kouheiのへそ曲がり日記

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For the other side of the sky

2022-03-31 12:58:53 | 日記
気づいているかい?
君の姿を
ずっと追っている僕の瞳に

君が通り過ぎると
微かに香る石鹸の匂い
それが僕はとても好きだ

春が来たら
一緒に草原へ行こう
柔らかい春の日差しに包まれて
僕らは一つに溶け合う

君も僕も素っ裸だ
心のシャツを脱ぎ捨て
僕らは遊び行く
遥か彼方のその果てまで

無限に続く草原で
艶めかしい風に吹かれよう

もう僕は
君の花びらをはっきりと指摘したりしない
そんな野暮は卒業さ

あぁ、春が来たら
僕は死ぬ
僕を忘れないで
君だけは僕を忘れないで

想像のナイフ

2022-03-31 12:55:11 | 日記
「証拠品の提示を求めます」

「証拠品は想像上のものですので、提出はできません」

「なぜ弁護士をつけないのですか?」

「私にとって私自身が最良の弁護士だからです」

「罪状認否!あなたは起訴事実を認めますか?」

「はい、私は想像のナイフで彼を刺し殺しました」

「その理由は?」

「社会正義のためです」

「!?被告は殺人が社会正義だというのですか?」

「その通りです」

「被告は自分が無罪だと?」

「いえ、私は有罪です」

「なぜ社会正義を行ったことが有罪なのですか?」

「社会が狂っているからです」

「被告は狂った社会の法に従うのですか?」

「ソクラテスではありませんが、悪法も法です」

「・・・」

「裁判長!私を死刑にして下さい」

「被告の精神鑑定が必要と認められます」

「いえ、必要ありません、私は狂ってません、なぜなら、狂ったこの社会で被告になったからです、この社会では正常な者は被告にならざるを得ません」

「しばらく休廷します」

あれから10年以上経った
私は今日も宙ぶらりんで、想像のナイフを研いでいる

今日も宙ぶらりんで・・・

病気の赤ちゃん

2022-03-31 12:52:24 | 日記
僕は
病気の赤ちゃんを抱きかかえ
冬の夜道を右往左往している

「お願いです、すぐ来て!」

「それが・・・全ての救急車が蒸発してしまい・・・」

十字路だ
病院はどっちだ?
右か?
左か?
それとも、まっすぐか?

暗い新月
見えるのは
薄暗い街灯のみ

腕が痺れてきた
指の感覚も麻痺している

遠くで女の悲鳴が聞える
レイプ・・・?
でも僕は
この赤ちゃんを病院へ連れて行かなければ

「わははは!」
誰だ!
笑っているのは!

この道端に
赤ちゃんを置き去りにしようか?
「疲れたんだ、疲れきったんだ・・・」
逃げよう、逃げなければ!

二人の少女が死んだ翌日
僕は落ちていく
どこまでも・・・
ドコマデモ・・・

ダイヤモンド・ダスト

2022-03-31 12:48:59 | 日記
静かだ
この静けさのなかに僕は立ち尽くしている

「明カリヲ点ケマショウカ?」
「今後こちらから話しかけるまで口を利くな」
「失礼シマシタ」

開け放した窓から
月の光が射し込んでいる

足元に転がっている僕自身の遺骸
それを見つめている僕は誰だ?
どっちが実体で
どっちが影なのか・・・

「コンピュータ、僕は誰だ?」
「アナタハアナタデアッテ、アナタデハアリマセン」
「・・・弁証法なんかプログラムしなければよかった・・・」

僕を殺した僕
僕に殺された僕

凍えるような寒い冬
空気がキラキラ輝いている

僕に殺された僕を置き去りにし
僕を殺した僕は月の光のなか旅立つ

「ずっと一人ぼっちだった」
静かだった
僕の人生は・・・

さようなら

合理主義者の接吻

2022-03-31 12:45:42 | 日記
あの人は見つめている
金色に輝く天皇の姿を

また別の人は見つめている
目映い光を放つ神を

私の目に映るものは
蛆虫に食いつぶされた私の遺骸のみ

だから私は人を殺せない

人のいいアダルト・チャイルドは
全ての社会関係を断ち切られ
昼間から酒を飲む

酔っ払って越境する
酔っ払って絶叫する
酔っ払って覚醒する

そして気づく
絶対者を認めない誇りと孤独に

「おお神よ、あなたを殺します」

なぁに・・・ほんと言うと・・・君にくちづけしたいだけなんだけどね