午後は大町社協50周年事業の記念講演会に
相田みつを美術館館長の相田一人さん(みつをさんの長男)のお話です
いつものハーモニールームのHさんから、この企画が始まったころにお声をかけていただいていて
楽しみにしていました
そのHさんはこの講演会の司会の大役を素敵な着物姿で熟していました ↑ の着物地のコースターを来場者皆さんに配られました
あちらこちらから頂いた着物がこうして手を加えられ、こうしてまた自分の元に帰って来るって嬉しいですね
館長さんのお話は最初はワハハと笑えるようなお話で、後半はもらい泣きをするお話で
お金がなくて、兄さんと二人で紙芝居を隠れて見ていたら見つかって
紙芝居屋さんに首根っこをつかまれて叱られたお兄さん
泣きでもすれば許されたかもしれないけれど、泣かずに唇をかみしめてぐっと我慢していたから
もっとひどく叱られて、そんなお兄さんを見ながらみつをさんも我慢して泣かなかった・・・
回りの人がみんな帰って二人きりになって無言で家に帰った
でもお兄さんもみつをさんも、そんなことがあったとはお父さんにもお母さんにも一言も言わなかった
そんな辛い体験がみんな、あのみつをさんの言葉の根になっているのだと感じました
お父さんの書に書かれた文字を深く理解している人だからこそできる話だなと感じ入りました
みつをさんは私の父と同世代 お兄さんを二人戦争で亡くされているそうです
鉄砲の弾が心臓を貫通して即死だったという伝えに「苦しまずに即死だった」とそれだけが救いのようにお母さんが何度も何度もこの言葉を繰り返していたと
その亡くなったお兄さんの戦友から後に、即死では無かった事実を知らされた時、このお母さんはしばらくおかしくなってしまった・・・・・そんなお話を聞いていると
やはり6人兄弟(男4人、女2人)でお兄さん二人を戦死で失った父の母(私のおばあちゃんの姿を思い出します)
フィリピン沖で次男を失って遺骨も戻らず、何も詳しいことが分からないおばあちゃんにとって
自分の子の死を認められず、いつか帰って来るのではないかとずっと待っていたと
二葉百合子さんの「岸壁の母」がTVで流れるたびに、涙を流して震えていたと
松本に出かける用がある時は父に「松本のレコード屋さんでこのレコードを買って来てくれ」とおばあちゃんはいつも頼んだと
父はレコード屋さんへ行って「岸壁の母」のレコードを手にしても、どうしても買って帰ることが出来なかった
この歌を聴いては泣いているおばあちゃんを見ているから、これを買って行ったら毎日聴いては泣くのではないかと
何度松本へ行っても買えなかったと
おばあちゃんには売っていなかったといつも嘘をついたが、今思えば聞かせてやった方が良かったのか・・・・それとも聞かせなくて良かったのか・・・・今も分からないといっている父
先日、車いすの友から電話があり「お通夜に行くのに車の運転手をしてほしい」と頼まれた
無くなったT君ともお母さんとも面識がある私も、一緒にお通夜に参列させてもらった
畳の部屋での通夜だったので、車いすで動けない彼に代って、お線香をあげ
お花を手向け、T君の安らかなお顔に触らせていただいた時
あまりの冷たさに、あぁ、本当に死んでしまったのだと涙があふれた
T君は我が家の長男と同じ年、小児麻痺で車いす生活でした
ずっと車いすで頑張って来たのに、なんで更にその上に重い病をと 神も仏もないものかと・・
子を亡くす悲しみより悲しいことって、母親にとってあるのだろうか・・・・・・・
人一通りの悲しい経験があるつもりでいた私も、子どもに先立たれる親の悲しみ苦しみは、私なぞの考えの範疇でないと思う
故に、私の手を握って泣いているお母さんにかける言葉もなく・・・自分の無力を感じる
昨日の講演を聴いての帰り道、一緒に行ったJさんが「友達で今苦しんでいる人がいてね、話を聞いてやれるのは私だろうとは思うんだけど、何度も再発している彼女になんと声をかけていいのかわからなくて、会いに行けないでいる」と言っていた
私も数年前に自分より年下の友を亡くした時、全く同じだった
躊躇して悩んでいるうちに、、、、、、、会えないまま永遠の別れになってしまった
夏になると、お盆になると、こうした切ない別れをいくつか思い出します
父がレコードを買わなかったことを良かったのか悪かったのかと・・・一生考えるように
私も私の母の最期をあれで良かったのだ、いやもっと違う方法もあったのかもと一生悔いるのでしょう
そうして、故人を思いだし、今の自分を振り返ることがせめてもの供養になるのかもしれないですね
・・・・・・・どう考えても過去の時間も大切な人も戻っては来れないのだから・・・・・・
せめて、今の自分がどうやってこれから生きて行くかを考えたいと思い
出た答えが、元気でたくさん食べて、動けるうちはいっぱい動いて、私は私らしく毎日を暮らして行くでした
そんな訳で、今日もこれから、月山・鳥海山の続きを読みながら半身浴タイムとします