日本から輸入し、英国に放つことが決まったイタドリマダラキジラミの成虫(英環境・食料・農村省提供、共同 2010.3.9 10:56)
19世紀に観賞用として日本から持ち込まれ、英全土に広がって在来植物を駆逐しているタデ科の植物イタドリの駆除のため、日本からこれを枯らす虫を輸入し放つことが9日決まった。
英環境・食料・農村省が明らかにした。同省によると、外国の虫を天然の除草剤として使うのは欧州で初めて。
イタドリは日本など東アジア原産の多年草で高さ約1メートルに成長する。
アスファルトを突き破って成長するため、英国全体で駆除や道路補修などに年1億5千万ポンド(約200億円)かかっている。
輸入するのは、世界文化生物大図鑑(世界文化社)によるとカメムシ目キジラミ科のイタドリマダラキジラミで体長約2ミリ。
専門家ディック・ショー氏らは、日本では、英国にいないこの虫などがイタドリの汁を吸って枯らすため被害が少ない点に着目した。
(共同)
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イギリスにかかわらず、シーボルトが日本から観賞用として持ち帰ったイタドリがドイツで爆発的に増殖して現地では大困りだそうです。
竹みたく地下茎を張るから駆除が難儀だとか、
根を残さず抜いてしまわないと何十年か後にコンクリートを突き破ってでも生えてくるとか、
生命力の強い植物ゆえ除草剤を根気よく撒かなければ根が死なないとか…
今回のイギリスの話は数年間観察、実験して生態系には問題ないとのこと。
でも、ホントに大丈夫?
■イタドリ(虎杖、痛取 Fallopia japonica)とは、タデ科の多年生植物。
別名スカンポ又はイタンポ(茎を折るとポコッと音が鳴り、食べると酸味があることから、スイバをスカンポと呼ぶ地方も多い)。
茎は中空で多数の節があり、その構造はやや竹に似ている。三角状の葉を交互につけ、特に若いうちは葉に赤い斑紋が出る。
北海道西部以南の日本、台湾、朝鮮半島、中国に分布する東アジア原産種。
近年ではヨーロッパなどにも帰化し、その旺盛な繁殖力から在来種の植生を脅かす外来種として一部の国では問題視されている。