、
「弱い立場の人たち」から血を絞りとってきた現政権への抗議だと
この小説の読了後、あらためて思った。

2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書 西村博之)

2007年08月20日 | book

以前、Web進化論という本が出た時に、これはすぐに上司に読ませようと思った。
正直に言えば、あまりよくわかってない人に、「ほら、こんな偉い学者さんも言ってるでしょう。」みたいなプレゼンをするためだ。
いわば、虎の威を借る狐(笑)

で、今回の本は願わくば上司にはあまり読んで欲しくない。
こうまで、すっきりインターネットの本質っぽいことを書かれるとプレゼンがやりにくくなる。
「だって、ひろゆきも言ってるだろう?」
などと上司に突っ込まれたら困る。

困った本だ(笑)

フェルマーの最終定理(Simon Singh (原著), 青木 薫 (翻訳)  新潮文庫)

2007年08月06日 | book

フェルマーの最終定理とは、3 以上の自然数 n について、(xのn乗) + (yのn乗) = (zのn乗) となる 0 でない自然数 (x, y, z) の組み合わせがないという定理。
そして、この本は、この定理に対して300年近くも多くの人が挑み倒れ、そして近年になってようやく証明されたというドキュメントだ。

高校2年くらいまでは、数学は割と得意な科目だった。
一時は、数学教師を目指そうと思ったくらい。
でも、数Ⅲの統計でつまづいて数学の道はすっかり諦めてしまった。
で、この定理の話も知っていたが、そんなに大変な話だとは思いもしなっかた。

この本、面白かった。
でも正直書かれていることの半分くらいは理解不能。
ただし、この半分がわからなくても面白いと思う。
もし、この定理が証明されなかったとしても、きっと困る人は多くないと思う。
なのに、そのことに生涯をかけた人々がこんなに多く存在するということそのものが「人間の証明」だと、この本を読んで実感した。

「サーフィンは、なぜこれほどまでに心をつかむのか?」
誰か数学的に証明してほしい。

ピカレスク―太宰治伝(文藝春秋)

2007年07月24日 | book

最近は、道路関係四公団民営化推進委員会委員や東京都副知事に任命されたりして、すっかり政治家のような人だけれども、本職はノンフィクション作家だったと思い出した作品。

太宰治の作品は、高校時代に、はまり込んだ経験がある。
特に「人間失格」や「斜陽」あたりにはものすごく衝撃を受けた。
こうした作品を通して感じられる作者像は、当然ながら美化されたものであり、彼の起こした数々の心中事件も常人には想像のつかない深い意味があると思え、最後の玉川入水は、当然の帰結だと思っていた。

が、この作品を読んで、太宰治像が僕の中で大きく変わった。
でも、それは決して悪い意味でなく、親近感が増したという感じだ。
「なんて、いい加減な奴だろう」
もちろんその才能には疑いもないのだが、彼の作品をもう一度
いい加減な奴が書いた素晴らしい作品
として読み直してみようと思う。

ところで、太宰の最初の心中は、腰越海岸で、その後入院したのは恵風園。
で、その事件から立ちなろうと結婚し暮したのは船橋。
この変にも親近感を感じてしまった。

秋好英明事件(島田荘司 文藝春秋)

2007年07月19日 | book

福岡で実際におきた殺人事件の犯人、秋好英明死刑囚の半生と事件の真相にスポットをあてたノンフィクション。
秋好英明は、4人殺した罪で死刑を宣告されている。
でも、彼は1人しか殺してないと主張している。

4人であろうと1人であろうと、人を殺したことには違いなく、彼の罪は許されるべきものではない。
ただ、彼の主張の理由を読むと、この国の司法の在り方に疑問を持ってしまう。

2009年から裁判員制度が始まる。
今まで罪を犯さない限り、他人ごとと思えていた裁判が身近なものになる。
その時、僕らにはきちんと真実を見極める目を持つことができるのだろうか?

永遠のとなり(白石 一文 文藝春秋)

2007年06月29日 | book

「うつ病」が社会的に問題になっている。
特に働き盛りの30代の男性に多いそうだ。

この小説の主人公は、東京でサラリーマンをしていたが40代でうつ病にかかり妻子とも別れ、郷里の福岡に戻る。
そして、肺がんにおかされ一度は治癒するが再発し、それを契機にやはり東京から福岡に戻った幼なじみと日々を過ごす。
「うつ」と「がん」。
現代を象徴するとも言える病気を持つ二人は、将来や死の怖さを抱えながらも、生きることを静かに模索していく。

この小説を、読み終わって感じた言葉は「希望」だった。
別に何か事件が起こるとかそういうわけではない。
主人公が、何かメッセージを伝えているわけでもない。
病気であろうがなかろうが、日々の生活は否応なく主人公達を飲み込んでいく。
悲しいこと、うれしい事、その繰り返し。
そして、その積み重ねこそが「希望」なのだと思った。


本3題

2007年06月21日 | book

波ないですね~。
土曜日の朝一まで待ちかなあ。
紫陽花のきれいな季節ですね。
長谷とか凄いのだろうなあ。
というわけで最近読んだ本です。

父からの手紙(小杉 健二 光文社)
葉桜の季節に君を想うということ(歌野 晶午 文藝春秋)
廃用身(久坂部 羊 幻冬舎)

特に印象に残ったのは、廃用身。
年金だ介護だと、老後が不安になるニュースが駆け巡る毎日。
自分が年をとるって事がとてもリアルに思う今日この頃。
そんな中でこの作品を読むと、フィクションのはずなのにノンフィクションに思えてしまう。
年齢を重ねることは、人間として誇るべきことであってほしいと切に願ってしまった。

午前三時のルースター(垣根 涼介 文藝春秋)

2007年06月01日 | book

波長の合う作家といのは誰にでもいるのだと思う。
僕にとって、垣根 涼介はそのうちのひとり。
読んでいて、ストーリー、文体、登場する人物や小物が違和感なく頭に浮かんでくる。
もしかしたら、出身地や年齢なんかも関係あるのかな。

この小説の主人公がとにかくいい感じだ。
適度に大人と子供の感性が混じった設定。
僕にとっては、憧れに近い存在だ。
しかも、職業に近いものがある。
そのせいもあってかグイグイと読んでしまった。

しかし、前作に引き続き、自分と似たような立場や職業が背景の小説を続けてよんでしまった。
登場人物と自分とのギャップに、凹みそうな毎日だ(笑)

シリウスの道(藤原伊織 文藝春秋)

2007年05月30日 | book

読んだ後、大反省した一冊。
藤原伊織という作家は知っていたが、これまで読んだことがなかった。
理由は、作者名が気にいらなかったから。
何となくナンパな小説だと勝手に思い込んでいた。
それが、今回、作者が亡くなられたと知り、読んでみようという気になった。

主人公である辰野が、なんと言ってもかっこいい。
無骨で反骨、敵も多いが、上司や部下からも一目置かれる存在。
実は、会社の中で僕も似たような立場なのだが、とても、とても…。
もう自分には遅いのかもしれないが、ぜひ若い人に読んでもらいたい作品だ。

作者名で内容は判断してはいけない。(←自分宛)