摩尼殿の裏側を通り抜けて
圓教寺拝観の第一目的の伽藍へと向かいます。
参道は、未舗装で自然に出来た道のような感じとなり
良い雰囲気です。
比叡山の参道の大部分は
舗装されていたように記憶しているのですが、
西の比叡山と言われる圓教寺の参道の多くは未舗装の道なので
辺りに漂う樹々と土の香りが溶け込んだ空気が一息毎に
私の体の中に深く沁み込んでいきます。
「不浄なものよ私の中から消えていけ。」
大仏
こんちはっす。お邪魔させてもらっています。
保存樹
保存樹に指定されている参道の脇にあるこの大杉は、
樹齢約700年から800年。幹周が約8.4m、樹高約35m。
存在感抜群なので神社なら御神木認定間違いなしです。
右上に見える白い土壁は、本多家廟所です。
そして、いよいよ。ついに。ようやく。
一発で心を鷲摑みにされた御大将の伽藍とのご対面です。
書寫山圓教寺 三つの堂【国指定重要文化財】
これぞ私が映画で見て一発で虜になった
書寫山圓教寺の三つの堂の景観です。
樹々に囲まれた参道の視界が開けたと思ったら
目の前に圧巻の三つの堂が現れ、
雄大さと威厳と木材の朽ちた感じが
私を遥か過去へと導きます。
この三つの堂は、1331年の落雷、
1436年の火災で焼失していて
現在の建物は、室町時代の15世紀中頃に再建されたものだそうで、
全てが【国指定重要文化財】となっているのですが、
もうこの佇まいは国宝級です。
後から来た多くの人が
「うわあ。」と思わず声を漏らしています。
右が大講堂、正面が食堂、左が常行堂。
大講堂の東南の隅には、土塀で囲まれた本多家廟所があります。
映画「ラスト サムライ」
圓教寺の三つの堂は、
多くの映画やドラマのロケ地となっていて、
映画「ラスト サムライ」では、
食堂、常行堂、本多家廟所等が登場します。
本多家廟所【県指定文化財】
姫路城主となり圓教寺修復に尽力した本多家の廟所。
本多家の廟所となる前のこの場所には、
1331年の落雷で焼失するまで五重塔が建っていたようです。
私は、どのような重大な日本の歴史に関わっているとか、
素晴らしい日本庭園を鑑賞できることを重要視しているのですが、
圓教寺の伽藍は、伽藍そのものを観たいと思う
数少ない寺院の一つです。
大講堂【国指定重要文化財】
大講堂は、圓教寺の本堂に当たる堂で、
お経の講義や論議が行われる学問と修行の場。
大講堂 内陣【国指定重要文化財】
大講堂の内陣には、木造の釈迦如来像と
両脇侍(文殊菩薩・普賢菩薩)像が安置されています。
常行堂【国指定重要文化財】
常行堂は、ひたすら阿弥陀仏の名を唱えながら
本尊を回る修行をするための道場で、
内部は、中央に二間四方の瑠璃壇を設けて
本尊丈六阿弥陀如来坐像が安置されています。
常行堂に設置されている舞台は、
大講堂の釈迦三尊に舞楽を奉納するためのものです。
食堂【国指定重要文化財】
本来は、修行僧の寝食のための建物です。
現在は、1階に写経道場で2階が寺宝の展示館となっていて
3つの堂で唯一建物内に上がることが出来ます。
食堂1階内部
3つの堂の内、食堂内には上がることが出来るので
上がらない手はありません。
奥に見える白い土壁が本多家廟所です。
食堂1階に展示されている鬼瓦群。
豊臣秀吉が毛利を攻める際の1時期、
圓教寺に本陣を置いていたそうです。
写経道場
食堂2階内部
食堂2階外廊下 大講堂
食堂2階外廊下 常行堂
食堂2階 展示館
食堂2階 裏側 外廊下
食堂 裏側
圓教寺三つの堂の拝観を一旦終えて、
東谷の西国巡礼の参道で出会った圓教寺の関係者の方が
見逃し厳禁とお勧めしてくれたものがある奥の院に向かいます。