kouheiのへそ曲がり日記

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透明な棺

2022-03-31 09:51:05 | 日記
夢の中で僕は夢から醒めた
君が立っていた

「あなたが好きです」

君の目から涙がひとすじ零れ落ちた

君は「好き」と言った
「愛してる」とは言わなかった
それが僕は嬉しかった

僕は働く
君のために働く
この透明な棺の中で

言葉を紡ぐのだ
君の魂を燃え上がらせる言葉を

ここにいれば寒くない
お腹も空かない

「あなたと生きてみたい」

僕もそうだよ
君と生きてみたい

だけど・・・
きっと無理だね
もうすぐ僕は夢の中で眠りに落ちるだろうから

34番目の僧よ
夢の中で僕に夢を見させてくれ
この透明な棺から抜け出す夢を

死ぬのは怖くない
だけど生きながら焼かれるのは怖い

「君が好きだよ」

だって無理だから
君と巡り会うことは・・・

霧のなか

2022-03-31 09:47:10 | 日記
私は
乳飲み子を抱えながら
霧のなかを
彷徨っている

この子は
さっきから
泣きっぱなしだ

乳が欲しいのか?
それともおしめが濡れているのか?

乳をやっても
おしめを替えても
泣き止まない

霧が
汗ばんだ皮膚に
纏わりつく

乳飲み子よ
どうして泣くのだ?

存在の不快?
それをお前は泣いているのか?

彼方に
シャンデリアのようなUFOが下降して行く

存在の不快を泣く乳飲み子を抱え
私は立ち尽くす

霧のなかで立ち尽くす

天国のコロへ

2022-03-31 09:41:53 | 日記
そっちは楽しいかい?
僕ももうすぐ行くから待っててくれ

もう生きる気力が無くってさぁ・・・
生きる意志を捨てたら
どれだけ早くそっちへ行けるか
実験中なんだ

この世では
僕はもう何も要らない
したいことも無い

僕は想像する
君がたくさんの小犬に乳をやっているところを
君は幸福そうだ
そりゃそうだよな
子孫繁栄のために生まれてきたんだものね

僕はその役目を果たせなかった
地獄行きかな?
まぁ 地獄もそれなりに楽しそうだけどね

首の無い猫の死骸
蝶は一頭二頭と数えるんだよ

「それはしんじんしいとよむんじゃ!その証拠にしんじんぶかいという言葉があるじゃないか!」

いけない いけない
またN大学前衛国語研究所所長の声が聞こえてきた

コロ もうちょっと待ってくれ
あいつを黙らせるまで・・・

目的の王国

2022-03-31 09:37:08 | 日記
この地球上では
私は私ではない
私はあなたという鏡に映った鏡像にすぎない

「他人を、常に、手段としてではなく、目的として扱え」

だが
私を手段としてしかみないあなた方を
どうやって目的として扱えようか?

2500億光年の彼方
目的の王国があるという

そこでは日夜
大合唱が聞こえる

「私は、私だ!」

その世界には
時を刻むものがない
だから言える

「あなたは、あなただ!そして、私は、私だ!!」

せめて
私を
月の裏側に連れてってくれ
そこで私は
泣きながら呟くでしょう

「私は、私でいたい・・・」

非情な重力

2022-03-31 09:33:48 | 日記
二人の女の子が死んだ
「死ぬ理由もないが、生きる理由もない」
そう書き残して

僕はなぜ生きているんだ?
「生きる理由もないが、死ぬ理由もない」
そういうことか?

9.8という数字が僕を苦しめる
9.8という数字が僕をがんじがらめにしている
空を飛びたいのに
翼をひろげ
どこまでも遠くへ
宇宙の果てまでも

そして今 9.8という数字が僕を呼んでいる
高みに上り
身を投げ出せと

僕は祈る
「許して下さい」
僕を言葉の槍で突き刺した全ての人々を
「許して下さい」
僕が言葉の槍で多くの人々を突き刺したことを

9.8という数字が僕を呼ぶ
高みへ上り
身を投げ出せと

「僕の罪は清められますか?」

9.8という数字が・・・